ドイツ「ローレライ」の思ひで…

 

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観光の時間です♪
今日はドイツの「ザンクト・ゴアルスハウゼン(St.Goarshausen)」でお散歩です.

 

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ローレライ(Loreley)とは川面にそびえる132mの岩山のことで「妖精の岩」とも言われています.
ローレライは昔も今も,人々を虜にする存在のようです.特に日本人からの人気は高く,大勢の観光客が訪れツアーにも組み込まれています.岩山の下には『ローレライ』とカタカナで紹介されていたとの話も聞いたことがあります.ドイツ人の優しさだと思いますが,ライン川下りを楽しむする日本人からは雰囲気が損なわれると不評のようでした.

『ローレライ』とカタカナで紹介された看板がかかっているのかどうか...見に行きました.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ライン川

 

教科書に出てくる有名なライン川.ローレライはライン川の難所として知られる地にあります.スイスのアルプスに端を発するライン川は,ドイツ,フランス,オランダを経て北海へ注ぎます.1230kmにも及ぶ内陸の水路は物流においても古くから重要な役割を果たしてきました.ちなみに,ドナウ川もヨーロッパの大きな川ですが,こちらは交通手段としての利用は少なく,EU(欧州連合)の地域政策で整備が進んでいます.

 

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ぶどう畑が広がる地域を中心にライン川下りの遊覧船が運行されています(KDラインホームページ).
川岸に広がるぶどう畑や古城の風景は多くの画家を夢中にさせ,さらにライン川の魅力は詩や歌としても残されています.

コブレンツからビンゲンにかけてのライン渓谷は2002年に世界文化遺産に指定されました.その区間の真ん中らへんにある町がローレライのあるザンクト・ゴアルスハウゼンです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ザンクト・ゴアルスハウゼン(St.Goarshausen)

 

コブレンツ(Koblenz)から南へ約36kmのところにザンクト・ゴアルスハウゼンはあります.ライン川を挟んで対岸の町はザンクト・ゴアール(St.Goar)です.

 

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ザンクト・ゴアールへは,コブレンツからライン川沿いに9号線を車で行くと30分くらいです.
ザンクト・ゴアールとザンクト・ゴアルスハウゼンの間には渡し舟が運行しています.地図のライン川上に『AF』と書いてあるのが見えますか? AFは自動車積み込みフェリーのことで,人だけでなく車も一緒に対岸へ渡ることができます.

 

ローレライのあるのはザンクト・ゴアルスハウゼン.岩山の上にはローレライセンター(Besucherzentrum Lorely)があるとのこと.早速,フェリーでライン川を渡ることにしました. 

 

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車と人,おさんぽわんこを乗せた舟がライン川を渡ります(フェリーの参考URL). 

 

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舟を降りると,42号線に入ります.『Loreley』へは看板が出ているので分かりやすかったです.ローレライセンターとは少し離れたところが展望スペースとなっていた気がします.展望スペースの周りにはお土産屋さんやレストラン,トイレも整備されています.

展望スペースからの眺めは良く,ライン川の向こう岸の町サンクト・ゴアールを見渡すことができます.さらに,椅子に腰掛けたローレライのような写真を撮ることができます.

 

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【ローレライ伝説】
むかしむかし,ライン川を航行していた船がローレライの近くを通りかかると美しい歌声が響いてきました.あまりの美しさに舵を取るのも忘れ,ついには水没してしまうのだとか.不実な恋人に絶望し川に身を投げた乙女のことをローレライと言うこともあるようです.水の妖精となった彼女は歌声で船乗りを誘惑し,次々と遭難させてしまう...船人が金色の髪を持つ美しい乙女に魅せられ,危険な岩礁があることを忘れてしまい舵を取り損ね命を落とす...など多少の違いはあるもののいくつかの妖精の伝説が残されています.

 

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岩の上に座って髪をときながら崖の下を流れるライン川を見下ろす姿...
1801年に詩人Clemens Brentano(クレーメンス・ブレンターノー)によって書かれた歌にローレライの名は出てきます.

