マルタ「歴史的要地マルサシュロック」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2014年8月】

 

観光の時間です.
今日はマルタの「Marsaxlokk」でお散歩です.

 

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ピントが合っていなくて,しかも大事な部分が欠けている写真ですが,町の入口にある看板の写真です.左側の看板の上には,Marsaxlokkと書いてあるのです...
マルタ島,南東部に位置する漁村マルサシュロックはMarsaxlokk Bayに面しています.
美味しくないレストランに入ってしまい良い思い出のないマルサシュロック(マルタ「悲しい昼食とMalta Discount Card」の思ひで… を参照)ですが,歴史的に重要な地であったようです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 冷戦終結の地

 

12月3日は米ソ首脳が冷戦終結を宣言した日です.

1989年12月2日からマルサシュロック沖合の船上で米ソ首脳会談が行われました.Marsaxlokk Bayに停泊していたのはソ連の客船「マクシム・ゴーリキー」.協議の後,翌12月3日に当時のブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長はマルタの海上で冷戦終結を宣言しました.

この宣言により,約44年間続いた自由主義と社会主義の対立が終を迎えたのです.米ソ首脳による共同記者会見が行われたのはこの時が初めてとのことです.

 

マルサシュロックの西方にあるビルゼブジャ(Birżebbuġa)(日本経済新聞ではブルゼブージャと表記)には冷戦終結記念碑が建てられています.残念ながら《わん》と《ころ》は行くことができませんでした.
港(Pretty BayとSt. George's Bay)に囲まれた岬の上に建設された町,ビルゼブジャはマルタ語で「オリーブの村」という意味があるそうです.この町の見所はピント・バッテリー(Pinto Battery)という砲台.この脇に記念碑があるそうです.

ビルゼブジャ近郊には重要な洞窟Għar Dalam(アール・ダラム)も近くにあります.ここへはお散歩に行きました♪ 今度,思い出を書きます.

 

教科書にも載っている「ヤルタからマルタへ」という言葉はとても有名で知っていましたが,まさかマルタの小さな港町,マルサシュロックがマルタ会談の舞台になっていただなんて思いませんでした.

 

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教科書にも出てくる“あの場所”をお散歩していたのですね“
マルサシュロックで米ソ首脳会談が行われた背景には,1964年にイギリスから独立した後のマルタが中立を宣言していたこともあるようです.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain マルサシュロックの町

 

マルサシュロックはマルタで2番目に大きい自然の港とのこと.

 

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お散歩をしたのは土曜日のお昼頃ですが,人も少なくとっても静かな町でした.
19世紀のポンペイの聖母協会です.

 

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中には入れないみたいだなぁ...

レースや帽子,お土産品を売っているマーケットを見つけました.
ガイドブックによると月曜日以外は毎日,午前中に市場が開かれているそうです.お散歩をしたのはお昼頃だったので,多くのお店はもう終わっちゃったのかな. 

 

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何件かお店が出ていましたが,観光客は少なく寂しい感じでした.でも,首都バレッタの人の多さを考えると,海のそばでゆったり過ごすのには良い町なのかもしれません.
月曜日以外は毎日マーケットが出るとのことですが,特に日曜日の市が賑やかなようです.この時はたくさんの人が集まるのかもしれないですね.観光客だけではなく,地元の人も買い物をするそうです.

 

みんなが覗いているので,《わん》《ころ》も近づいてみました.

 

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海とつながっている岩場の中には魚が泳いでいました♪ 水も綺麗です.
その隣には昔から漁業が盛んであったことを思わせる銅像がありました. 

 

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おじさんの像は魚を入れたかごを担いで海から上がってくる姿をしています.
カゴの中で記念撮影です.

 

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猫は何とも言えない目をしていました.この猫なら,どんなに近づいても怖くありません!!

町を歩いていると,こんな姿を見かけました.

 

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小舟の上で作業するおじさんと木陰で魚のあみを修理するおじさんです.
特別なものがある派手な観光地ではありませんが,地元の人たちの生活を垣間見ることができ,ゆったりと時間の流れる町です.

 

港にはたくさんの小舟が浮かんでおり,遠くの方には工場地帯も見えます.

 

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世界遺産が点在し,リゾート地として知られるマルタの主産業は観光です.
そのマルタにある工場は何の工事なのかも気になりますが...今日はこの小舟に注目です.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain カラフルな小舟

 

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これはルッツ(Luzzu)という伝統的な漁船です.
この写真はゴゾ島で見たものですが,マルサシュロックの港にはルッツがたくさん停泊していました.

 

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青と黄色の鮮やかな小舟です.赤や白のラインが特徴的です.
フェニキアから伝えられたと言われるルッツの先端には海難避けの象徴である目が描かれています.

 

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これは悪天候や不漁から漁師を守る魔除けの役割を果たしているそうです.

 

カラフルな小舟が浮かぶ漁村,マルサシュロック.
シーフードランチを堪能できる“かも”しれません.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

【Marsaxlokkへのアクセス】

マルタ国際空港から車で10分程度です.


マルタには高速道路はありません.日本と同じ左側通行ですが,道路の反射が眩しいこともあります.道路標識は見にくく,また自分が何号線を走っているのか分からないことが多いです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain マルタ

 

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小さな島国マルタは,マルタ・ゴゾ・コミノの主要三島にコミノット島とフィルフィラ島を加えた5つの島で構成されている.イタリアとアフリカ大陸の間にあるマルタはシチリア島より南へ93kmの地点にある.
地中海性気候に属し夏は日差しが強く乾燥するが,多くの観光客が訪れるリゾート地である.外貨収入の多くを観光業から得ている.
2004年5月にEU加盟を,また2008年1月ユーロ導入を実現した.イギリスの植民地であったため,英語が公用語となっており,イギリスポンドが使える店も多い.

 

国名 Republic of Malta(マルタ共和国)

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人口 42.5万人(山梨県の半分くらい)
面積 316平方キロメートル(東京23区の半分くらい)
言語 マルタ語及び英語
通貨 ユーロ(2008年に導入)
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2014)「データブック オブ・ザ・ワールド 2014年版」二宮書店.
原克彦(2014)「冷戦終結25年歴史の舞台は 下」日本経済新聞,2014年11月9日.

 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Eurostat:http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/eurostat/home/
malta-study.com:http://www.malta-study.com/