【訪問日:2015年8月】
ごはんの時間です.
今日はリトアニアの「Klaipėda(クライペダ)」でお散歩です.
美味しくて,安くて,お腹いっぱいになるリトアニア料理のお店を紹介します.《ころ》お気に入りの店です.
puodziu通り
お店の名前は「Viskas lietuviškai」.この店は観光地の集まる旧市街ではなく,ダニェ川(Danė River)の北側に位置する新市街にあります.でも,旧市街にあるツーリストインフォメーションから徒歩で10分くらいなので,それほど遠くはありません”
お店の住所は「Puodžių gatvė 3」.Puodžių通り沿いにあるということです.通りの名前は交差点などにある建物の壁に貼り付けられています.
車の運転をする時もこの標識を頼りに目的地を目指すのですが,小さすぎたり暗くて見えなかったりすることが多く大変です.
Puodžių通りは大きな通りではなく,ちょっとひっそりしています.時間帯にもよりますが,観光客がたくさん歩いているわけではないので,お店を見逃してしまうかもしれません.交通量の多いLiepų通り(途中で名前が変わるので Naujojo Sodo通り)からPuodžių通りへ入り直進します.目安としては,道路の反対側に茶色の大きな建物(アンバートンホテル)とアーケードが見えたところで左に入ります.隣の建物の屋上にある「VIVALAVITA」の看板も目印です.Vytauto通りとの交差点を過ぎたあたりの左側に美味しいリトアニア料理のお店があります.
町の食堂「Viskas lietuviškai」
小さな店内を見回すと,観光客は《わん》と《ころ》だけ...ほかのお客さんは地元のお兄さんやおばちゃんたちでした.でも,観光ガイドにも載っている店だしメニューには英語表記もあったので,観光客がいないのは,たまたまだったのかもしれません.この店は,客の回転も早く“食べたらさっと帰る”お昼時の定食屋さんって感じです.
メニューを見ると,ほとんどの料理に2つの価格が付けられていました.この店の料理にはハーフサイズがあるので,食べ比べができます♪
《ころ》が待ちきれない様子なので,さっそく注文しました.
【Tarkuotų bulvių blynai】
すりつぶしたジャガイモのパンケーキです.サワークリームが添えられています.2ユーロでした.
ヒラヤーチィーの味.と言ってもわからない方が多いかもしれませんが...長芋や小麦粉,卵からつくる沖縄料理「ヒラヤーチィー」を思い出す味でした.多めの油で焼き上げているからだと思います.いものモチモチ感も残っているし,カリッと焼けた部分もあって美味しかったです.さつま揚げのような香ばしさを感じます.
たっぷりのサワークリームが添えられていました.油の多い料理なので,ヨーグルト味がさっぱり感を出してくれます♪
【bulvių plokštainis (kugelis) su rūkyta kiaulės ausimi】
すりおろしたジャガイモを使ったプディングです.豚耳が入ったものにしました.これは通常サイズで3.5ユーロです.プディングといっても甘い食べ物ではありません” グラタンのように見えますがホワイトソースは入っておらず,ずっしりとしています.Kugelisはポテトパンケーキと同じように,すりおろしたジャガイモから作られていますが,より“ずっしり”しています.卵も使われているようです.豚の耳ははコリコリしていてスモークの味が強かったです.玉ねぎも入っていましたよ.
付け合せは豚の油とサワークリームです.これはツェペリニ(Cepelinai)の付け合せでもあります.
【Cepelinai su mėsa】
ジャガイモ団子です.中には挽き肉団子が入っています.ハーフサイズなので1個(1.8ユーロ)です.モッチモチのツェペリニ(Cepelinai).中身のお肉は少しだったけれど,美味しかったです.付け合せの豚肉入りのオイルはしょっぱかったです.
リトアニアのジャガイモ団子には特有の臭いがありませんでした.ドイツで食べたジャガイモ団子はイモの臭いが気になって,あまり好きにはなれませんでした.提供している店にもよると思いますが,乾燥させたイモ(インスタント食品)から作ると,独特の匂いが残るのかなぁ...と思います.スーパーでもジャガイモ団子用の粉が売られています.一度,作ってみましたが,やっぱり好きな味ではありませんでした.
