ドイツ「ツヴィンガー宮殿(Dresden Zwinger)」の思ひで…

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2017年8月】


観光の時間です.
今日はドイツの「ドレスデン(Dresden)」でお散歩です.

 

f:id:osanpowanko:20180404204734j:plain

 

3つの博物館があるツヴィンガー宮殿.博物館の展示物も貴重なものですが,ドイツでも有名なバロック様式の建物自体もドレスデンの名所の一つとなっています.

 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ツヴィンガー宮殿

建築家ペッペルマン(Matthäus Daniel Pöppelmann)によるツヴィンガー宮殿は1732年頃に完成しました.建設当初は三翼館式でした.1760年ごろの戦争で被害を受け荒廃していた館を立て直したのはゼンパーです.彼によりテアタープラッツ側の館も追加されました.それは現在の絵画博物館の建物で1855年ごろに建設されています.

 

f:id:osanpowanko:20180404205018j:plain


中欧の庭園を囲むように建てられた宮殿には3つの博物館があります.すべてを真剣にじっくりと見学すると,とぉっても疲れます.3つの博物館(絵画,自然科学,陶器)全てに入れるチケットは10ユーロ.でしたが...2018年,12ユーロになっています. 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain アルテ・マイスター絵画館

Gemäldegalerie Alte Meister(Old Masters Picture Gallery)

0から2階における3フロアに15世紀から18世紀の絵画が展示されています.
チケットオフィスは地下1階! トイレやクロークも地下1階です(2019年にリニューアルオープンする部分もあるので変わるかもしれません!!).改装中ではありますが主要な作品は見ることができます.

 

f:id:osanpowanko:20180404205206j:plain


館内にある案内パネルでは“見入るべき有名な作品”を教えてくれていました.

天井が高く広々と明るい展示室には合わせて300近い作品が展示されています.

 

f:id:osanpowanko:20180404205121j:plain

 

絵を囲んでいる額縁も注目すべきものだそうですよ♪
イタリアの風景画家Bernardo Bellottoがドレスデンを描いた絵あります.アウグスト橋下流のエルベ川右岸から見たドレスデンを描いた「カナレット・ビュー」は,第二次世界大戦の空襲で破壊される前のドレスデンの美しさを見ることができます.
フィルメールやレンブラント,ブリューゲルといったとても有名な画家たちの作品もあります.また,ラファエロの「サン・シストの聖母(Sistine Madonna,システィーナのマドンナ)」という重要な作品もあります.古典名画の所有で有名なこの画廊を訪れるためにドレスデンに来る人もいるのだとか.修復を終えた作品など展示品にも変化がるので,ドレスデンに来るたびに見学したくなる博物館です. 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 数学物理学博物館

Mathematisch-Physikalischer Salon(Mathematical-Physical Salon)

自然科学の諸機器,歴史的な時計や地球儀,天球儀展示されています.

 

f:id:osanpowanko:20180404205357j:plain

6年もの修復工事の後,2013年4月に再オープンした施設です.

 

f:id:osanpowanko:20180404205355j:plain

 

シャンデリア風な照明や白い壁と展示スペースも綺麗です.そして,長いです...
時計や計算機,天体観測機器などの展示には映像や3Dモデルでの解説があり,古い技術が新しい技術で解説されています.ドイツ東部ザクセン州の町Glashütte(グラスヒュッテ)に工房を開いたことに始まるグラスヒュッテ・オリジナル(時計メーカー)に関する展示もあります.
クマさん時計も♪

 

f:id:osanpowanko:20180404205419j:plain

 

 アラーム機能付きで,設定時刻になるとドラムをたたいてくれるのだとか!
地球儀や天球技が集められた部屋には,不思議な絵が描いてあったり,三角形だったり,当時の人がどんな風に世界を考えていたのかをちょっと感じることができる品々がありました.そこには13世紀後半の天球儀(イラン製)もあります.現存数が少ないとても貴重な品なのだとか.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 陶器収集館

Porzellansammlung(Porcelain Collection).

