エストニア 「カラマヤ(Kalamaja)」の思ひで… 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2015年9月】

 
観光の時間です.
今日はエストニアの「タリン(Tallinn)」でお散歩です.

 

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Kalamajaはタリンを構成する8つの地域のうちPõhja-Tallinn地域にあります.カラマヤはPõhja-Tallinn地域の中でも東側に位置しているのでタリン中心地(kesklinn)に近いです.

Kalamajaとは「fish house」を意味する言葉です.タリン湾の海岸沿いに位置しているカラマヤには14世紀ごろから漁師や魚屋,造船技術者が住んでいたそうです.地区内には1920年から1930年に建てられた保存状態の良い木造家屋が残っています.中央にある石階段をもとに左右対称の造りとなっている2‐3階建ての建築物は「Tallinn Houses」と呼ばれています.


この地区にあるのが飛行艇埠頭です.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Lennusadam (Seaplane Harbour)

 

ユニークな形をした水上飛行艇格納庫が改装され,海洋軍事ミュージアムとなっています.

 

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住所:Vesilennuki tee 6, Tallinn
営業時間:
(5月から9月)月曜から日曜10:00-19:00
(10月から4月)火曜から日曜10:00-18:00
閉館30分前までに入場してください.
The Seaplane Harbour outdoor area is open from 10.00 to 22.00.
URL:http://meremuuseum.ee/lennusadam/en/


No.73のバスで来ることができます.バス停名はLennusadam.トラムやCity Tourバスでも来ることができます.無料の駐車場もありました.

《わん》「2009年にお散歩に来たときはなかったよぉ”」

 

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入場料は10ユーロでしたが,タリンカードで無料になります(2016年夏の入場料は14ユーロとなっています).太っちょマルガレータ(Fat Margaret tower)内にあるMaritime Museumとのコンビチケットも販売していました.

 

格納庫の構造を活かした内装.仕切りがなく広い空間を利用した展示方法は博物館というよりも,アミューズメントパークのようでした. 

 

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広い空間だし,ちょっと複雑な造りなので見学するのが大変でした.ミュージアム内は厳密な造りではありませんが1-3階があり,高さに合わせ展示が行われています.
2階部分が海面
1階部分が海底
3階部分が空中
といったコンセプトです.エストニアの海運や海軍にまつわる歴史が紹介されており,エストニアの海運史を学ぶことのできる施設でもあります.
カフェもあるので疲れちゃったら休憩できます.


ガイドブックなどでは展示方法にもこだわった,ハイテクミュージアムと紹介されていました. 

 

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解説を自分のメールアドレス宛に送るシステムもありました.
《わん》「やってみよう♪」
画面の指示に従い,カード(入館時にもらえ,帰りに返却する)をかざし,‟collect and read”を押すだけ.メールアドレスは初回のみ入力します.

 

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気になる分野があれば,カードをかざし,タッチするだけで自分のアドレスへ送信される仕組みです.
後日,メールを確認すると届いていました.《ころ》はアドレス入力を間違えたらしく,メールが届いていませんでした.

Maasilinn shipはエストニアで見つかった最も古い沈没船です.

 

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1985年に引き上げられたこの舟は,16世紀中頃にサーレマー島(Saaremaa)で造られたと考えられています.

ミュージアムの真ん中に展示されているのは重さ600トンの潜水艦です.

 

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イギリス製の潜水艦レンビトウ(Lembit submarine)です.
1936年にエストニア海軍のために造られた潜水艦で,第二次世界大戦で活躍したようです.2011年までは現役潜水艦として世界で最も古い潜水艦でした.
75年間も働き続けた潜水艦ですが,状態良く保存されています.

 

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中に入ることもでき,1930年代当時の技術を見ることができます.機械の合間には折り畳み式の簡易ベッドやトイレもありました.

 

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...どれを回すのかなぁ.間違えちゃいそうだね.

シミュレーターによる体験ゲームもあります.

 

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マシンガンで敵の飛行機をどんどん撃ち落とします.重たくて,うまく動かせませんでした.


南極制覇を目指した取り組みが紹介されているコーナーもありました(2016年4月3日まで).当時使われていた道具や日記のようなメモも展示されていました.

 

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パネルや模型での解説もあります. 

 

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南極への挑戦の際はたくさんの犬も活躍しました.


ミュージアムショップもありました.マグカップ,小さなお皿,方位磁石,ボーダーの服など海運に関するものが中心で,土産も売っていましたよ.


たっぷり見学したと思いましたが...外にも展示物があります.

 

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埠頭にはドイツ製の砕氷船スール・トゥル(Suur Tõll)が係留されています.中に入らずにこの砕氷船だけを5ユーロで見学することもできます. 

 

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デッキに上がるだけではなく内部の見学もできます.

スール・トゥルはヨーロッパ最大の蒸気砕氷船でした.エンジンルームやボイラールームは機械油のにおいがしました.

 

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英語での解説もありました.
立派な食堂もあり,船の中だということを忘れてしまいます. 

 

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ピアノも設置されていました.

エンジニアの部屋,チーフエンジニアの部屋,キャプテンの部屋と地位によって内装が大きく変わります.

 

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乗組員は何人かで一部屋です.眠るスペースしかありません.キャプテンの部屋は,トイレとお風呂が別々!専用のバスタブが設置されていました.さらに,船長さんたちの食事を作る場所と乗組員の食事を作る場所は別々の施設(部屋)でした. 

 

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砕氷船以外にも船が展示されており,自由に見学できます. 

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain エストニア

 

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バルト三国の最も北に位置する国で,ラトビア,ロシアとは陸続きで国境を接しています.バルト海を挟んで北側にはフィンランドがあり,ヘルシンキとタリンの間ではフェリーも運行されています.言語や文化はフィンランドなどの北欧とよく似ていると言われており,バルト三国でエストニアだけが異なる言語グループに属しています.
2011年にバルト三国で最初にユーロを導入しました.EUへは2004年に加盟しています.
IT立国化が推進されているエストニアでは国政選挙もネット上で行うことができ,ITを通じた効率化が進められています.マイナンバーのICカードも普及しており,行政や納税の時だけでなく銀行のオンラインログインなどにも利用されています.インターネット電話サービスのSkype(スカイプ)がエストニアで開発されたことも有名です.ITイノベーション産業の誘致・育成が積極的に行われており,日本との間ではIT・サイバー分野での協力が行われています.

 

国名 Republic of Estonia(エストニア共和国)

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人口 131万人
面積 約4.5万平方キロメートル
言語 エストニア語
通貨 ユーロ(2011年に導入)
時間 UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2016)「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版」二宮書店. 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

エストニア エストニアの古き町並みと田園,ISBN 978-9985-9969-04.

Visit Estonia:http://www.visitestonia.com/en/

visittallinn:https://www.visittallinn.ee/jp