リトアニアのジャガイモ団子「Cepelinai」は,Graff von Zeppelinが開発した飛行船に形が似ていることからこの名前がつけられました.didžkukuliai(リトアニア語で飛行船)と呼ばれることもあります.
ほかのお客さんもジャガイモ団子を食べていましたよ.リトアニアの(現地の)人も伝統的な料理を食べるのですね” ひき肉ではなく,カード(curd,カッテージチーズのこと)入りのジャガイモ団子もありました.
《わん》「さっき厨房がチラッと見えたけれど,大量のジャガイモをむいてたよ!!」
キッチンではおばちゃんたちが,ジャガイモ料理を手作りしているようです.おばちゃんたちが一所懸命に作ってくれているおかげで,料理が出てくるのも早かったです.お腹がすいているときは,これだけで素晴らしい店だと感じます.
この店はジャガイモ料理が中心のリトアニア料理屋さんです.
窓にはこんなペイントがされていました.
リトアニアの人の主食はパンだそうですが,ジャガイモも大事な存在なのだと思います.そういえば,クライペダ旧市街にあるマーケットではジャガイモが売られていました.
大きくて立派なジャガイモたちです.種類もいろいろあるのですね“ 価格はKgあたりだと思いますが,日本では考えられない値段ですよね.
「美味しい.美味しい.」と書きましたが,お腹いっぱいだし,正直言うとちょっと油で疲れました.でも,ただの食べ過ぎです.美味しいリトアニア(のジャガイモ)料理でした.今日のご飯は飲み物を入れてもたったの9ユーロ!!! 安いです.
元気で明るいお店のおばちゃんと記念撮影しました♪
町の食堂を切り盛りしているマンマといった感じです.ドイツ語が少し通じましたよ.この店はレジでお会計ができます.支払ってすぐに帰れるので良いシステムです♪
リトアニア料理
リトアニア料理の特徴は,多種多様にアレンジされたジャガイモ料理です.
最も印象的と言われているのがcepelinai (Zeppelins)茹でたジャガイモ団子です.生のジャガイモをすりおろして団子状にします.ひき肉やカッテージチーズが中に入っているので,大きめです.
小さめのジャガイモ団子にはマッシュルームやベリーを詰めることがあるそうです.
ジャガイモは(ニシンの)付け合せとしてだけではなくサラダ,パンケーキ,ポテトローフさらにはソーセージ(vėdarai)としても料理されます.ジャガイモソーセージはすりおろしたジャガイモが豚の腸に詰められています.
団子が作られるのはジャガイモからだけではありません”
練った小麦粉から作るダンプリング(koldūnai or virtiniai)もあります.これにも,マッシュルームや肉,ベリーやカッテージチーズが詰められるようです.きっと,水餃子みたいな感じに仕上がるんだと思います.リトアニア料理はポーランドや周辺国の影響を受けているようです.ダンプリングはポーランドやロシアの伝統料理として有名ですね.
リトアニアには「tinginiai」“なまけもの”という意味のダンプリングがあるそうです.半月型のダンプリングの中に潰したブルーベリーが入っている料理です.
そういえばポーランドで似たようなダンプリングを食べたなぁ...
ポーランドの首都ワルシャワにある「Zapiecek」というチェーン展開するレストランで食べました(お散歩をしたのは2013年です).ブルーベリー入りのダンプリングで,甘いサワークリームがたっぷりかかっています.食事というよりもデザートですね”
「Zapiecek」は,テーブルに置かれているポーランド陶器やウエイトレスのおねぇさんの服が可愛かったです.
小麦粉(パン生地)を使ったリトアニア料理といえばkibinai(キビナイ)やčeburėkaiもあります.こちらは具を包んだ生地を揚げるか焼くかしたものです.キビナイはトゥラカイ(Trakai)地方の料理として紹介されていますね” キビナイはリトアニアの少数民族カライメ(Karaimų)人によりもたらされた料理なのだそうです.
こちらがキビナイです.これは2009年にリトアニアをお散歩した時に食べたものです.キビナイはファストフードのように気軽に食べられているものです.
