【訪問日:2016年9月】
博物館の時間です.
今日はデンマークの「コペンハーゲン(København)」でお散歩です.
コペンハーゲンのCITY CENTREです(CITY CENTRE).
コペンハーゲンンの中心地Slotsholmen(スロッツホルメン)という島にある宮殿.島といっても運河に囲まれているだけです.他の地域とは橋でつながっていて,島だということには気が付きません.
かつて王宮であったクリスチャンスボー宮殿.度重なる火災により王族はアマリエンボー宮殿へ住まいを移しました.
現在では首相官邸や最高裁判所,国会議事堂が置かれています.
クリスチャンスボー宮殿(Christiansborg Palace)
現在みられるような,美しい王宮が建てられたのは1741年のこと.当時,デンマーク史上最大の広さを誇り,同時に建築費用も最高額だったそうです.その時の統治者であったクリスチャン6世にちなんでクリスチャンスボー宮殿と名付けられました.バロック様式の豪壮な宮殿だったのですが,1794年の火災により灰と化してしまいました.焼け残ったのは馬場だけだったそうです.この火災を機に王家の住まいはアマリエンボー宮殿へと移りました.
クリスチャン7世の時に新たな宮殿が建てられますが,1884年に再び火災に遭っています.
なので...今のクリスチャンスボー宮殿が落成したのは1916年のことです.来賓用の施設やホールも完備した宮殿として再建されています.
レセプション(The Royal Reception Rooms)
タワー(The Tower)
遺跡(Ruins under Christiansborg Palace)
キッチン(The Royal Kitchen)
厩舎(The Royal Stables at Christiansborg Palace)
...と,それぞれの博物館で構成されています(visitcopenhagen「Christiansborg Palace」).
《わん》「ええっと,タワーの入り口は…」
チャペルや議会の見学もできます.写真の黒丸で示された部分が観光スポットとなっています.各施設の入り口付近にはパネルが置いてありました.ただ,それぞれの入り口は離れているので,地図などで確認しましょう♪
時間が限られているときは,ひとつだけ見学しても良いですね.コペンハーゲンカードは,どの施設でも利用できますし,コンビチケット(150 DKK)も販売されています.
ロイヤル・レセプションルーム(The Royal Reception Rooms)
宮殿内の部屋を見学できます(開館時間は9:00-17:00).
女王による公式な晩餐会が開かれたり外国の首脳をもてなしたりする場所ですが,公式行事がない時は見学できます.また毎日15時から英語のガイドツアーもあるようです.
城内は,靴に(貸し出される)ビニールのカバーをかけての見学です.床を汚さないように⁇
華やかなシャンデリアが印象的なアレキサンダーホール.
とても立派な部屋ですが,小規模な晩餐に使用される部屋なのだそうです.壁や天井の装飾も美しかったですよ!
Flora Danica(フローラダニカ)の磁器ディナーセットが展示されたコーナーもありました.王室晩餐会などで使用される貴重な品々です.磁器類の精巧な絵柄はフローラダニカ植物図鑑を基に作成されています.
このプレートにはどんな料理が盛り付けられるのでしょうか!??
金メッキと青色の椅子が美しい王室図書館の様子です.
総延長約3㎞もある本棚には王室のコレクションの一部が保管されています.H.Cアンデルセンのサイン入り初版本もあるのだとか.書物のコレクションも素晴らしいのですが,コウノトリが描かれた天井や漆喰装飾,柱の上にちょこんと佇む小鳥やフクロウの装飾など見どころいっぱいの部屋です.
壁がピンク色で飾られている部屋はアビルガード・ルーム.
アビルガードとは18世紀のデンマークの芸術家Nicolai Abildgaardのことです.彼は13年の月日をかけ王達の肖像画を10枚作成したのですが,(1794年の)城の火災の時に多くが失われてしまいました.「火災とともに自分の名声も燃え尽きてしまう...」と悲しんでいたようですが,この部屋は火災を免れた彼の作品3点が展示されています.
一番の見どころと言えるのはグレートホール(The Great Hall)です.
宮殿最大のホールで,全長40mもあります.公式晩餐会が催される部屋で,400人も収容できるのだとか!その部屋を飾るのは印象的なタペストリー(Queen's tapestries).
マルグレーテ2世(Queen Margrethe II's)の誕生日を記念して贈られたタペストリーにはデンマークの1000年に及ぶ歴史が描かれています.
パリにあるゴブラン工場で手織りされたタペストリー.職人1人が1㎡織るのに1年かかったそうです.2009年にはオバマ大統領も観賞しています.ちなみにシャンデリアはベニスで製造されたものだそうです.
グレートホールへと続くベルベットの間は
天井に注目です!!
王座のある謁見の間です.特徴的な楕円形の部屋は(壁柱部分に用いられた)グリーンの大理石が落ち着いた雰囲気で,とても印象的でした.
左側に写っているパネルは,女王マルグレーテ2世の即位が宣言された時の様子を紹介したもの.1972年この謁見の間のバルコニーから即位宣言されました.正面に写っているのは1884年の火災を免れた王座.王の椅子のひじ掛け部分にはライオンの装飾が,王妃の椅子のひじ掛け部分にはグリフィン(伝説上の動物)の装飾が施されています.
