ラトビア 「リーガ旧市街」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2015年8月】

 
観光の時間です.
今日はラトビアの「Rīga(リーガ/リガ)」でお散歩です.

 

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リーガ旧市街をお散歩しました.
最初の写真はブラックヘッドの会館(melngalvju nams)の前にある市庁舎広場(Rātslaukums)です.観光用の電気ミニバスが走っていました.見どころの前では少し停車してくれるようです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 市庁舎広場(Rātslaukums)

 

市庁舎広場にはツーリストインフォメーションもあります.ブラックヘッドの会館の(向かって)左側の建物です.ブラックヘッド会館の豪華なファサードに負けないくらい印象的な外観を持つこの建物はSchwab House.1941年,ブラックヘッドの会館と同様にドイツ軍の空襲で破壊されましたが1990年に完全に復元されました.

市の守護聖人である騎士「ロランド」の像です.盾にはリーガの紋章が刻まれています.

 

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彼の手にする剣の矛先(の真下)がラトビアの地理的中心であり,ラトビアの距離計算の始点となっているそうですよ.台座の下にはユニークなものが...

 

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手を近づけると水が出る仕組みになっています.薄汚れたコップが置かれていました...

独特の建物に囲まれた市庁舎広場.もちろん市庁舎もあります.

 

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1市庁舎内にはリーガの市議会場があります. 

  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 聖ペテロ教会(Svētā Pētera baznīca)

 

1209年の記録が残っている歴史のある教会です.この場所が町の中心であった当時は商人の教会,集会場として使われていたそうです.リーガのシンボルにもなっている高さ約123メートルの塔.落雷や戦争での爆撃を受け破壊されましたが,そのたびに再建されています.てっぺんには雄鶏が据え付けられています.

 

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17世紀は木造だった塔も現在では鉄筋の塔となっており,エレベーターで72mの高さまで昇ることができるそうです.旧市街で最も高い教会の塔からリーガ旧市街を眺めることができるでしょう”

 

聖ペテロ教会の面するSkārņu通りにはブレーメンの音楽隊(Bremen Town Musicians)の彫刻があります.リーガの姉妹都市,ブレーメン(Bremen)からの贈り物で1990年に造られました.
グリム兄弟の童話『ブレーメンの音楽隊』に基づいた銅像ですが,ここにあるの彫刻には政治的メッセージも込められているそうです.動物たちは泥棒が宴を楽しむ窓の前に立っているわけではなく,鉄のカーテン(Iron Curtain)の向こうにある新たな世界をじっと見つめているのだとか. 

 

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ラトビア独立前の政治に対するユーモラスなアプローチが表現された彫刻なのだそうです.
「『ブレーメンの音楽隊』ってことは犬がいるね” 下から2番目は...」

 

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い,犬?...いぬ.です.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 歴史と海運の博物館(Rīgas vēstures un kuģniecības muzejs)

 

バルト諸国,さらにはヨーロッパの中でも最も古いといわれる博物館で,250年近い歴史があります.リーガ大聖堂の修道院が博物館となっています.

 

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大人4.27ユーロです.リーガカードで50%引きになるそうです.写真撮影は別料金(2.85ユーロ)でした.
16もの展示室があるとっても広い博物館...ラトビアの歴史にまつわる資料が50万以上の収蔵されているのだとか...
木造の古い舟,銃,リーガの写真,ハンザ同盟の資料など見ごたえのある博物館です.様々な大きさの分銅や毛皮みたいなのもありました.「貿易の町ならではの品かな⁉」.シャンデリアの部屋にはお金持ちの家具や雑貨が展示されていましたよ” 服,キセル,扇子,カラトリー,銀食器,楽器などなど.さらに‟孫の手”みたいなのがありました‼ 探してみてくださいねぇ~
展示室には冊子での説明(英語)もありました.

 

大事なものを見忘れました...というよりも全く注目していませんでした.ダウガヴァ川沿いにある「クリストファー像」のオリジナル品が展示されていたのに.「舟から見たリーガ」の思ひで… 参照.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain リーガ大聖堂(Rīgas Doms)

 

こちらがリーガ大聖堂.

 

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外壁は工事中です...

15世紀頃,塔は140mほどの高さがありましたが,1547年に焼失してしまいました.現在あるのは1776年に建設された90mの塔です.尖塔には雄鶏(Rooster)が据え付けられています.

《ころ》「また雄鶏が取り付けられてるんだ‼」
《わん》「そういえば,聖ヤコブ教会(Svētā Jēkaba katedrāle)のてっぺんにも金色の雄鶏がいるよねぇ」

 

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こちらが聖ヤコブ教会の雄鶏.

 

リーガ旧市街にある教会には,リーガのシンボルともいえる雄鶏(rooster)が設置されています.十字架ではなく雄鶏が取り付けられている理由は,
・雄鶏の鳴き声は悪魔を寄せ付けない.
・キリスト教の伝統では雄鶏は用心深さや警戒心を象徴し,また神に意識を向けているということを表す.
・(実用的な観点から)港町であるリーガにおいて,風見鶏の役割を果たしている.

…と,いくつかの説があります.(latvia.travel「Churches」より)

 

赤煉瓦で作られたリーガ大聖堂は,再建・増築が繰り返されたためさまざまな建築様式が融合した聖堂となっています.ローマ様式,初期ゴシック様式,バロックおよびアールヌーボー様式が見事に調和したその姿は歴史建築記念物として貴重な存在となっているそうです.

