デンマーク 「フュン野外博物館」の思ひで…

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博物館の時間です.
今日はデンマークの「Odense(オーデンセ)」でお散歩です.

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デンマークが世界に誇る童話作家,アンデルセン(Hans Christian Andersen)はフュン島(Fyn,フューン島)のオーデンセで生まれました.『みにくいアヒルの子』や『人魚姫』といった彼の作品は世界120ヵ国以上で翻訳されています.
1805年,フュン島の貧しい家庭に生まれたアンデルセン.オーデンセの街にはアンデルセンの子供時代の家やアンデルセン博物館,アンデルセンの銅像など彼にまつわるスポットがたくさんあります.
欧州徒然草「アンデルセン童話で巡るデンマーク(3)」をご参照ください.)

今回は街中からちょっと離れたところにあるフュン野外博物館をお散歩します.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Den Fynske Landsby(The Funen Village)

 

オーデンセの南西郊外にある野外博物館.街中心部から自動車で行く場合は10分くらいです.無料の駐車場があります.街中からはバス(110番,111番)で行くこともできます.

 

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フュン野外博物館はアンデルセンが生きていた時代の村を再現しています.
18世紀から19世紀にかけての農村風景が再現されており,園内には30近い建物があります.それらは当時の建物でフュン島各地域から移築されたものです.フュン島は伝統的な木造建築の水準が高い地域と言われています.

木造建築の家,庭,家畜などが再現された昔の村の中をお散歩です.

 

【エントランス】
エントランスでもあるビジターセンターで入場料を支払います.入場料は大人60 DKKでした(オーデンセパスを購入すれば入場料が無料になります).18歳以下は無料です.ショップも併設されているので,帰りにお土産を買うこともできます.日本語のガイドブック『フュン野外博物館』もありました.

野外の展示スペースへ移動する前にビジターセンターでショートフィルムを鑑賞します.

 

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フュン島の農家に関する映像です.
19世紀は技術的に,そして政治・経済的にも大きく変化した時代でした.1849年に絶対王政が廃止されたことで,国王以外の人も国の発展に影響力を持つようになったのだとか.1844年ごろには国民高等学校が設立され普通の農民も教育を受けることができるようになったそうです.アンデルセンの文学作品の中にも生活や社会体制の変化を感じ取ることができるそうです.


【野外展示】

フュン島の様々な地域から30軒近い古い家屋が集められているだけではなく,アヒルやブタ,牛,といった動物も村の中で生きています.動物(家畜)は19世紀の暮らしに欠かせない存在でした.

 

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動物たちはウロウロとしていますが,エサを与えてはいけません‼

 

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動物の多くは家畜小屋で飼われていました.夏は放牧もしていたそうです.フュン島は平坦な島で,土地も肥沃だったため農耕が盛んに行われていました.

 

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畑や庭の周りには石垣や丸太で作られた柵が見られます.アンデルセンの生きていた時代には家畜が侵入するのを防ぐために囲いを造ったそうです.野菜を家畜から守っていたのです.
不思議な野菜がたくさん育っている畑も見つけました‼

 

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ニンジンのような色をしていますが,大きさは大根! 食用の野菜かなぁと思っていたのですが,近くに建てられていた看板には「Mangold,牛や馬のエサ」との説明がありました.博物館内の作物は昔ながらの方法で育てられているそうですよ.

 

家畜小屋,池や石で舗装された道など町全体が完全に再現されています.
レンガ造りの建物は,トーシンエ(Tåsinge)島のエスケア(Eskær)学校です.

 

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1814年に制定された学校教育法により,田舎の町にも学校が建てられました.貧しい家の生まれでも学校へ通うことができ,誰もが読み書きをできるようになりました.初等教育は新しい技術や知識を身に着ける基礎となったのです.成人向けの農業学校なども設立され農民の生活は改善されていきました.

建物の内部も見学できます.

 

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黒板の文字,生徒が座った座席など当時の様子が再現されています.

農場,牧師の館,木靴製造者の家などが移築されています.木の骨組みに漆喰などを組み合わせた壁を持つ家など建物自体も魅力的ですが,建物内には19世紀の生活の様子を垣間見ることのできる展示があります.

 

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赤壁の牧師の館は二重窓で壁も厚く作られているそうです.

 

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村で重要な役割を果たしていた牧師は,法律や規則を人々に知らせるだけではなく,子供たちの教育にも携わっていたそうです.

裕福な生活をしていた人,小作農として貧しい生活を強いられていた人などそれぞれの生活を知ることができます.

 

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室内には生活で使われていた道具の代用品・模造品が置かれており,本棚に並んだ本や棚に置かれた食器,テーブルに広げられた新聞など当時を感じることができる品々がならんでいます.
夏の間は野外博物館内で“村の住人”に会うことができ,19世紀の暮らしぶりを教えてもらえるようですが...
《ころ》「もう夏は終わっちやたのかなぁ」

お散歩をしたのは8月末,雨も降っていました.人がいなくなった村には物だけが残され,ちょっと寂しい雰囲気でした.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

  


【今回の観光地】

Den Fynske Landsby

Sejerskovvej 20,5260 Odense S

営業時間:
4月1日-7月2日:火曜から日曜の10:00-17:00.
7月3日-8月13日:月曜から日曜の10:00-18:00.
8月14日-8月31日:月曜から日曜の10:00-17:00.
9月1日-10月22日:火曜から日曜の10:00-17:00.
冬季休業.年によって日付に若干の変更があると思います.

公式URL:http://museum.odense.dk/en/museums/funen-village

   

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain デンマーク

 

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ヨーロッパ大陸の北部に位置する国で,ドイツと陸続きのユラン(ユトランド)半島,フュン島,シェラン島,スウェーデン南部を挟んで西側に位置するボーンホルム島といった主要な島に加え,450程の島からなる国です.童話作家アンデルセンが生まれた町,オーデンセはフュン島にあります.また,アイスランドの東に位置するフェロー諸島やグリーンランドはデンマーク領です.

世界中で親しまれている玩具レゴ(LEGO)はデンマーク生まれのブロック玩具です.レゴグループは2030年までに石油を使わない素材への全面切り替えを表明しています.企業だけではなく,デンマークは環境対策先進国として様々な対策を行っています.例えば風力発電が大規模に導入されており,(2015年末時点で)516基もの洋上風力発電風車が設置されています.

2000年の国民投票でユーロ参加を否決しており,独自通貨デンマーク・クローネを(DKK)使っていますが,DKKをユーロにペッグさせ,対ユーロ変動幅を一定幅に維持しているため,ユーロとの為替レートが大きく変動する事はありません.

 

国名 Kingdom of Denmark(デンマーク王国)

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人口 570万人
面積 約約4.3万平方キロメートル
言語 デンマーク語
通貨 デンマーク・クローネ(DKK)
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

 

【参考ホームページ・参照文献】

川野祐司(2016)「ヨーロッパ経済とユーロ」文眞堂.
太田邦夫(2015)『木のヨーロッパ 建築とまち歩きの事典』
TROJABORGS FORLAG「デンマーク-ある王国-」(ISBN 87-89868-60-9).

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

 

Denmark.dk:http://denmark.dk/en/quick-facts/map-of-denmark/svendborg/

VisitDenmark:http://www.visitdenmark.com/denmark/tourist-frontpage

Odense Kommune:http://english.odense.dk/

Visit Odense:http://www.visitodense.com/ln-int/odense/visitodense-0

Odense City Museums:http://museum.odense.dk/