遺跡(Ruins under Christiansborg Palace)
宮殿前の広場の下には,1167年アブサロン卿(Bishop Absalon's)が建てたの城の遺跡,煉瓦跡があります.現在あるクリスチャンスボー宮殿の基礎をつくる際,作業員によって偶然に発見されたそうです.
ここは,コペンハーゲンの歴史が始まる場所と言われています.
アブサロン卿は紀元12世紀頃,Havn(ハウン)という小さな島に城(Bishop Absalon's Castle)を建設しました.ハウンはのちにKøbenhavn(コペンハーゲン)へと改名されています.
遺跡からは,防衛のためリング状の壁がつくられていたことが分かるそうです.
また,この遺跡からはコペンハーゲン城最大の塔として伝説となっているブルータワーの基礎も見つかっています.
ロイヤルキッチン(The Royal Kitchen)
宮殿の“下”にあるのは遺跡だけではありません! 宮殿の地下は晩餐会に欠かせない料理を作るロイヤルキッチンとなっています♪
銅製の調理器具のコレクションが展示されています.独特な形をした銅製調理器具は約800個.総重量は約2tだそうです.これらは1920年代に使われていたものです.
大きな,大きな銅製の鍋...もあります.
何百人ものゲストのための料理はどこで,どのように準備されているのでしょうか!? 映像での解説もありましたよ! 椅子に座ってのんびりと...王室主催のパーティーや夕食会の舞台裏を見学できます.豪華なグレートホールのある宮殿の地下は来賓をもてなすため,料理人は大忙し...リフトで料理が運ばれて行きます.
タワー(The Tower, Christiansborg Palace)
2014年にオープンしたタワー(月曜日は休み).
106mのタワーはコペンハーゲンで最も高い塔と言われています.恐怖のらせん階段が設置されている救世主教会(Vor Frelsers Kirke)は90mなので...確かにコペンハーゲンで最も高いのでしょう.ちなみに市庁舎(city hall tower)の塔よりは40cm高いそうです...
コペンハーゲンの中心に位置するクリスチャンスボー宮殿のタワーから市内を見渡せます.さらに,このタワーは無料です!!
100人程度しか上れないため入場制限があったり,セキュリティーチェックがあったりとちょっと面倒ですが,展望デッキまではエレベーターで行けるので疲れません!! でも8人乗りのエレベーターで順番待ちする必要があります.
「エレベーターで行けるのは楽だけれど,時間がかかるねぇ」と《わん》.
136段の階段を利用することもできます.
タワーにはレストランもありましたよ.
今回紹介した以外にも王室の洗礼や婚礼が行われるチャペルや2度の火災を免れた厩舎も見学できます.王室の厩舎(ロイヤルステーブル)の上は王室劇場となっているそうです.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【今回の観光地】
Christiansborg Slot
Prins Jørgens Gård,1468 København K
営業時間:
4月から9月は基本的に毎日10:00-17:00です.詳細は公式ホームページでご確認ください.
公式URL:http://www.kongeligeslotte.dk/en/palaces-and-gardens/christiansborg-palace.html
デンマーク
ヨーロッパ大陸の北部に位置する国で,ドイツと陸続きのユラン(ユトランド)半島,フュン島,シェラン島,スウェーデン南部を挟んで西側に位置するボーンホルム島といった主要な島に加え,450程の島からなる国です.童話作家アンデルセンが生まれた町,オーデンセはフュン島にあります.また,アイスランドの東に位置するフェロー諸島やグリーンランドはデンマーク領です.
世界中で親しまれている玩具レゴ(LEGO)はデンマーク生まれのブロック玩具です.レゴグループは2030年までに石油を使わない素材への全面切り替えを表明しています.企業だけではなく,デンマークは環境対策先進国として様々な対策を行っています.例えば風力発電が大規模に導入されており,(2015年末時点で)516基もの洋上風力発電風車が設置されています.
2000年の国民投票でユーロ参加を否決しており,独自通貨デンマーク・クローネを(DKK)使っていますが,DKKをユーロにペッグさせ,対ユーロ変動幅を一定幅に維持しているため,ユーロとの為替レートが大きく変動する事はありません.
国名 | Kingdom of Denmark(デンマーク王国) | |
人口 | 570万人 | |
面積 | 約4.3万平方キロメートル | |
言語 | デンマーク語 | |
通貨 | デンマーク・クローネ(DKK) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
川野祐司(2016)「ヨーロッパ経済とユーロ」文眞堂.
TROJABORGS FORLAG「デンマーク-ある王国-」(ISBN 87-89868-60-9).
「ガイドブックク リスチャンスボー宮殿」(2015),ISBN 978-87-995713-1-4
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Denmark.dk:http://denmark.dk/en/quick-facts/map-of-denmark/svendborg/
VisitDenmark:http://www.visitdenmark.com/denmark/tourist-frontpage
visitcopenhagen:http://www.visitcopenhagen.com/copenhagen-tourist
The Danish Monarchy Official Website:http://kongehuset.dk/en