【訪問日:2016年8月】
博物館の時間です.
今日はスウェーデンの「Lund」でお散歩です.
ルンドにある野外博物館です.公園Lundagårdの東側にあります.エントランスはTegnérsplatsen通り沿いにあります.
Kulturen(クルトゥーレン)はスウェーデン語で文化という意味です.
この博物館には17世紀から19世紀の民家や教会が30軒ほどあります.クルトゥーレン野外博物館には解体されそうになっていた建物が移築されるなど歴史的な建物の保存にも貢献しています.
Kulturen
1892年に開館したクルトゥーレンは,スウェーデンで2番目に古い野外博物館です.スウェーデンにおける古くからの人々の暮らしや仕事が紹介されています.
昔の衣装や遊び道具を体験できるなど特に子供が楽しめる施設とのことで,お散歩をした時も子供向けのイベントが行われていました.19歳までの子供は入場無料です.マルメ城(Malmöhus)の博物館もそうでしたが,19歳まで無料だなんて利用できる期間が長いですね”
大人(夏期)の入場料は120SEKでした.入場料は季節により異なります.
子供向けの施設というわけではなく,民芸品,モダンデザイン,地域文化など20近いテーマの展示が行われていますが...広いので疲れます.展示エリアは2ブロックに分かれています.
エントランスビルディングのある地区が南地区.南地区にはルンドの中世時代の品々を展示したミュージアムがあります.また入り口を入ってすぐのところにはレストランがあります.
北地区とは地下通路でつながっています.北地区には歴史的な建物が移築されていたり,庭が再現されていたりします.
南地区
博物館のある建物は1854年に建てられた建物を利用したそうです.
ルンドの歴史に関する展示が盛りだくさんな建物です.ルンドにおける考古学的研究に基づく出土品が展示されているフロアもあります.コレクションは膨大な数です...
《わん》「長いねぇ.向こうまで行くのが大変だぁ」
そして,展示品の一つ一つに付けられた番号...
本当にたくさんあります.5桁の番号も普通です.
Textile Hallという建物は,
《ころ》「ここもいっぱいあるねぇ」
布地や服がたくさんありました.引き出し一つ一つに,展示品がつまっています.全てを見るのは...ちょっと無理です.
展示は織物技術にも注目しており,模様が美しいレースやニットが展示されていました.上流階級の贅沢な品から民族衣装のような品まであります.デザインの進展を研究するのにも役に立つエキシビションです.
Lund Hallという建物では特別展が行われています.お散歩をした時のテーマは『bröst:胸』というテーマで(《わん》や《ころ》の好みではありませんでしたが)芸術的でインパクトのある写真が展示されていました...
南地区には牧師さんの住居や鍛冶工場もあります.建物の内部も見学できます.
鍛冶工場は1947年にクルトゥーレンに移築されたそうです.
展示ホールは他にもあります.
横長の建物,Folklore Hallには子供たちが遊ぶ室内テーマパークのようなコーナーもありました.
スコーネ地域の農機具や漁業器具が展示されたコーナーもあります.
そして,横長の建物には2階(1st floor)もあります.スウェーデン南部の田舎(小作農)の生活用品が展示されています.ベッドやテーブルといった家具,大きな時計もありました.
スウェーデン南部における各地域の部屋の様子が再現,開設されていました.解説が書かれたパネルもとっても親切です.詳しく書いてあり,英語での説明もありました.でも,...ゆっくりと呼んでいると大変なことになってしまいます.まだクルトゥーレンの狭い方の南地区にいるのです.
博物館から出て,トンネルをくぐると本格的な野外博物館エリア.
やっと北地区へ移動できました.もう十分に展示を見たのに...北地区は南地区よりも広く,建物も多く存在しています.
北地区
こちらは教会,Bosebo Churchです.
スモーランドのBoseboという場所からやってきた教会.1894年,取り壊されることになっていた教会がこの博物館に購入され再建されました.もともとは,1652年に建てられた教会だそうです.内部も見学できます.
祭壇の装飾や天井の画,お祈りをする人々の椅子など,どれも保存状態が良く,古い時代にタイムスリップしたかのような気分になります.
こちらは,1820年頃のサマーハウス.
それぞれの建物の前には説明の書かれたボードが設置されています.
Måketorp Lofthouseは工事中でした.
見学する展示館がひとつ減って,ちょっと,ほっとした《わん》.
1930年代のWorker's homeです.
家の奥から誰かが出てきそうな雰囲気です.今でも誰かが住んでいそうな...生活している様子が再現されています.2階建てのこの家には16人の人が住んでいたそうです.
敷地内には歴史的な建物が立ち並ぶだけではなく,当時の庭も再現されています.博物館の敷地というよりは“町の中”を歩いている雰囲気です.
