【訪問日:2018年8月】
観光,買い物の時間です.
今日はノルウェーの「キルケネス(Kirkenes)」でお散歩です.
ノルウェーの北の地域,右の端っこの方にある町です.フィンマルク県(Finnmark)セル=ヴァランゲル(Sør-Varanger)にある国境の町,キルケネス.チルケネエスやヒルケネスと表示されることもあります.
キルケネスという町
南東方向へ7㎞行くとロシア,西へ37㎞行くとフィンランドというところにあります.
人口の約10%はロシア人.そのため町の看板もロシア語が併記されています.最初の写真はキルケネスのマップですが,ノルウェー語とロシア語での説明でした.
キルケネスにはツーリストインフォメーションがありません.ホテルやミュージアム,フッティルーテンのターミナルにあるお土産屋さんでマップや観光情報が載った冊子を入手することができます.
【フッティルーテンのターミナル】
ノルウェーの西海岸を行き来する観光船,フッティルーテン.キルケネスのターミナル港はシティセンターから約2㎞東に位置しています.
住所:Storgata 2, 9900 Kirkenes
こちらがフッティルーテンターミナルにあるショップ.
《ころ》「ロシアっぽいお土産(マトリョーシカ)とかも売ってるよ!」
ノルウェーセーターなどに加えて,ロシアっぽいお土産も並んでいました.ターミナル前にはゲートがあり,平日は8:00-16:00,土日は10:00-13:00に開いているとの看板がありました.ショップの営業時間は分かりません・・・
フッティルーテンの出発時刻に合わせて主要ホテルからバスが出ています♪ 時間はホテルのレセプションなどに表示されていると思います.
1人52クローネでした.バスが来たら運転手さんにお金を支払います.船に乗ってベルゲン方面へ船旅をする人も多く,大きな荷物も積んでくれます.
【coat of arms】
国境の地博物館(Varanger Museum,Gnr 26 Bnr 77, 9900 Kirkenes)の近くにある池(Førstevatn)のほとりの写真です.
旗にデザインされているのは紋章.
自治体Sør-Varangerの紋章は様々な3つを表しているそうです.
産業:農業・鉱業・漁業
河川:ネイデネルバ(Neidenelva)・パーシビケルバ(Pasvikelva)・ヤコブセルヴァ(Jakobselva)
国:ノルウェー・ロシア・フィンランド
町章に込められた3つの産業以外にも,観光業はキルケネス経済の支えになっています.
町を歩いているとこんな看板を目にします.スノーモービルや犬ぞり,スノーホテルなど,寒い冬でもアトラクションがたくさん.オーロラ観測地としても人気です.
4輪バイクでのタイガ(針葉樹林)サファリやボートでのロシア国境の川下りなど夏に楽しめるアクティビティもあります.
《わん》「キルケネスでの観光は予約して楽しむアクティビティが多いね!!」
詳細はKirkenes Activities:http://www.pasvikturist.no/english/kirkenes-2/
シティセンター
キルケネスの町の中心,Krigsmødremonumentet(War Mothers Monument)がある広場です.
サーミの文化や第二次世界大戦時のことを紹介する写真やパネル,モニュメントがあります.
Dr. Wessels gateは歩行者専用になっています.
観光客向けのショッピングストリートって感じではありません.毛糸や洋服を販売する店が目についたくらいです.他にはカフェと小さなスーパーNarvesenもありました.
町の中心にあるショッピングモール,AMFI Kirkenes(住所:Storgata 2, 9900 Kirkenes)は服屋が中心.お土産を売る店や大きなスーパーマーケットはありません.
右側の建物がAMFI.
そのAMFIの前にはバス停があります.
空港と町を結ぶフライバス以外に,町中を走るバス(City bus)もあります.でも,路線図や時刻表などが手に入らず,例えば国境の地博物館へ行くには何に乗ればいいのか分かりませんでした(※Handelsparkenが国境の地博物館近くのバス停です!).バスの運賃はスマートフォンのアプリで支払っている人が多いようで,現金で支払う場合は倍くらいの値段になってしまいそうです(40→85クローネ).
【Kirkenes kirke】
町の名前,キルケネスは“教会の岬(church headland)”を意味する言葉です.1862年にキルケネス教会が建てられたときに,この地域の名前がPiselvnesからKirkenesになったそうです.
