【訪問日:2016年8月】
観光の時間です.
今日はデンマークの「Aarhus(オーフス,昔のスペルではÅrhus)」でお散歩です.
ユラン半島(ユトランド)の東側にある町,オーフス(Aarhus).アンホルト洋上風力発電所(Anholt Offshore Wind Farm)のあるカテガット海峡に面しています.デンマーク第2の都市で,ユラン半島の経済活動の中心部です.
市民の13%は学生で,この比率はデンマークで最も高いといわれています.デンマークで最大規模のオーフス大学があり,学生が多くエネルギッシュな街と紹介されています.毎年,夏にはAarhus Festugeが催されます.「夏のフェスティバルといえば,マルメを思い出すねぇ」と《ころ》.祭り期間に観光は大変だから...と祭りを避けて観光に来てみました.
オーフスは2017年の欧州文化首都に選ばれている町のひとつです(http://www.aarhus2017.dk/en/).テーマは「RETHINK」です.
【欧州文化首都】
欧州文化首都(European Capital of Culture)とは,EUが指定した都市で1年間文化行事が展開されるプロジェクトです.互いの文化を理解,尊重し深く結びつくといった理念のもとで創設され,1985年にアテネから始まった事業です.
2016年現在,EU加盟国は28ヵ国,総人口は約5億人,公用語は24ヵ国語もあります.EUが地理的に拡大していく中で,多様な文化を知り,相互理解を深めることが重要だと言われています.また,駐日欧州連合代表部の公式ウェブマガジン『EU MAG』によると欧州文化首都の取り組みは「欧州としての「共通性」を見つけて共感できる貴重な機会」でもあるとされています.さらに観光地としての知名度の向上や地域開発といった経済活性化効果も高いようです.激しい誘致合戦が繰り広げられているそうですが,2020年までの開催国は正式に決定しています.
2000年には9都市が欧州文化首都に指定されていました.複数の都市が指定されることもありますが,近年は1年に2都市が指定されてます.2017年はデンマークのオーフスと共にキプロスのパフォス(Pafos)が指定されています.
オーフスカテドラル(Aarhus domkirke)
広場中央にある大聖堂(住所:Store Torv 1).
デンマークで最も長いカテドラルと言われており,その長さは約92mもあります.その長さのためか,壁画の数も他のカテドラルより多いそうです.
また1730年製の大きなパイプオルガンもあります.パイプの数は6350本.こちらもデンマーク最大だそうです.《ころ》「そんなに大きなパイプオルガンあったかなぁ!? ちゃんと見てなかったかも...」
カテドラルのタワーは上ることができます.150段と書いてありました.タワーへの入場料金は20 DKKでした.
《わん》「あ! なんか変わった建物が見える.」
建物全面の壁に画が描かれた建物はAarhus Theatre(住所:Teatergaden 1)です.
デンマークの建築家Hack Kampmannのデザインだそうです.
彼のデザインした建物はオーフスの街中でいくつも見ることができるそうですよ(Hack Kampmann's buildings in Aarhus).
オーフス市庁舎(Aarhus Rådhus)
オーフス市庁舎は(住所:Rådhuspladsen 2)建築の世界で有名なアーネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)とスヴェン・イーレク・ムラ(Svend Erik Møller)の設計なのだとか.
写真はエントランスホールです.ここだけなら自由に見学できます.建設から75年近く過ぎたにもかかわらず,古さを感じさせないデザインとなっています.
「市庁舎広場には『豚の泉』と呼ばれる像がある」とガイドブックで紹介されていました.
《わん》「デンマークは豚肉の輸出で有名な国.せっかくだから『繁栄と幸福のシンボル』とされている豚の像を見たい♪」と,市庁舎を探して歩きました.オーフスカテドラルからだと歩いて10分くらいかかります.豚の泉を見るために一生懸命歩きました.
そして見つけた『豚の泉』
《ころ》「イメージと違うね.美しくなくて...ちょっとがっかり.」
市庁舎の西側にあるのがオーフス現代美術館(ARoS Aarhus Art Museum)です.北欧最大級の現代美術館なのだとか.市庁舎から歩いて5分程度です.印象的な建物のARoS Aarhus Art Museum(住所:Aros Allé 2).
