【訪問日:2017年8月】
観光の時間です.
今日はオーストリアの「ヴァッハウ渓谷(Wachau)」でお散歩です.
ドイツ南部から黒海へとながれるドナウ川(Donau).ヨーロッパで2番目に長いドナウ川は10ヵ国を流れており,中央ヨーロッパの商業・軍事・文化において重要な役割を果たしました.ドナウ川河岸には城や修道院といった立派な建物が建ち並びます.なかでもヴァッハウ渓谷と呼ばれるメルクとクレムス間の約36㎞の流域は特に美しい場所といわれており,ユネスコの世界遺産にも登録されています.この地で生産される白ワインも人気です.
ドナウ川クルーズ船
今日はドナウ川クルーズ.船に乗ってヴァッハウ渓谷をのんびりお散歩です.
出典:DDSG Blue Danube.
船に乗って行ったり来たり(往復チケットを購入し,乗船・下船を同じ町に)してもいいですが,途中の町も観光したかったので...
*クレムス(Krems)に車を止めバスでメルク(Melk)へ(クレムス‐メルク間,約1時間:リンククレムス)
*メルクで船に乗り(メルク‐デュルンシュタイン間,約1時間半)
*デュルンシュタイン(Dürnstein)で下船し町の観光
*デュルンシュタインからクレムスまで電車で帰る(結局,バスでクレムスへ)
というプランにしました(地図画像右側がクレムス,左下がメルクの町です).
ドナウ川はメルクからクレムスの方向へ流れています.川の流れに沿った方向のクルーズは,同区間における逆方向のクルーズよりも少し時間が短いです.
ヴァッハウ渓谷のドナウ川クルーズを運航している会社は赤いパンフレットのDDSG Blue Danubeと青いパンフレットのBRANDNERの2社があります.
どちらの会社も各方向(クレムス→メルク,メルク→クレムス)に1日2-3本のクルーズを運航しています.夏の観光シーズンであっても,本数は限られてしまうので予定をしっかりたてて観光した方がよいと思います.ウィーンからのクルーズや電車とのコンビチケット,メルク修道院とのコンビチケットもあったりするので,ホームページを検索してみてください.
今回は赤がコーポレートカラーのDDSGの船を利用しました♪
DDSGでのドナウ川クルーズ
メルクから11時発のクルーズ船に乗ることにしました.ドナウ川沿いを歩いていくと,クルーズ船の看板があり,チケットオフィスへの矢印もあります.
メルクからデュルンシュタインへのクルーズチケット25ユーロでした.
チケットを買えないほどたくさんの観光客がいたらどうしよう...と心配していたのですが,船はガラガラ...
お散歩をしたのは8月末の金曜日.ヨーロッパの人たちの休暇ピークが過ぎていたのでしょうか!? おかげでゆっくりと景色を眺めることができ,写真も撮れました♪
デッキ席もあります♪
レストランもあり,スープやサラダ,グーラッシュ,サンドイッチなどの食事をとれます.またこの地域で採れたワインを楽しみながらクルーズできます.おさんぽわんこが楽しんだのは名物のワインではなく,もう一つの特産品アンズ,【Wachau Apricot】です.
アプリコットパフェ(6.9ユーロ).
大きな窓から景色を楽しみながらのお食事♪「今は良い景色じゃないけど...」.
パフェはアプリコットの甘酸っぱさがちょうどいい感じでした.アイスも入っていますよ♪
クルーズ中は時々ガイドが流れてきます.英語での町や景色の紹介です.
「あ! お城が見えてきた♪」
メルク出発後,最初のハイライトといわれている町のSchönbühel(シェーンビュール)にあるお城です.遠くからも見えるこの城はドナウ川沿いの岩の上に建っています.19世紀に改装されて今の姿となったこの城は,個人所有のものだそうです.
山の上に見えるのは...
Aggsbach Dorf(アグスバッハ・ドルフ)にある廃墟Burgruine Aggstein(アックシュタイン城)だと思います.アックシュタイン城17世紀に廃墟となりましたが,改装されてカフェや展示室を見学できるようです.城は岩山の上約300mの地点にあるのだとか...徒歩以外にアクセス方法はあるのかな?
