エストニア 「砂の洞窟」の思ひで…

 

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観光の時間です.
今日はエストニアの「Põlva maakond(ポルヴァ/プルヴァ地域)」でお散歩です.

 

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この前お散歩したヴォル地域(エストニア 「バルト三国で一番高いところ」の思ひで…)の隣(北側)に位置します.2つの地域の境目にはピウサと呼ばれる保養地があります(PIUSA ÜRGORU HOLIDAY CENTER).
ポルヴァ地域にはピウサ洞窟自然保護地があります.1981年に保護区となったピウサ砂岩洞窟には,2010年にビジターセンターが創設され洞窟や周辺の環境,生物を保護しています.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Piusa Caves Visitor Centre

 

 

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入館料は大人5ユーロでした.
最初に英語版の解説映像を30分見ます.貸し切りだね♪ と喜んでいた《ころ》は疲れていたので...眠ってしまいました.
《ころ》「なんの話してた???」
《わん》「周辺の自然環境や洞窟内の動物について説明していたよ.」


そのあと,砂の洞窟を案内してくれます.洞窟には鍵がかけられているので,係りの人と一緒でないと入ることができません.

 

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この日は,英語の通じないおばちゃんが担当してくれました.エストニア語とロシア語を話せるそうです.

ピウサ砂岩洞窟は20世紀初めにガラス製造用の砂を採取していたためできた洞窟です.アーチ状に掘られた穴がいくつもありました.

 

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洞窟内に入ることはできますが,手前部分だけ.アーチが続く奥の方は立ち入り禁止です.崩れてしまう可能性があるのだとか...
英語がほとんどわからないおばちゃんが「44年前に崩れた」と言っていた気がします.
《わん》「洞窟の中を歩けると思っていたのに.ちょっと残念だねぇ.」

1922年から1966年の間,ガラスを作るための砂を手掘りしたためこのような洞窟が形成されました.砂の採取によって出来上がった通路,トンネルの長さは20㎞にも及ぶと言われています.洞窟の高さは砂が採取された時代によって異なり,2-3mの所もあれば10m近くになるものもあるそうです.


洞窟はコウモリの冬眠の場でもあります.
冬には5種のコウモリが推定3000羽生息していると考えられており,1981年には東欧で最も大きく重要な冬眠場所として保護の対象となりました.気温や湿度,暗さがコウモリ達にとってちょうど良い具合なのだそうです.洞窟内の温度は10℃.冷蔵庫の中のように感じました.

 

触ってよい場所もあります.

 

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写真の右奥の柱です.きめの細かい砂でしっとりと指にくっつきます.
写真も展示されています.女性もこの洞窟で仕事をし,砂を掘っていたようです.スコップを持った写真がありました.

 

洞窟の周りの森りは自分で歩いて見学します.
洞窟の鍵を閉めると,「くるっと回ってみてきなよ」みたいなジェスチャーで,おばちゃんが伝えてくれました.
保護区内には1.4㎞のハイキングコースがあります.

 

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インフォメーションボードも設置されており,約1時間のハイキングを楽しめるとのことでしたが...
《わん》「疲れちゃったから...少しだけお散歩しよう」
ビジターセンターの周りだけでも十分な景色を見ることができます.

 

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《ころ》「さっきの洞窟の中とは砂の色が違うね.外の方がちょっと濃い色をしているよ」
《わん》「今日は雨だったから,それも関係しているのかも」

触ってみると,きめの細かい砂で手にくっつくとなかなか取れません.海の綺麗な砂浜の砂みたいです.今日は雨も降ったし水分を含んでいて湿っているのかもしれません.砂の粒子はとても細かいですが,風で舞ったりしませんでした.

砂や洞窟だけが見どころではありません.森にもこの地域特有の植生があるのだとか.

 

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《わん》「あ! さっき映像で見たコケだと思うよ」

ショウドウツバメ(sand martin)という鳥の巣も見ることができます. 

 

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砂岩の土手に無数の穴が見えました.これが子育てをする巣です.奥行きは30cmくらいあるそうです.


帰る時,ビジターセンターで「どこの国から来ましたか⁉ シールを貼ってください」と言われました.
《ころ》「日本から来てる人もいるね”」
シールを張るのはヨーロッパが中心に描かれた世界地図.日本は左端に位置していますよ‼

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


【今回の観光地】

Piusa Visitor Centre

SA Piusa Piusa village Orava parish Põlva County 64122

開館時間:

(5月1日から9月15日)毎日11:00-19:00
(9月16日から4月30日)土日12:00-16:00
※エストニア語の公式ページに掲載されている開館時間です.英語のページには『7月21日から8月21日が毎日』となっているのですが,もしかしたらその期間だけ英語が通じるスタッフがいるのかなぁ???
また,2015年夏に訪れた時は入口に『11:00-18:00』と書かれていました.
見学はガイドツアーも含まれるので閉館時間の30分前には入場する必要があります.

公式URL::http://piusa.ee/?keel=eng

 

(エストニアでの運転)
速度制限 市街地:50km/h,郊外:90km/h(夏期は110km/hとなる場所もあります)です.ヘッドライトは常に点灯させる必要があります.高速道路は無料です.高速道路や主要道路には取り締まりのカメラがたくさんあります.スピードに注意して運転してください.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain エストニア

 

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バルト三国の最も北に位置する国で,ラトビア,ロシアとは陸続きで国境を接しています.バルト海を挟んで北側にはフィンランドがあり,ヘルシンキとタリンの間ではフェリーも運行されています.言語や文化はフィンランドなどの北欧とよく似ていると言われており,バルト三国でエストニアだけが異なる言語グループに属しています.
2011年にバルト三国で最初にユーロを導入しました.EUへは2004年に加盟しています.
IT立国化が推進されているエストニアでは国政選挙もネット上で行うことができ,ITを通じた効率化が進められています.マイナンバーのICカードも普及しており,行政や納税の時だけでなく銀行のオンラインログインなどにも利用されています.インターネット電話サービスのSkype(スカイプ)がエストニアで開発されたことも有名です.ITイノベーション産業の誘致・育成が積極的に行われており,日本との間ではIT・サイバー分野での協力が行われています.

 

国名 Republic of Estonia(エストニア共和国)

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人口 131万人
面積 約4.5万平方キロメートル
言語 エストニア語
通貨 ユーロ(2011年に導入)
時間 UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2016)「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版」二宮書店. 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

エストニア エストニアの古き町並みと田園,ISBN 978-9985-9969-04.

Visit Estonia:http://www.visitestonia.com/en/