エストニア 「ハープサル(Haapsalu)」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2015年9月】

 
観光の時間です.
今日はエストニアの「ハープサル(Haapsalu)」でお散歩です.

 

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タリンから西南へ約100㎞.エストニア西海岸に位置するレーネ(ラーネ)県(Lääne maakond)の町がハープサルです.
ハープサルの海の泥には健康回復に効果的な効果があることが分かり,リゾート地として発展しました.ハープサルで泥スパが始まったのは1825年のこと.それ以降,保養地として多くの人が訪れています.昔はドイツやロシアの貴族が夏の休暇を過ごしていたそうです.今日では世界中から観光客が訪れています.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Haapsalu Tourist Information Centre

 

ツーリストインフォメーションはハープサルのメイン通り沿いにあります.

 

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Karja tn 15, Haapsalu
営業時間:
(5月15日から9月15日)月曜から金曜9:00-17:00,土日10:00-16:00
(9月16日から5月14日)火曜から金曜10:00-17:00,土10:00-16:00

 

9月上旬は毎日開いていると思うのですが,お散歩をした時は開いていませんでした.
お土産なども扱っているとのことです.ハープサルはレースが特産品なのだとか.ハープサルレースと呼ばれ,エストニアからの贈答品として贈られることが多いそうです.柔らかな羊毛を使用して織られるレースのスカーフなどがあるそうです.

《ころ》「レース...覚えてないなぁ...見かけたかなぁ!?」

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Haapsalu Piiskopilinnus

 

旧市街の中心にある城です.Haapsalu Episcopal Castle(ハープサル城/僧正の城)周辺は中世の趣を残す場所です.13世紀に建てられたハープサル城はSaare-Lääne(サーレ・ラーネ)教区の中心地でした.主教と聖職者の住宅でもあったそうです.

 

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住所:Lossiplats 3, Haapsalu
営業時間:
(5月1日から8月31日)月曜から日曜10:00-18:00
(9月1日から4月30日)金曜から日曜11:00-16:00
入場は閉館の30分前まで.
城の庭は毎日7:00-24:00開いています.

 

現在,城とカテドラルはミュージアムとなっています.
お散歩をしたのは9月でした.
《わん》「良かったぁ.今日は土曜日だから開いてるね!」

でも,門の所にはこんな看板が…

 

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visitestonia.comでは上記の営業時間が掲載されていますが,お城の門の前には
『(5月から9月)10:00-18:00,(10月から4月)予約が必要』との張り紙が...夏(5月から9月)以外のは営業日が限られてしまうので,ハープサルへの観光は気を付けましょう”
入場料は4ユーロでした.

見る場所がたくさんある城でした.

 

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地下部分やタワーもあるので,階段の上り下りが大変でした.地下部分には城内で見つかった文字の刻まれた石もありました. 

 

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ヒーティングシステムです.パネルでも紹介もあります.
城跡を利用したものだけではなく,綺麗に改装しミュージアムとして展示されているスペースもあります.要塞としての歴史も紹介されていました.

 

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さらに,White Ladyに関係する牢屋が再現されていました.

洗礼堂の南側の壁に取り付けられた丸窓に8月の満月の夜,女性の影が現れる...

 

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《わん》「右のほうに見えるね」
《ころ》「見えるね」


【Legend of the White Lady】
恋に落ちたエストニアの女性と司教は女人禁止という規則があったにもかかわらず,秘かに会っていたのです.女性は聖歌隊の男子に扮装しEpiscopal Castleへ忍び込んでいました.しばらくの間はバレなかったのですが,ついに見つかってしまったのです.彼らへの罰則は厳しいものでした.司教は城の牢屋に投獄され,餓死してしまいました.女性の方は生きたまま洗礼堂の壁に埋め込まれたのです.
,という言い伝えがあります.これが”ホワイトレディ”伝説(Legend of the White Lady)です.

ミュージアム内では,白く浮かび上がるWhite Ladyを再現した展示もありましたよ‼

実際に浮かび上がるのは敷地内(Dome Church)の横にある洗礼です.

 

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洗礼堂の南西側の窓には8月の満月の夜に白衣の姿が浮かび上がると言われています.
ちょうどその頃(毎年8月の満月の頃),には音楽祭が開催されています.White Lady Daysと言われ,音楽やヴァイオリニストフェスティバルがお城の野外ステージで行われます.オペラやロック,民族音楽など多彩なジャンルのようです.

城の南側にあるカテドラルです.

 

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1279年の記録が残る歴史のある大聖堂です.single-nave churchとしてはバルト諸国で最も大きなものなのだそうです.音響効果に優れておりコンサートの会場ともなっているようですよ.


西側にある小さなタワーを上ると...そこは城の病院でした.これは当時のマスクです.

 

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鼻の部分にニンニクやハーブを詰め空気を殺菌するそうです.

さらに狭い階段を上ると

 

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展望台として公開されており,ハープサルの町を眺めることができます.
38mくらいの高さがあるそうです.小さなと書きましたがタワーは100段くらいあり,段差が大きく大変でした.このタワーは時計台としても機能しており,毎日昼に美しい音色が聞こえてくるそうです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Haapsalu Old Town Hall

 

城の東側にある
1775年に建てられた市庁舎は,現在ミュージアム(ラーネマー博物館)になっています.

