オランダ「アールスメール花市」の思ひで…

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観光の時間です.
今日はオランダの「Aalsmeer(アールスメール)」でお散歩です.

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アムステルダムの南にある町Aalsmeer(アルスメール).ここに世界最大規模の花の卸市場があります.
Royal FloraHollandは花卉(かき)園芸競売の協同組合です.フラワーオークションは一般見学が可能ということなので行ってみました.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain アールスメール花市場への道

アールスメール花市場へ向けてドライブ.高速道路A4 の出口Aalsmeer/Hoofddorpを目指します.

《ころ》「あ‼ 空港だ」

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スキポール空港の近くを通りました! 高速道路を出てからはN201とN231を進みます.標識通りでした.公式ホームページによると,花市場の敷地内に入った後はTouristのサインに従って進めばよいとのこと.

f:id:osanpowanko:20190828083609j:plain《ころ》「あっ,Touristって書いてある!!」その後,Visitorsに変わりました.
標識を見つけた《わん》達は,ホッとして屋上駐車場へ進んでいったのですが

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...広~い駐車場.何ヵ所もある入り口.そして無くなったサイン.
《わん》「どこに止めようか...」
とりあえず真ん中あたりに車を止めました.周囲を見回すとingang(入口)の看板が.そこから入ってみました.
階段を下ると,大きなカーゴに乗せられた花がどんどん運ばれていました.
近くを通ったおじさんに聞いてみると,英語が苦手なようでしたが「市場はここだよ! ここら辺を見ればいいんだよ」と伝えてくれました.
でも...《ころ》「入場料を支払うはずだよ! ここは入り口じゃないのかも」
もう一度 駐車場へ戻り,他の入り口から入ってみることにしました.

《わん》「あ!あった.Visitors/Touristsって書いてある.」

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駐車場,(入り口が並ぶ方を向いて)一番左側,ここが正しい入り口でした.
下まで降り,メインエントランスへ向けてどんどん歩きます.入り口は違う建物.5分くらい歩きました.

f:id:osanpowanko:20190828085858j:plain《ころ》「たどり着けてよかった...」

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain アールスメール花市場の見学

Royal FloraHolland
住所:Legmeerdijk 313,1431 GB Aalsmeer
営業時間:月曜から金曜7-11(木曜は9時まで)


入場料は8ユーロ.
商品が行き来するフロアの上に設置されたウォーキングスペースを歩きます.ガイドはなく自由に見学できます.

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f:id:osanpowanko:20190828091244j:plain道は真っすぐです.団体観光客も来ていました.
スキポール空港に近いアールスメール花市場では平日の午前中にオークションが行われます.競り落とされた花は空港に運ばれ,その日のうちに世界中の花屋さんに並びます.

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本当に大規模な市場でフロアの終わりが見えないほどです.ヒマワリ,バラ,ユリ,カスミソウ,アジサイみたいな花,ホオズキ,カボチャ(鑑賞用かな?)などなど種類もたくさん.取引されている花や植物は3万種以上と言われています.

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バイヤーや組合のメンバーではない従業員が2636人います.見学してる《ころ》に手を振ってくれるおじさんもいました.たくさんの人が働いていますが,自動化されている部分もありました.バーコードによる徹底した商品管理で作業効率を高めることで最短時間で納品しているのだとか.


オークション会場の横も通ります!

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メインのセリは終わってしまったようで,ほとんど人がいませんでした.ここの会場だけではなくてインターネットからの入札も行われているのだとか.
財団法人日本花普及センター「オランダの花き産業レポート」(平成21年)によると,1996年から情報の標準化に取り組み,競がバーチャル化されたそうです.すべての情報をデジタル化したことにより,商品を見なくてもネット上での売買が可能となりました.


セリの方式はダッチ・オークション(Dutch auction).徐々に価格が下げられていき,最初に買い手がついた価格で売買が成立するという方式のオークションです.(一般的な競売方式の)価格をつり上げていくイングリッシュ・オークションと比べ短時間で済むというメリットがあります.一見しただけでは何が起こっているのか分からないほどのスピードです.アールスメール花市場で行われている競下げ方式のオークションには100年以上の歴史があり,システム面など時代とともに進化していきました.
《わん》「オークションが見られなくて残念.もっと朝早く来ないといけなかったのかな...」
いい写真は取れました!!

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《ころ》「ロゴ入りの記念写真だ♪」

オークション会場の合成写真.チューリップ畑や風車の景色の中など,いくつかの背景があり,撮影した写真はメールで自分に送信できます.無料です.


Royal FloraHollandの輸出先主要5ヵ国はドイツ,イギリス,フランス,イタリア,ベルギーです.2018年の総輸出額は60億ユーロ.

【Main export destinations】

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(データはFlorldata)

年間売上は46億ユーロです.Brexitの影響は現時点では明らかではないが,状況を注意深く監視しているとのことです.
最新の取引・物流システムのおかげで日本やニューヨークへも鮮度の良い花が輸出されています.日本の切り花の輸入額を見ると,オランダからの輸入は2000年頃まで1位でした(東京税関調査部「切り花の輸入」(平成28年3月)より).しかし最近ではコロンビアやマレーシア,台湾からの輸入が増加しており,オランダからの輸入は減少しています.


アールスメールをはじめとしたオランダ南西部には花農家があります.
《ころ》「あのハウスで花を育てているのかな!??」

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花市場の周辺で栽培している農家はRoyal FloraHollandの組合員となり,毎日,花市場へ出荷しているそうです. 

  

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

  


  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain オランダ

 

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西ヨーロッパに位置し北海に面する国.ドイツやベルギーと国境を接している.
国土の約26%が海面下の標高で,最高地点は323mという平坦な土地を持つオランダは,ダムや堤防の建設といった水利事業が古くから行われてきた.風車や水車も土地の干拓のために建てられ,国土を水から守ってきた.限られた土地を有効活用するため,また気候変動による海面上昇への対策として,水上での酪農と製品生産が行われている.主要港湾都市ロッテルダムの港には世界初と言われる水上酪農施設(Floating Farm)が開業(2019年6月).このように農業・酪農分野における技術革新が続いている国で,ICTを取り入れた先進的なシステム・搾乳ロボットなどを開発するLELY(レリー)社が有名.農産物の輸出はアメリカに次ぐ世界第2位で,園芸(花)の輸出大国としても知られている.アールスメール花市場は有名.
EC(欧州共同体)原加盟国.1992年,EU(欧州連合)の創設を定めた条約が採択されたのはオランダ南部の都市マーストリヒト.

 

国名 Kingdom of the Netherlands(オランダ王国)

オランダ王国国旗

人口 1,718万人
面積 約41,9万平方キロメートル
言語 オランダ語,フリース語(フリースランド州)
通貨 ユーロ(EUR)
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

 

【参考ホームページ・参照文献】

川野祐司(2019)「ヨーロッパ経済の基礎知識2020」文眞堂.