町の名前の由来となった教会は,第二次世界大戦の空襲で焼失しました.残された尖塔は新しい教会に活かされたそうです.写真は町をお散歩しているときに見かけた教会.これが名前の由来の教会かどうかは分かりません...
シティセンター以外の場所
《わん》「あまりすることもないし...歩いて町の観光をしよう♪」
人が少なくて,静かで美しい景色の町です.雲が海に映っています♪
【お買い物スポット】
シティセンターから南の方角へ位置する国境の地博物館(Varanger Museum)近くのショッピングセンター,Kirkenes Trade Park(住所:Verksveien 1, 9900 Kirkenes).
歩いてくることもできます.シティセンターから約1㎞です.ちょっと大きめなショッピングセンターですが,そんなに珍しいものは売ってません.雑貨屋さん,安い洋服屋さんがありました.安っぽい民族衣装も売っています.
大きなスーパーはフッティルーテンターミナル付近にもあります.
スーパーマーケット,REMA 1000(住所:Havneveien 1, 9900 Kirkenes)やKIWI(住所:Hans Væggers vei 20, 9900 Kirkenes)があります.町中心部の小さなスーパーよりも水などを安く購入できます.
のんびりとした静かでいい町.人がいない...
ちょっと中心地を離れると,観光客や住民をあんまり見かけない町です.
雨が降ると,さらに寂しい感じがします.
小雨が降った日の気温は15℃くらい.8月下旬のお散歩でしたが,風を通さない上着を着るくらいで大丈夫です.
寂れた町に見えますが,この町はHurtigruten(フッティルーテン)が寄港する大きな港がある町です.
《わん》「フッティルーテンの船が来てるよ!見える?」
《ころ》「え⁉ どこかなぁ? あっ見つけた♪」
フッティルーテンの北部転換港となったのは1908年のこと.以降,人や物資の往来が増加しました.
UCLAの地理学教授,ローレンス・C・スミスは「2050年の世界地図」(2012)のなかで今後注目すべき10の港を紹介しています.その中の1つにキルケネスがあり,北極海航路の海運事業増大にともなう北極海洋経済の発達を指摘しています.ロシアやカナダ,グリーンランドとともに北極の交通量増加で恩恵を受ける可能性がある都市なのです.
キルケネスの人口は約3500人.
(データはCITY POPULATION:https://www.citypopulation.de/)
のんびりとした静かな町で,人がいない...と書きましたが,この10年間で約9%増加しています!
ちなみに,自転車レースのアークティック・オブ・ノルウェーでは,2018年にステージのゴール地点になりました.
キルケネスは将来的には中国への北回りルート(Northern Sea Route)の拠点になると期待されています.このルートはスエズ運河を通るよりも40%も航路が短縮できると言われています.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
ノルウェー
スカンジナビア半島の西に位置し,スウェーデン,フィンランド,ロシアと国境を接している.西側は長い海岸線となっており多数のフィヨルドがみられる.本土の北に位置するスヴァールバル諸島(Svalbard)もノルウェー領.南北に細長い国土は,北半分くらいが北極圏で,夏と冬で昼夜の長さが大きく異なる.フィヨルドと独特の地形を見せる山々,手つかずの自然,オーロラなど大自然の魅力に惹きつけられた人々が訪れる国.
EU加盟国ではないがEEA(欧州経済領域)に参加しているため,EUの単一市場にアクセスできEU加盟国と自由な交易を行うことができる.シェンゲン協定国でもあるため,エリア内の自由な往来も可能.主産業は石油,天然ガスでイギリスやドイツへ輸出している.天然資源からの収入は政府系ファンド「ノルウェー政府年金基金グローバル」に積み立てられており,外国企業に投資されている.GDPに占める割合は小さいが水産業も盛んで,養殖サーモンは日本にもたくさん輸出されている.
国名 | Kingdom of Norway(ノルウェー王国) | |
人口 | 525.8万人 | |
面積 | 約38.6平方キロメートル | |
言語 | ノルウェー語 | |
通貨 | ノルウェ-・クローネ(NOK) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
川野祐司(2018)「ヨーロッパ経済とユーロ 補訂版」文眞堂.
二宮書店編集部(2018)「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版」二宮書店.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Visit Norway:https://www.visitnorway.com/
Visit Kirkenes:http://www.visitkirkenes.no/
Kirkenes:https://www.visitkirkenes.info/
Cruise Norway:https://www.cruise-norway.no/