マイセン陶磁器だけではなく日本や中国の陶磁器もあり,コレクション数は2万点にもおよぶそうです.これらは磁器に熱中したアウグスト大公が集めた品々なのだとか.

 

f:id:osanpowanko:20180404205521j:plain

 

陶器博物館も広いです...ショーケースに入れられていない展示品もあり,陶磁器の質感を感じることのできる展示です.
この博物館の陶磁器は数と質の良さが評判で,マイセンで作られた歴史的名品はオリジナルだそうです!! 選帝侯アウグストがどうしても手に入れたくて,ザクセン軍の軽騎兵600人をプロイセン王に委ね購入したという作品「ドラゴーナー・ヴァーゼン(軽騎兵の花瓶)」が有名なのだとか...「どこにあったかなぁ!? ちゃんと見たかな…」
ライオン,サル,オウムなどさまざまな動物をかたどった作品も.もちろん犬もありました!

f:id:osanpowanko:20180404205549j:plain

 

陶器の美しさにほれ込み収集した品は実用的なものではなかったそうです... 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 中庭~オランジェリー(orangery)~

天気の良い夏の日はたくさんの観光客がツヴィンガー宮殿の中庭で過ごしています.

f:id:osanpowanko:20180404205732j:plain

 

3つの博物館の展示品をじっくり見学するのも良いですが,外側も見どころいっぱい♪ 陶磁器コレクションが展示されている建物の外壁にある「マイセンのカリヨン」もお忘れなく.

 

f:id:osanpowanko:20180404205750j:plain

 

マイセン磁器が用いられた「鐘琴塔(グロッケンシュピール・パヴィリヨン)」です.時計の左右から下に向かってカリヨンがあります.時計の上にはマイセンのマークがありますね”
ツヴィンガー宮殿のシンボル的存在の王冠の門「クローネントーア(Kronentor)」.

f:id:osanpowanko:20180404205807j:plain

 

階段状の噴水「妖精ニンフの浴場(ニンフェン・バード)」など見どころたくさんです.美しい中庭でのんびり過ごすのも良いですね♪ 

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

  


【今回の観光地】

Dresden Zwinger(ツヴィンガー宮殿)

Theaterplatz 1,01067 Dresden

営業時間:

10:00-18:00.月曜日休館.

公式URL:http://www.der-dresdner-zwinger.de/en/home/

 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ドイツ

 

f:id:osanpowanko:20180402161301p:plain

 

ヨーロッパ中央部に位置するドイツは16の州から成り,ライン川やエルベ川といった国際河川が流れている.
自動車や化学産業の分野で高い技術を持ち,EU最大の経済規模を誇る. 2011年に公表した「ハイテク戦略2020行動計画」では,インターネットを利用し工場や企業さらには異なる産業間をも相互接続することによりドイツ全体を一つの工場として機能させ生産性を向上させることが示されている.
1989年のベルリンの壁崩壊から約1年後,東西ドイツは統一された.その際,西ドイツマルクと東ドイツマルクを1:1の交換レートとしたため,今でも経済格差が残っており,旧東ドイツは旧西ドイツよりも失業率が高い傾向にある.
EU原加盟国のひとつで,EUにおいてフランスとともに中心的な役割を果たしている.欧州中央銀行(ECB)はドイツのフランクフルトにある.

 

国名 Federal Republic of Germany(ドイツ連邦共和国)

f:id:osanpowanko:20180402161706g:plain

人口 8,245万人
面積 約35.7万平方キロメートル
言語 ドイツ語
通貨 ユーロ(EUR)
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

 

【参考ホームページ・参照文献】

川野祐司(2018)「ヨーロッパ経済とユーロ 補訂版」文眞堂.
「ドレスデン ザクセンのレジデンス都市」B&V Verlag,(ISBN 978-938200-04-7).

 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

ドレスデン観光:http://www.dresden.de/en/tourism/tourism.php