【訪問日:2016年8月】
観光の時間です.
今日はデンマークの「Odense(オーデンセ)」郊外でお散歩です.
(オーデンセのある)フュン島の南東に位置する島Taasinge(Tåsinge,トーシンエ)にあるヴァルデマー城をお散歩します.トーシンエはフュン島南部の町Svendborgと橋でつながっています.自転車や徒歩で渡ることもできる橋です.
橋を渡ってからヴァルデマー城までは4㎞くらいです.
小さな島トーシンエの海岸沿いにあるのが,のんびりとした素敵な邸宅,Valdemars Castle(ヴァルデマー城)です.1639年から1644年ごろに建てられたお城で,King Christian IVの息子Valdemarにちなんで名づけられました.1678年の大規模改修の際にバロック様式の外観となりました.
スウェーデン戦争(1658–60)で深刻な影響を受けたこの城を守ったのが海軍将官Niels Juelです.彼は報酬として王室が保有していたトーシンエ島の土地を与えられています.ヴァルデマー城の敷地に築かれた門や馬小屋,人工池はJuelの孫が造らせたものです.Juel一族が所有し続けているヴァルデマー城ですが,博物館として公開されています.
入場料は大人99 DKKでした.が,2017年は105 DKKとなっています.博物館などをお散歩するときはいつもチケット購入時に写真撮影可能かを確認します.今回も「撮っていいですよぉ♪」とのこと.
manor museum
ヴァルデマー城はManor House Museumとして公開されています.21ほどの部屋には,1678年から城のオーナーとなった海軍将官Niels Juelに関する品々が展示されています.
《ころ》「広そうだねぇ」
《わん》「そうだねぇ」
「展示品を近くで見ることができる」という特徴があり,ロープといった規制は最小限にされています.展示用ショーケースに入っていない家具などもあり,誰かが住んでいる部屋を見せてもらっている雰囲気です.
写真は「王の部屋(The King's Room)」です.歴代のデンマーク王の肖像画が飾られているので,王の部屋と呼ばれています.写真では判別できないと思いますが...大理石の暖炉の上に掛けられているのはヴァルデマー伯爵の肖像画です.
落ち着いた雰囲気の書庫もあります.
Juel一族による本のコレクションは膨大で,5000冊もの貴重な本があるそうです.16世紀の羊皮紙の本や18世紀頃に印刷された伝記や地形学,法律の本など様々な分野の本が集められているのだとか.
【The Hunting and Trophy Museum】
屋根裏はヴァルデマー城で一番印象的な部屋,狩猟動物剥製のミュージアムとなっていました.
有名な猟師Børge Hinschが世界中から集めた剥製コレクションや「Nordisk Safariklub」から寄付された剥製が展示されている部屋です.北欧で最大規模といわれるコレクションを見ることができます.
「チャペルの間(The Chapel Room)」にある大きなベッド.
ヘッドカーテンは1987年に新調されましたが,18世紀前半につくられたベッドです.大きなベッドですが組み立て式で,伯爵夫人が外国へ行く際は荷物のひとつとして大型馬車で運び出されたそうです.
「Juelの間(The Juel Room)」に置かれているのが,大きな宝箱のような箱.引き出し部分にも絵や彫刻が施されています.
これはNiels Juelが航海に出る際に使ったとされるシーチェストです.海軍将官の制服や武器をしまっていたそうです.このチェストは男性4人でも運べないほど重たいのだとか.
「大広間(The Great Hall)」は150年以上もの間,物置として使われ劣化が進んでいたそうですが,近年大規模な修復工事が行われ元の姿を取り戻しました.
ヴァルデマー城大広間はロココ様式の室内装飾が施されています.これはデンマーク国内でも最も優れた装飾のひとつと言われています.壁にはFrederik Vと王妃の肖像画が飾られています.
「男爵夫人の寝室(The Bedroom of the Baroness)」の壁面には絵が描かれています.
1775年頃に施された壁画装飾で,200年ほど前の城と周辺の町の様子が描かれています.
これ以外にも古い暖炉の残るキッチン,等身大の肖像画や豪華な家具,チャペルやシルバーの燭台が並ぶダイニングルーム,独特な雰囲気の「デンマーク領西インドの部屋」なども見学できます.
部屋の窓から見える景色も美しかったです.
正面(遠くの方...)に見えている建物はcastle’s tea pavilionです.
Around the castle
城の裏側には広々とした芝生と大きな木.
池(!?)もあり,鳥たちが集まっていました.
お城の正面にあるcastle’s tea pavilionの裏手はLunkebugten bayのビーチとなっています.
カフェの営業は終わっていましたが...誰もいない海岸をのんびりとお散歩できました(2017年,Teapavillonの営業は7月のみ).海も空も綺麗で波打ち際をのんびりとお散歩できました.
桟橋にはフュン島南部を周遊する外輪蒸気船Helgeもやってくるようです.
Svendborgの町から舟でヴァルデマー城に来ることができます.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【今回の観光地】
Valdemars Slot
Slotsalléen 100, 5700 Svendborg
営業時間:
6月から8月末までは毎日10:00-17:00(7月は19時まで).4月上旬から9月末まで営業していますが,曜日が限られます.
公式URL:http://valdemarsslot.dk/?lang=en
【ヴァルデマー城へのアクセス】
オーデンセがある島はユラン半島(ユトランド)とシェラン島の間に位置するフュン島です.そのフュン島南東部に位置するのがトーシンエという島.両島の間には橋が架かっており,自動車や自転車で行き来できます. 最大の見どころはヴァルデマー城.フュン島南部にあるイーエスコウ城とも近いです.オーデンセの町からヴァルデマー城へは車で1時間程度です.
フュン島と周辺の島にはアトラクションを紹介したマップです 「EVENTYRET FYN」.
デンマーク
ヨーロッパ大陸の北部に位置する国で,ドイツと陸続きのユラン(ユトランド)半島,フュン島,シェラン島,スウェーデン南部を挟んで西側に位置するボーンホルム島といった主要な島に加え,450程の島からなる国です.童話作家アンデルセンが生まれた町,オーデンセはフュン島にあります.また,アイスランドの東に位置するフェロー諸島やグリーンランドはデンマーク領です.
世界中で親しまれている玩具レゴ(LEGO)はデンマーク生まれのブロック玩具です.レゴグループは2030年までに石油を使わない素材への全面切り替えを表明しています.企業だけではなく,デンマークは環境対策先進国として様々な対策を行っています.例えば風力発電が大規模に導入されており,(2015年末時点で)516基もの洋上風力発電風車が設置されています.
2000年の国民投票でユーロ参加を否決しており,独自通貨デンマーク・クローネを(DKK)使っていますが,DKKをユーロにペッグさせ,対ユーロ変動幅を一定幅に維持しているため,ユーロとの為替レートが大きく変動する事はありません.
国名 | Kingdom of Denmark(デンマーク王国) | |
人口 | 570万人 | |
面積 | 約4.3万平方キロメートル | |
言語 | デンマーク語 | |
通貨 | デンマーク・クローネ(DKK) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
川野祐司(2016)「ヨーロッパ経済とユーロ」文眞堂.
TROJABORGS FORLAG「デンマーク-ある王国-」(ISBN 87-89868-60-9).
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Denmark.dk:http://denmark.dk/en/quick-facts/map-of-denmark/svendborg/
VisitDenmark:http://www.visitdenmark.com/denmark/tourist-frontpage
Odense Kommune:http://english.odense.dk/