野菜や肉から作られるスープもリトアニア料理には欠かせないものです.beer soupというものあるのだとか...でも代表的なスープといえばšaltibarščiai(冷たいビーツのスープ)です.暑い夏の日に好まれるスープで,ケフィア(kefir)ヨーグルトのような発酵乳飲料も使われています.
ビーツ(赤かぶ)のスープは温かいスープもあります.ピンク色の食べ物って珍しいですよね“
ジャガイモ料理ばかりを紹介しましたが,主食はパンなのだそうです.ライ麦パンもよく食べられています.レストランで食事をしたときは,付け合せに黒い色をしたライ麦パンが出されることが多かったです.ちょっと酸味のあるパンなので,日本人にとっては珍しい味だと思います.
「カウナスでのリトアニア料理」の思ひで…もご参照ください.
代表的なリトアニア料理を紹介しましたが,やはり料理には地域色があります.北東部(Aukštaitija)はパン生地ベースのダンプリングやパンケーキ料理が多いそうです.南部(Dzūkija)はマッシュルーム料理が有名です.西部(Suvalkija)は肉料理が有名でソーセージやハム,さらには豚の内蔵を使った料理もあるそうです.北西部(Žemaitija)はジャガイモを使った料理が多いそうです.
現在ではどの地域を観光しても地方のリトアニア料理を食べることができますが,作る人によっても味が違うだろうし...お気に入りの味が見つかると嬉しいですよね♪ 地域だけではなく季節限定の食べ物もあり,クリスマスシーズンになると出回るパンもあるようです.
リトアニア料理(英語版)については以下の文献が参考になります.ビーツスープなどのレシピも載っています.
「Lithuania. Taste it! Love it!」
http://www.vilnius-tourism.lt/wp-content/uploads/2013/07/Taste-it-Love-it-EN.pdf
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【今回のお店】
Viskas lietuviškai
Puodžių gatvė 3, KLAIPĖDA
月-金:10-20時,土-日:11-20時
美味しいリトアニア料理のお店です.支払いは現金のみでクレジットカードは使えません.
【Klaipėdaへのアクセス】
首都ヴィリニュス市内から車で行く場合は, A1を進みます.クライペダまでは300kmほどありますが,高速道路が整備されています.
(リトアニアでの運転)
速度制限は,街中:50km/h,郊外:90km/h,主要高速道路:110km/hです.ヘッドライトは常に点灯させる必要があります.高速道路は無料です.高速道路にはバス停が設けられていたり,Uターンレーンがあったり,側道を人が歩いていたりするので運転には注意しましょう.
(リトアニアの営業時間の表示)
リトアニアでは曜日にローマ数字を当てはめ営業時間を表示している店があります.Iが表すのは月曜日です.例えば「I-V, 8-22」と表示されていたら「月曜日から金曜日の8:00-22:00」という意味です.
リトアニア
バルト三国の1つでラトビア,ベラルーシ,ポーランド,ロシア(カリーニングラード)と国境を接しています.バルト海をはさんだ西側にはスウェーデンがあります. 1940年に旧ソ連邦に編入され,1990年ソ連からの独立宣言を議会で採択しました.2004年にはエストニア,ラトビアとともにEU加盟しています.リトアニアが2015年1月にユーロを導入したことで,バルト三国すべてでユーロが流通することとなりました. 公用語のリトアニア語はバルト系言語で,ラトビア語と同じグループに属します.宗教は主にカトリックで,文化面はポーランドの影響が大きいと言われています.
国名 | Republic of Lithuania(リトアニア共和国) | |
人口 | 291.6万人 | |
面積 | 約6.5万平方キロメートル | |
言語 | リトアニア語 | |
通貨 | ユーロ(2015年に導入) | |
時間 | UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間) |
二宮書店編集部(2015)『データブック オブ・ザ・ワールド 2015年版』二宮書店.
Danguolė Kandrotienė (2015)「Lithuania 100 places to visit」TERRA PUBLICA(978-9955-652-99-1).
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Klaipeda Tourism and Culture Information Centre: http://www.klaipedainfo.lt/en/
vilnius tourism:http://www.vilnius-tourism.lt/en/
True Lithuania:http://www.truelithuania.com/