聖堂内にある大きなパイプオルガン(1884年製)も見逃せません”
世界で4番目にパイプの数が多いそうです.その数はなんと6718本‼ フランツ・リストはこのパイプオルガンのために演奏曲を作ったそうです.立派なオルガンのあるリーガ大聖堂は,ソ連時代には演奏会場として使われていました.毎日12時からパイプオルガンのコンサートがあったらしい...知らなかった.オルガンの音,聞いてみたかったなぁ.

リーガ大聖堂のVISITOR INFORMATION:http://www.doms.lv/info/?mnu_id=47

  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 猫の家(Kaķu Māja)

 

屋根のてっぺんにいるのは,雄鶏ではなく‟猫”です.

 

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屋根の上に二匹の猫がいることで知られる,猫の家.1910年代につくられたこの屋敷はラトビア人オーナーの住居・オフィスでした.彼はお金持ちだったにもかかわらず,ギルドへの加入を拒否されました.腹を立てた彼は二匹の猫を屋根の上に置き,大ギルド会館の方に猫のしっぽを向けました.ギルドを皮肉ったこの対応は,当時,大スキャンダルとなったのだとか.市議会の指令で猫の向きが変えられ,現在の向きとなったともいわれています.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 三人兄弟(Trīs brāļi)

 

リーガに残る3つの中世の住宅.それぞれが建設された時代は異なりますが,兄弟のように肩を寄せ合って建っています.ある一族の3人の男性によって建設された...という言い伝えもあります.

 

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おさんぽわんこ達と同じ三兄弟.「《りん》がいなくて残念だねぇ.」

 

【兄(Oldest brother):向かって右の建物(Mazā Pils iela,17)】
1490年ころに建てられました.当時,オランダ商人とのつながりが強かったリーガ.建築様式においてもオランダのルネッサンス様式が反映されています.上部の階段状の造りや窓税があったことが分かる外観にも時代的な特徴を見ることが出ます.

1番年上,つまり《わん》ってこと.

 

【次男(Middle brother):真ん中の建物(Mazā Pils iela,19)】
1646年に建設された真ん中の建物は,3つの中で最も高価なのだとか.17世紀の典型的な住居ですが,モダンなデザインでもあったそうです.ファサードはオランダのマンネリズムスタイルです.大きな窓があることも特徴です.

2番目,つまり《ころ》ってこと.

 

【三男(Youngest brother):向かって左の建物(Mazā Pils iela,21)】
17世紀後半に建てられた建物.もっとも狭く,小さいのが三男です.それぞれの階には小さなアパートがあったのだとか.入口の上には‟マスク”が付けられています.三男のオーナーは住民を悪霊から守るためにファサードの飾りにマスク(mask)を付けたのだそうです.

末っ子,つまり《りん》ってこと.

 

三人兄弟ですが,3人を写真に収めるのは意外と大変です...

  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain リーガ旧市街

 

ダウガヴァ川の東岸に広がるリーガ旧市街.リーガ旧市街にある「リーガ歴史地区は」1997年にユネスコ世界遺産に登録されています.中世の建物が数多く残っており,多くの観光客を魅了しています.

 

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リーガは1282年からハンザ同盟の一員であり,ドイツやバルト海地域の国と貿易を行っていました.ハンザ商人の商家などが旧市街に残っており,港湾都市リーガ繁栄の様子を見ることができます.
今日のおさんぽ以外にも見どころはたくさんあります...

さらに旧市街から見て北側にあるリーガ新市街にも見どころがたくさんあります.
新市街にはアールヌーボー様式の建築群が残っている通りがあります.アルベルタ(Alberta)通りやエリザベテス(Elizabetes)通り周辺には特に多くの建築物が残っています.その中にはユーゲントシュティールを代表する建築家,ミハイル・エイゼンシュテインの作品もあります.

 

【リガのアールヌーボー(ユーゲントシュティール)様式建築群】
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで花開いた新建築様式.壮麗で表現が豊か,曲線や植物紋様を多用するという特徴があります.リーガの建築ブームと重なったためリーガ中心部にある建築物の4割はユーゲントシュティール様式であると言われています.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ラトビア

 

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バルト三国の真ん中に位置する国で,エストニア,ロシア,ベラルーシ,リトアニアと国境を接しています.また西側はバルト海(リガ湾)に面しています.
1991年に旧ソ連から独立し,2004年にはエストニア,ラトビアとともにEU加盟しています.ラトビアは2014年にユーロを導入しました.
ハンザ同盟の都市として発展した地が多く,文化面ではドイツやポーランドの影響が大きいと言われています.公用語のラトビア語はバルト系言語で,リトアニア語と同じグループに属します.キリスト教徒の多くは福音ルーテル派でありエストニアと同じで,カトリックの多いリトアニアとは異なります.

 

国名 Republic of Latvia(ラトビア共和国)

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人口 215万人
面積 約6.5万平方キロメートル
言語 ラトビア語
通貨 ユーロ(2014年に導入)
時間 UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2016)「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版」二宮書店. 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

ラトビア政府観光局公式ポータル:http://ww3.latvia.travel/ja

 アンドリス・アールガリス「リーガ」,ISBN 978-9984-26-426-4.
LIVE RĪGA:http://www.liveriga.com/en/