【訪問日:2016年8月】
観光の時間です.
今日はスウェーデンの「Helsingborg(ヘルシンボリ)」でお散歩です.
スウェーデン南部,スコーネ地方の都市Helsingborg(ヘルシンボリ)をお散歩します.
お隣の国,デンマークとの距離が最も近い町です.対岸にあるデンマークのヘルシンオア(Helsingör)との距離は約4.5㎞.両国の間にはフェリーが行き来しており,20分程度で“外国”へ行くことができます.フェリーを運航しているのはScandlines社(http://www.scandlines.com/)とSundsbussarna社(http://sundbusserne.se/sv/)です.
ヘルシンボリへと向かう道路沿いには,デンマークのヘルシンオア行きのフェリーの看板(färjor i Helsingborg)が出ていました.
デンマーク領シェラン島(Sjælland)とスウェーデン領のスカンジナビア半島南部を隔てているのはエーレスンド海峡(スウェーデン語Öresund,デンマーク語Øresund).スンドは海峡を表す語なので,エーレ海峡といわれることもあります.
ヘルシンボリのツーリストインフォメーション
観光案内所はドゥンカー文化センター(Dunkers Kulturhus)内にありました.
ツーリストインフォメーション(住所:Kungsgatan 11)にはヘルシンボリの情報だけではなく,デンマークのヘルシンオアに関する情報もあります.ヘルシンオアには世界遺産であり,シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台となった城,クロンボー城(Kronborg Castle)があります.お土産品やスウェーデンやデンマークの地図(自動車運転用)も売っていました.
ドゥンカー文化センターはアート,音楽,シアターといった施設が集まる施設です.建物の前はちょっとした広場になっており,きれいな花が咲く花壇がありました.
「今日は晴れているし,お散歩日和だねぇ~」
目の前の大通り,Drottninggatanを南へ(文化センターを背にして右方向)行くと,市庁舎(Rådhuset)が見えます.
市庁舎
ネオゴシック建築の市庁舎(住所:Drottninggatan 2)が見えます.1897年ごろに完成した市庁舎です.現在でも行政機関が置かれており市議会なども行われています.窓ガラスはステンドグラスになっており,そのデザインは町の歴史がモチーフとなっているそうです.
65mの鐘楼から聞こえてくる鐘の音が町の中に響き渡ります.お散歩をした時も音楽が聞こえてきました.ちょうど15時ごろだったと思います.シンプルな鐘の音ではなく,何かの曲になっていましたよ♪
市庁舎の隣,大広場(Stortorget)に建つのがMagnus Stenbock像.
写真の右側に映っている馬に乗った像です.大広場といっても,広い空間があるわけではありません.
像の後ろには坂道と階段が続いており,ヘルシンオアの観光地,シェールナン(Kärnan)の塔へと続いています.
Kärnan
住所:Slottshagsgatan, Helsingborg
営業時間:
6月22日から8月30日は毎日11:00-18:00.
9月1日から10月4日は火曜から日曜11:00-15:00.
4月2日から6月21日は火曜から日曜11:00-15:00.
(毎日11:00-18:00まで営業する“夏期”は5月30日から9月4日との情報もあります.)
町の中心から徒歩で5分くらいとのことですが,坂道や階段なのでちょっと大変です.
坂道,階段を上った高台にあるのがシェールナン(Kärnan)の塔です.
この場所には,かつて地方領主の城もあったのですが,城部分は1680年に取り壊されたため,現在残っているのは塔の部分だけです.塔の部分も1800年代に荒廃しましたが,1893年から1年間をかけて大規模な改修が行われています.(coreの意味をもつスウェーデン語)Kärnanと呼ばれるようになったのは1700年代だそうです.
この塔はスコーネ地方最古の建物のひとつで,14世紀後半から15世紀にかけて軍事目的で造られました.700年近くヘルシンボリの町を守っている塔です.
振り返ると,歩いてきた道とその先に広がる港の景色が見えます.
《ころ》「いい景色だね」
《わん》「もっとよく見える場所があるみたいだよ...」
塔...階段が続いています.入場料を支払う入り口までで,すでに44段くらいありました.
入場料は大人50SEK.ヘルシンボリ近郊の庭園『ソフィエロ城(Sofiero castle and gardens)』とのコンビチケット(大人120SEK)があり,受付のおばちゃんにお勧めされたのでそちらにしました.120SEKのチケットは「2-day kulturkort in Helsingborg」というチケットで,Kärnan,Sofiero castle and gardens,Dunkers Culture Center,Fredriksdal museums and gardensへの入場ができます.コンビチケットは各施設のエントランスで販売しています.ソフィエロ城の入場料が100SEKなので,塔とソフィエロ城に行くだけでも元が取れますね♪
シェールナンの受付では観光客の出身国を調査していました.おばちゃんが教えてくれたのですが「今月だけでも日本人は40人くらい来ているのよぉ」とのこと.ヘルシンボリはデンマークのヘルシンオアとフェリーで簡単に行き来できるので,観光に来る人が多いようです.
塔内部の階段を146段ほど上ると...