 

この地が伝説の舞台となったのは川幅が狭く,流れがカーブしている上に岩山が突き出している,さらに川底には岩が沈んでいるために難所であったことも関係しています.また,この地はよくこだますることも知られており,これが妖精の声と思われていたようです.
現在は大型船が航行できるように川幅が広げられていますが,昔は航行中の多くの船が事故を起こしていたようです.川の整備が進んだとはいえ狭くて深いローレライ周辺は現在でも危険な場所のひとつです.川幅は113m,水深は25mほどです.OberweselとSt. Goarshausenの間を行き交う船は“Wahrschau”と呼ばれる光を用いたサインで指示し合うようです.
今日は対岸への船旅でしたが,無事にわたってこれて良かった♪

 

ローレライセンター「Besucherzentrum Loreley」. 

 

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お散歩をした時間が少し遅かったので,センター内の施設を見学する事はできませんでした.このセンターでもお菓子などお土産を売っていましたよ.
センターの周りを歩いていると,こんな看板を見つけました. 

 

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20分なら大丈夫だろう”ということで《わん》は山道を下ることにしました.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 妖精ローレライの像に合うために

 

ローレライを紹介する観光ガイドではこのような写真が掲載されています.

 

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これがローレライの代表的な姿と言えるのかもしれません.
しかし,ローレライとは妖精の名前.船乗りを惑わし,川の底へ誘い込んだローレライはどこへ居るのでしょうか.探しに行きます.

 

ローレライが船乗りたちを誘惑したであろうその地へは岩山の上にあるセンターから行くことができます.山を降りてから,道路沿いを行くか,川沿いの少し険しそうな道を進むか悩みました.
…川沿いを進んでみます.

  

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555は上流のバーゼルからの距離を示す数字.ローレライは555の近く(554と555の間)にあります♪ もう少し...かな.
山道を下った後も正解かどうかよく分からない道をトボトボと歩き続けました.山の上から見えた中洲のような部分は短く見えていましたが,歩くと結構な距離です.この道が正しいかどうか分からないので不安でいっぱいです.もし何も無かったら残念すぎます. 

 

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いました!! こちらがローレライの後ろ姿です.選んだ道は正解です♪川沿いの道を選ばないとローレライの像の近くには来ることができません.このローレライの像は中洲のような部分の先端にいるのに,上からは眺めることができません.

 

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道路沿いを進んでいたら,きっとこんな写真も撮れなかったことでしょう.《わん》もちゃんと写っていますよ♪
…が,大変なのは帰りです.
川沿いにも駐車場があったので,わざわざ岩山の上のセンターから山道を歩いてくる必要は無いのですが,《わん》の車は岩山の上のセンターに止めてあります.階段を登って戻らなくてはなりません.この看板を見てください.

  

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下りは20分と書かれていましたが,上りは30分と書いてあります.親切にも所要時間が異なることを書いてくれています.
もうクタクタです.
《わん》の写真ファイルには「330段,約25分...」との息を切らした声でのボイスメモが残っていました.

 

そうそう,
ローレライの看板.今はちゃんとアルファベットで書かれています. 

 

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これなら外国っぽくて,みんな納得しそうです.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

【今回の観光地】

Besucherzentrum Loreley(Loreley Visitors' Center)

Auf der Loreley 56346 St. Goarshausen

営業時間:10時から18時まで(3月は17時まで).11月から2月は休業.

 

参考URL
http://www.loreley-info.com/eng/loreley-visitors-center.shtml/

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ドイツ

 

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ヨーロッパ中央部に位置するドイツは16の州から成る.

自動車や化学産業の分野で高い技術を持ち,EU最大の経済規模を誇る.2000年代前半にシュレーダー政権による構造改革の実施や財政健全化への積極的な取り組みをメルケル政権も続け,2014年に赤字国債を発行しなくても歳出を賄える財政黒字を達成した.

1989年のベルリンの壁崩壊から約1年後,東西ドイツは統一された.その際,西ドイツマルクと東ドイツマルクを1:1の交換レートとしたため,今でも経済格差が残っており,旧東ドイツは旧西ドイツよりも失業率が高い傾向にある.

EU原加盟国のひとつで,EUにおいてフランスとともに中心的な役割を果たしている.欧州中央銀行(ECB)はドイツのフランクフルトにある.

 

国名 Federal Republic of Germany(ドイツ連邦共和国)

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人口 8,052万人(日本の67%くらい)
面積 35.7万平方キロメートル(日本の95%くらい)
言語 ドイツ語
通貨 ユーロ
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2014)「データブック オブ・ザ・ワールド 2014年版」二宮書店.
 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Eurostat:http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/eurostat/home/