リトアニア 「クライペダ(Klaipėda)の新市街」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2015年8月】

 

観光の時間です.
今日はリトアニアの「Klaipėda(クライペダ)」でお散歩です.

 

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クライペダの街はダニェ川(Danė River)に架かるBiržos Bridgeを境に新市街,旧市街と分けている地図や解説が多いです.今日はダニェ川の北側に広がる新市街をお散歩します.ダニェ川の北側はマント通り(H. Manto g.)が続いています.その通りと交差しているのがLiepų gatvėです.最初に掲載した写真がLiepų gatvėとH. Manto g.の交差点です.大きなバスも通っています.

Liepų gatvė沿いにはお散歩に最適な場所,スカルプチャーパーク(Skulptūrų parkas)があります. 

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Skulptūrų parkas

 

 

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こんなふうに木が生い茂る公園内に複数の彫刻作品が展示されています.1959年まで共同墓地だった場所が公園としてリニューアルされました.これらはリトアニアの有名な彫刻家たちによる作品で,1977年から91年にかけて造られました. 

 

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作りかけなのは歩道です.よそ見していると穴やブロックでつまずいてしまいます. 

 

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ネコの顔のような作品はVytautas Narutis氏の「KATINAS」という作品です.公園内の彫刻作品にはひとつひとつプレートが添えられていて,作者,タイトル,年代が書かれています.でも,それらをひとつひとつ見ていたら,疲れてしまいそうです.公園内には116ものモダンアート作品が点在しているのです.

クライペダの旧市街をお散歩したとき,可動橋の近くにも幽霊のスカルプチャーがありました(「クライペダ旧市街」の思ひで…).
クライペダの街には他の場所にも彫刻作品があります.


住所:Tarp K. Donelaičio, Liepų, Trilapio ir S. Daukanto g.
URL: http://www.mlimuziejus.lt/en/expositions/the-sculpture-park/ 

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain クライペダの鉄道駅

 

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クライペダの鉄道駅です.赤レンガづくりで,のっぽの時計塔があって…可愛い駅舎ですが,観光客が利用することは少ないと思います.首都ヴィリニュス(Vilnius)-クライペダ(Klaipėda)間の列車は1日4便で,4時間半から5時間かかります.ヴィリニュス行きの最終列車は17時.クライペダ駅をお散歩したのは19時を過ぎていたので,ほとんど人影はありませんでした.窓口も閉まっていました. 

 

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誰もいない駅のホームでしたが,貨物列車が連なっていました.19時過ぎだというのに,まだ明るいです.ヨーロッパでの夏のお散歩は,少し遅い時間になっても楽しめます.
そんな駅で見つけた彫刻作品はこちら. 

 

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「Atsisveikinimas」というタイトルの作品です.英語ではThe Farewell(別れ)を意味します.この作品は2002年に,第二次世界大戦の悲劇を追悼する目的で造られたそうです.
1941年,クライペダの人口は41188人でしたが,1945年1月にはたった6人しか発見されなかったという記録があります.多くの人はドイツ軍の撤退とともに逃げ出したそうです.クライペダという街の歴史を知るきっかけとなる作品です.
クライペダの街には,おじさんの顔をしたネコの彫刻「Katinas džentelmeno veidu」やクルーズ船を見送る少年の彫刻「Vaikystės svajonė」,クライペダの街が外国との貿易が盛んな港街として栄えたことを表す作品「Puodynė su pinigais」などなど他にもたくさんの彫刻作品が街中にあります.

 

クライペダは,というよりはリトアニアは,街中にたくさんのアート作品がある国なんだなとの印象があります.ヴィリニュスをお散歩した時も,ヴィリニャ川の橋の下に作品が展示されていましたね”(「ネリス川のボートツアー」の思ひで…)アート作品を探すお散歩も楽しいかもしれません. 

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 時計博物館(Laikrodziu mUziejus)

 

Liepų gatvė沿いにある博物館です.朝一番でお散歩に来たのですが…開館は12時からでした.

 

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新市街にある時計博物館は,19世紀初頭の貴族の館を改装し1984年にオープンしました.様々なタイプの仕掛け時計(水時計や火時計)や時計発展の歴史も展示しています.さらに,時計のコレクションが展示されているフロアーもあります.入館料は1.8ユーロだったと思います.

 

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時計のコレクションも素晴らしかったですが,建物も印象的です.貴族の館だったというだけあって階段や床面が美しく,高価な感じがしました.もちろん建て直されていますが…
時計博物館には裏庭があり,大きな日時計があります.

 

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《わん》「いま何時かわかる!?」
《ころ》「…?」

影の長さで時間を計る日時計.初期の日時計は,紀元前3000年のものがエジプトで発見されているそうです. 

 

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建物の中には本当にたくさんの種類の時計がありました.燃え残った部分が時間を指し示す火時計,器の中にどれだけ水が残っているか(もしくはどれだけ排出されたか)で時間を知る水時計,19世紀中頃に発明された電磁石で振り子を振動させる時計…紀元前から様々な仕掛けを使って時を計っていたことが分かります.

 

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懐中時計や置時計など,デザインされた時計も展示されています.17-18世紀のバロックスタイルの置時計は当時の家具やインテリアにふさわしいデザインだったようです.また,独特の流線型を持つモダンスタイルの置時計も展示されていました.時計のデザインにも時代の変遷を見ることができるのですね“

今日の《ころ》のお気に入りはこちら.

 

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24時間で一周(!?)する懐中時計です.慣れないと見間違えてしまいそうです.

 

住所:12 Liepų Street, LT-5800 Klaipėda
開館時間:12:00-17:30 (日曜は16:30まで),月曜日は休館日
URL: http://www.muziejai.lt/klm/english/pradzia.html  

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

【Klaipėdaへのアクセス】

首都ヴィリニュス市内から車で行く場合は, A1を進みます.クライペダまでは300kmほどありますが,高速道路が整備されています.

 

(リトアニアでの運転)

速度制限は,街中:50km/h,郊外:90km/h,主要高速道路:110km/hです.ヘッドライトは常に点灯させる必要があります.高速道路は無料です.高速道路にはバス停が設けられていたり,Uターンレーンがあったり,側道を人が歩いていたりするので運転には注意しましょう.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain リトアニア

 

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バルト三国の1つでラトビア,ベラルーシ,ポーランド,ロシア(カリーニングラード)と国境を接しています.バルト海をはさんだ西側にはスウェーデンがあります. 1940年に旧ソ連邦に編入され,1990年ソ連からの独立宣言を議会で採択しました.2004年にはエストニア,ラトビアとともにEU加盟しています.リトアニアが2015年1月にユーロを導入したことで,バルト三国すべてでユーロが流通することとなりました. 公用語のリトアニア語はバルト系言語で,ラトビア語と同じグループに属します.宗教は主にカトリックで,文化面はポーランドの影響が大きいと言われています.

 

国名 Republic of Lithuania(リトアニア共和国)

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人口 291.6万人
面積 約6.5万平方キロメートル
言語 リトアニア語
通貨 ユーロ(2015年に導入)
時間 UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2015)『データブック オブ・ザ・ワールド 2015年版』二宮書店.

Danguolė Kandrotienė (2015)「Lithuania 100 places to visit」TERRA PUBLICA(978-9955-652-99-1).

 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Klaipeda Tourism and Culture Information Centre: http://www.klaipedainfo.lt/en/