 

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住所:Kooli 2, Haapsalu
営業時間:
(5月1日から8月31日)月曜から日曜10:00-18:00
(9月1日から4月30日)水曜から日曜11:00-17:00

 

受付のおねぇさん,《わん》と《ころ》が日本から来たとわかると「Anime♪♪♪」と嬉しそうに言っていました.何か日本のアニメが好きなようでしたが《わん》と《ころ》は詳しくないので,盛り上がることができませんでした.おねぇさん,ごめんなさい.

ミュージアム内では,リゾート地としてのハープサルの魅力や泥治療の発展が紹介されています.

 

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これはトイレではないですよ!
泥治療に使われるバスタブです.ハープサル一帯からは治療に使うことのできる薬効成分を含んだ良質の泥が取れます.

 

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《ころ》「あ‼ 仕立て屋さんだ.これはハープサルレースと関係あるのかなぁ???」
町の昔の写真と現在の写真を並べて展示しているなど,見ているだけでも楽しかったです. 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Šokolaadi Promenaad

 

町の東側は海岸で遊歩道が整備されています.海岸付近のプロムナードをお散歩します.

 

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右奥の方に写っているのはクールサール(Kuursaal)というHaapsalu Resort Hallです.
エストニアで唯一の木製リゾートホールで19世紀末に建てられ,現在までその姿を保っているそうです.

お散歩をした日は天気も良くて,水面に雲が映りこんでいました.

 

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《ころ》「あっ,見て‼ ホッキョクグマ」

 

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もちろん偽物です.あのホッキョクグマは錨のようになっているのだとか.

チャイコフスキーのベンチでちょっと休憩.

 

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ロシアの作曲家チャイコフスキー(Pjotr Tchaikovsky)は1867年をハープサルで過ごしました.
この場所から見える日の出やゆったりと泳ぐ白鳥の景色を気に入っていたのだとか.休暇でハープサルに訪れていたのですが,オペラ「Voevoda」などの作品を創っています.また,「Souvenir de Hapsal」というピアノ曲も作曲しました.ハープサルの自然環境だけではなく,エストニア民謡もチャイコフスキーの作曲活動に影響を与えたようです.
ベンチでは彼の音楽とハープサルを訪れていたチャイコフスキーの音声解説を聞くことができます.

 

Šokolaadi PromenaadのŠokolaadiはChocolateのこと.昔あったカフェにちなんでこの名前が付けられたそうです.
《ころ》「カフェで休憩しよう♪」

...ベンチでのんびりしたばかりですが,カフェに行ってみます.ガイドブックで紹介されていたのは「Wiigi」というカフェ.この店は海岸沿いではなくヴィーク沼(Väke Viik)沿いにあります.

 

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写真はお店の看板です.この看板を目印に沼の方へ行くとあります.
店を見つけたのですが...今日は結婚式か何かのため貸し切りとのこと.《ころ》はがっかりしています.

 

【ヴィーク沼】
水鳥が集うとも言われる沼.‟沼”というと綺麗なイメージはありませんが,ヴィーク沼は水が澄んでいて,とてもきれいでした.

 

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冬にはスケートリンクになるようです.

 

海岸沿いも,ヴィーク沼沿いものんびりとお散歩できます.
ハープサルはぼーっと過ごせる静かな町でした.8月の観光シーズンを過ぎていたせいか,観光客が少なめでした.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


  

【ハープサルへのアクセス】
車で行く場合は,タリンから9号線を利用してハープサルへ行きます.1時間半くらいで行くことができます.
車はお城の近くLossi platsに止めました.Läänemaa Muuseumの正面です.

 

(エストニアでの運転)
速度制限 市街地:50km/h,郊外:90km/h(夏期は110km/hとなる場所もあります)です.ヘッドライトは常に点灯させる必要があります.高速道路は無料です.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain エストニア

 

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バルト三国の最も北に位置する国で,ラトビア,ロシアとは陸続きで国境を接しています.バルト海を挟んで北側にはフィンランドがあり,ヘルシンキとタリンの間ではフェリーも運行されています.言語や文化はフィンランドなどの北欧とよく似ていると言われており,バルト三国でエストニアだけが異なる言語グループに属しています.
2011年にバルト三国で最初にユーロを導入しました.EUへは2004年に加盟しています.
IT立国化が推進されているエストニアでは国政選挙もネット上で行うことができ,ITを通じた効率化が進められています.マイナンバーのICカードも普及しており,行政や納税の時だけでなく銀行のオンラインログインなどにも利用されています.インターネット電話サービスのSkype(スカイプ)がエストニアで開発されたことも有名です.ITイノベーション産業の誘致・育成が積極的に行われており,日本との間ではIT・サイバー分野での協力が行われています.

 

国名 Republic of Estonia(エストニア共和国)

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人口 131万人
面積 約4.5万平方キロメートル
言語 エストニア語
通貨 ユーロ(2011年に導入)
時間 UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2016)「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版」二宮書店. 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

エストニア エストニアの古き町並みと田園,ISBN 978-9985-9969-04.

Visit Estonia:http://www.visitestonia.com/en/

Läänemaa Tourism-Haapsalu:http://www.visithaapsalu.com/en/discover-laane-county/districts/haapsalu

haapsaluhttp://www.haapsalu.ee/english