ヴィレンドルフ(Willendorf)という町には“土偶”のような大きな石像がディスプレイされていました.この町は旧石器時代のものが出土することで有名で,「ヴィレンドルフのヴィーナス(Venus von Willendorf)」という貴重な石像が発見された地です.
《わん》「実物はウィーンの自然史博物館に展示されてるんだよ!」
《ころ》「昔お散歩した時に見たね” 本物は10㎝くらいだったよね」
こちらがヴィーナスです.2009年のお散歩のときの1枚です.
沢山の人が乗り降りしていたのはSpitz(シュピッツ)という町.メルク‐クレムス間のほぼ真ん中に位置する町です.
昔,この町は船で運ばれていたワインや塩の荷積み地として重要だったそうです.このことが当時の住民に大きな富をもたらしました.また,ワイン(ブドウ)の育ちがいいことでも有名で,one thousand bucket-hillの意味を持つTausendeimerbergとよばれる丘があります.その丘では1年に1000bucketsものワインが収穫されました.昔の単位bucketは,だいたい56ℓです.当時の栽培技術においては大量なのだそうです.
船からの景色です.
今もその丘が残っているかは分かりませんが,ゆるやかな丘の斜面にはぶどう畑が広がります!
シュピッツから下流に10㎞.
まだまだ続くブドウ畑.
手前に見えているのはWeißenkirchen in der Wachau(ヴァイセンキルヒェン・イン・デア・ヴァッハウ)という町.
町の名前ヴァイセンキルヒェンはwhite churchという意味です.14世紀からある教会は今でも町の主役です.昔は要塞としての役割もあり,1531年に建てられた塔はトルコ系民族から町を守るためでした.薄い色の石で造られた“白い教会”は町の紋章にも描かれています.
この町にあるWachaumuseumではワイン作りの歴史などが紹介されているそうです.その博物館の建物Teisenhoferhofの中庭と回廊も見どころのひとつです.シュピッツと同様に物流において重要な役割を果たしたヴァイセンキルヒェン.美しいファサードのある豪華な造りの船主の家(Raffelsberger-Hof)などが残っています.また,塩や他の荷物が保管された倉庫(17世紀ごろに使われていた)もあるそうです.
白い教会がシンボルの町は,白ワインリースリングの発祥地だそうですよ!!
約2時間のヴァッハウ渓谷クルーズ.下船するDürnstein(デュルンシュタイン)に到着です♪
メルク‐デュルンシュタイン間にある途中の町も魅力いっぱいでした.
ウィーンからヴァッハウ渓谷観光には列車とドナウ川観光船とメルク修道院の入場料が含まれるコンビチケットというのもあるようです.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
オーストリア
ヨーロッパ大陸のほぼ中央に位置する内陸国.9つの州から構成される連邦国家で,そのうちのひとつウィーンが首都である.首都ウィーンには国際原子力機関(IAEA)やOPECなど国際機関の本部が置かれている.国際的な都市である一方,ハプスブルク帝国の都であったウィーンには多くの観光客が訪れる地でもある.
スウェーデン,フィンランドとともに1995年にEUへ加盟した.ユーロは2002年1月よりドイツなどとともに流通が開始している.オーストリアは音楽の都でもあり世界屈指のオペラ座「ウィーン国立歌劇場(Staatsoper)」を始め様々な歌劇場やホールがある.また,毎年夏にはザルツブルク音楽祭が開催される.数多くの音楽家の生家や居住地があり,モーツァルトやベートーベンといった音楽家のミュージアムがある.ザルツブルクやインスブルックもオススメ.
国名 | Republic of Austria(オーストリア共和国) | |
人口 | 約880万人 | |
面積 | 約8.4万平方キロメートル | |
言語 | ドイツ語 | |
通貨 | ユーロ | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
二宮書店編集部(2018)「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版」二宮書店.
Nibelungengau Wachau(2018), Verlag Kellner.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
オーストリア政府観光局:http://www.austria.info/jp
Wachau-Nibelungengau-Kremstal:https://www.donau.com/en/wachau-nibelungengau-kremstal/