貴族,聖職者,中産階級,小作農と異なる階層の暮らしを垣間見ることができます.
こちらはThomander House,お金持ちの教授の家だそうです.
《ころ》「教授ってお金持ちなんだねぇ」
《わん》「そんなことないよ,っていう人もいるけどねぇ」
壁紙も豪華な感じでした.書斎もあり,床から天井まである本棚に,たくさんの本が収納されていました.
建物は外から見るだけではありません.ほとんどの建物は内部に入ることができ,歴史的な品々が展示されています.それぞれが展示館になっているパビリオン式の野外博物館です.しかも2階建てだったりします.
スウェーデンの民芸品が展示された建物です.
スコーネ地域における家具へのペイントは1760年頃に始まったと考えられています.時代や地方によって描かれる花に変化がみられるそうです.家具への絵付けは19世紀始めにもっとも鮮やかなものとなったのだとか.
クトゥルーレンにある建物(展示館)は,隣の建物とつながっていたり,同じ建物なのに入口が複数あったりして,どこをどのように見たのかわからなくなってしまいます...とりあえず,ドアを見たら開けてみましょう.立ち入り禁止のドアはかぎが掛かっています.
ルンドに残るもっとも古い木骨造りの建物Berling Houseは,7世紀末に建てられたと考えられており,1911年に移築されました.
19世紀にこの家に住んでいた印刷業者Berling家の名前が付いたこの建物内では,本や印刷の歴史も紹介されています.
1755年に建てられたLindfors Houseは,現在でも同じ場所に立っています.
建物内はルンド大学に関する資料を集めた大学博物館となっていました.
Nobleman's Houseは銀食器と陶磁器の展示館となっています.この建物の地下部分はトイレです.
スウェーデンに関する品だけではなく,世界の陶磁器が展示されています.
日本のコーナーもあり...
茶碗や茶筅といった茶道具と一緒に化石のようになった抹茶が展示されていました.
広い….野外博物館とミュージアムが合わさったようなクルトゥーレンには歴史的な建物が集まるだけではなく,歴史的な価値のある品々も膨大にあり説明を読んでいたら,帰れません.展示物が多いので,何を見たのかも分からなくなってしまいます...
北地区内にはカフェもあるので,休憩しながらのんびりお散歩しても良いのかもしれません.
《わん》「今日はいろいろ見るところが多くて大変だったねぇ.今回の旅で一番大変な所だったかもね」
《ころ》「こんなに中に入れる野外博物館は他にはないよねぇ」
しかし,日本に残っていろいろ調べている《りん》だけは知っています.他にもたくさん中を見学できる野外博物館がデンマークにあるのです.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【今回の観光地】
Kulturen
Tegnérsplatsen, 223 50 Lund
営業時間:
5月から8月は毎日10:00-17:00.9月から4月は火曜から日曜12:00-16:00.
公式URL:http://www.kulturen.com/besoksinformation/welcome/
【ルンドへのアクセス】
マルメから車で30分程度.E22を利用します.
今回,ルンド市内で車を止めたのはMårtenstorget.インフォメーションの南東方向にある広場です.近くにコープ(スーパーマーケット)やレストランもありました.
Mårtenstorgetからは歩いて5分くらいでインフォメーションへ行くことができます.
スウェーデン
スカンジナビア半島の東側に位置するスウェーデン.北西部のノルウェーとの国境にはスカンジナビア山脈があります.国内には約9万もの湖沼が存在し,またストックホルム群島(Stockholms skärgård)には2万4千もの島々が点在するなど独特の地形を有しています.
国土は南北に細長く,国土の約14%は北極圏に位置し,夏至前後の1-2ヵ月は太陽が沈みません.北部の冬は7ヵ月にも及びます.一方,南部は北大西洋海流の影響を受けるため高緯度にもかかわらず比較的温和な気候です.人口の90%は南半分に居住しています.
1995年にEUへ加盟しましたが,通貨統合への参加は見合わせており,ユーロは導入していません.スウェーデンの中央銀行リクスバンク(Sveriges Riksbank)は,1668年に誕生した最古の中央銀行として知られています.
国名 | Kingdom of Sweden(スウェーデン王国) | |
人口 | 968万人 | |
面積 | 約45万平方キロメートル | |
言語 | スウェーデン語 | |
通貨 | スウェーデン・クローナ(SEK) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
二宮書店編集部(2016)「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版」二宮書店.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
新世紀シリーズ「スウェーデン」(ISBN 88-476-1805-3),Casa Editrice Bonechi.
在日スウェーデン大使館公認 観光情報サイト:http://letsgo-sweden.com/
guidebook sweden:http://www.guidebook-sweden.com/en
visitsweden:http://www.visitsweden.com/sweden/
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