てっぺんに到着です.
《ころ》「やっぱり,塔の上からのほうがよく見えるね♪」
《わん》「…」
わんは上り疲れて,景色をあまり楽しめていません.塔の高さは35m.もともと高い丘の上に建てられているため,ここからの見晴らしはとっても良いです.
塔の上からは港の方角だけではなく町のほうも眺めることができます.
緑色の屋根の立派な建物は,たぶん病院です.塔の東側には『Slottshagen』という公園があります.
150段近く階段を上るのは疲れてしまいますが,途中で休憩できます.
階段を上る途中には展示室があり,地域の歴史が紹介されています.椅子も設置されていました!!
ちょっと大変ですが,『フェリーと港』というヘルシンボリらしい姿を見ることのできるビューポイント.ヘルシンボリに来たらシェールナンの塔へ上ってみてくださいね”
Jacob Hansen's House
バルト海と北海を結んでいるエーレ海峡に面するヘルシンボリは17世紀にヨーロッパの重要都市として栄えた町です.戦略的重要地であることから,デンマークとの間で帰属をめぐって争われた時期もありました.1658年のロスキレ条約(Treaty of Roskilde)でスコーネ(Skåne)地方はスウェーデンの帰属となりましたが,その後もデンマークはスコーネ地域を取り戻そうとしスコーネ戦争(Scanian war,1675年から1679年)などへと発展しました.
戦争はヘルシンボリの町を破壊し,ほぼ全ての建物が焼き払われました.が,戦火を逃れることができた建物も残っています.聖マリア教会と1軒の家です.それがヤコブ・ハンセンの家(Jacob Hansens hus)です.
「ヤコブ・ハンセンの家ってこの家かなぁ...?」
ヤコブ・ハンセンの家があるのはNorra Storgatanという通り.大きな看板などの目印がなかったので,キョロキョロしてしまいましたが,この建物で合っていたようです.
住所はNorra Storgatan 21.
ガイドブックやヘルシンボリの観光マップで紹介されていますが,内部が公開されているわけではなさそうでした.会議場やパーティールームとして利用されているようで,お散歩をした時もグラスを持ったウエイトレスさんが入っていくのを見かけました.
ヤコブ・ハンセンの家は1641年に建てられた建物です.Jacob Hansenという人はは裁判官だったのだとか.ブルーホールとレッドルームの天井には,町の歴史を物語る美しい絵が描かれているそうですよ.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【ヘルシンボリへのアクセス】
マルメから自動車で1時間程度.E6を利用します.ヘルシンボリの中心地へ入るとDrottninggatan通りは交通量が多く渋滞していました.時間帯や曜日にもよりますが,町の中心部で駐車場を見つけるのは少し大変でした.
今回,車を止めたのはツーリストインフォメーションのあるドゥンカー文化センター(Dunkers Kulturhus)近くの地下駐車場.
Helsingborg stad parker ingsserviceを利用しました.港付近にある駐車場は満員でしたが,この地下駐車場は比較的,空いていました.駐車場内にある赤い機械にクレジットカードを通すとチケットが出てくるので,それをダッシュボードに提示しておきます.帰りも同じ機械にクレジットカードを通すと料金が精算されます.日本のようにチケットを通すわけではなく,カードの番号を料金の機械が覚えています.平日の利用は1時間15SEK,日曜日の利用は安くなるので1時間15分くらいの利用で7SEKでした.
Helsingborg’s parking mapもご参照ください.
スウェーデン
スカンジナビア半島の東側に位置するスウェーデン.北西部のノルウェーとの国境にはスカンジナビア山脈があります.国内には約9万もの湖沼が存在し,またストックホルム群島(Stockholms skärgård)には2万4千もの島々が点在するなど独特の地形を有しています.
国土は南北に細長く,国土の約14%は北極圏に位置し,夏至前後の1-2ヵ月は太陽が沈みません.北部の冬は7ヵ月にも及びます.一方,南部は北大西洋海流の影響を受けるため高緯度にもかかわらず比較的温和な気候です.人口の90%は南半分に居住しています.
1995年にEUへ加盟しましたが,通貨統合への参加は見合わせており,ユーロは導入していません.スウェーデンの中央銀行リクスバンク(Sveriges Riksbank)は,1668年に誕生した最古の中央銀行として知られています.
国名 | Kingdom of Sweden(スウェーデン王国) | |
人口 | 968万人 | |
面積 | 約45万平方キロメートル | |
言語 | スウェーデン語 | |
通貨 | スウェーデン・クローナ(SEK) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
二宮書店編集部(2016)「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版」二宮書店.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
新世紀シリーズ「スウェーデン」(ISBN 88-476-1805-3),Casa Editrice Bonechi.
在日スウェーデン大使館公認 観光情報サイト:http://letsgo-sweden.com/
guidebook sweden:http://www.guidebook-sweden.com/en
visitsweden:http://www.visitsweden.com/sweden/
Helsingborg:http://www.helsingborg.se/startsida/toppmeny/english/
Visit Helsingborg:http://www.visithelsingborg.com/en/