虹色の屋根はOlafur Eliassonの作品.美術館内には入りませんでしたが,すごい作品を見た気分になりました.虹色の部分に人影が見えます.円形に造られた虹の中を歩くことができ,カラフルなオーフスの展望を楽しめるそうです.
オーフスの街は,デンマーク第二の都市というだけあって人が多かったです.
規模の小さな町と比べるとちょっと街中はごちゃごちゃとした印象です.街中を流れるオーフス川(Aarhus Å)の周りにはショップやカフェ,レストランが並んでいました.
今回のお散歩では利用しませんでしたが,AarhusCard(オーフスカード)というものもあります.オーフス観光の際に役に立つといいですね”
オーフス(Aarhus/Århus)の街の綴り
1948年から2010年の間,オーフスはÅrhusというスペルでした.1948年につづり字改革(spelling reform)がありAaがÅと表記されるようになったからです.Aの上に丸が付いた『Å』という文字は,デンマーク語のアルファベットにおける29番目の文字です.
しかし2010年,町の国際的な知名度向上のためにAarhusへとスペルを戻す決定が市議会で下されました.2011年1月からAarhusという綴りに戻っています.
一枚目の写真は道路の標識です.Aaに直されているところもありますが,Åのままのところもありました.二枚目の写真は市庁舎の前に掲げられているプレート.『Å』の文字が無くなったわけではないので,Rådhus(市庁舎)の単語には『Å』が使われています.
Aarhusへの変更が市議会で決定される以前にAaの表記を使っている主要企業もあったようです.オーフス大学もAarhusへの変更に賛成しており,国際的な企業や研究機関が集まる場として,混乱を招かないような綴りが相応しいとしています(Pressemeddelelser 2010.10.27).住民を対象にした世論調査ではÅの表記のままでいることを望んだ人が多かったようですが,結局は付加記号を取ることに決まりました(Julian Isherwood「Århus goes to Aarhus」).
仕事をする人にとっては重要なことかもしれませんが,「英語のアルファベットにはない文字が使われているほうがオシャレな感じがするなぁ」と《ころ》は思いました.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
デンマーク
ヨーロッパ大陸の北部に位置する国で,ドイツと陸続きのユラン(ユトランド)半島,フュン島,シェラン島,スウェーデン南部を挟んで西側に位置するボーンホルム島といった主要な島に加え,450程の島からなる国です.童話作家アンデルセンが生まれた町,オーデンセはフュン島にあります.また,アイスランドの東に位置するフェロー諸島やグリーンランドはデンマーク領です.
世界中で親しまれている玩具レゴ(LEGO)はデンマーク生まれのブロック玩具です.レゴグループは2030年までに石油を使わない素材への全面切り替えを表明しています.企業だけではなく,デンマークは環境対策先進国として様々な対策を行っています.例えば風力発電が大規模に導入されており,(2015年末時点で)516基もの洋上風力発電風車が設置されています.
2000年の国民投票でユーロ参加を否決しており,独自通貨デンマーク・クローネを(DKK)使っていますが,DKKをユーロにペッグさせ,対ユーロ変動幅を一定幅に維持しているため,ユーロとの為替レートが大きく変動する事はありません.
国名 | Kingdom of Denmark(デンマーク王国) | |
人口 | 570万人 | |
面積 | 約4.3万平方キロメートル | |
言語 | デンマーク語 | |
通貨 | デンマーク・クローネ(DKK) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
川野祐司(2016)「ヨーロッパ経済とユーロ」文眞堂.
TROJABORGS FORLAG「デンマーク-ある王国-」(ISBN 87-89868-60-9).
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Denmark.dk:http://denmark.dk/en/quick-facts/map-of-denmark/svendborg/
VisitDenmark:http://www.visitdenmark.com/denmark/tourist-frontpage
Aarhus kommune:http://www.aarhus.dk/da/omkommunen/english.aspx
VisitAarhus:http://www.visitaarhus.com/ln-int/denmark/tourist-in-aarhus