マルタ「サボテンの実」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2014年8月】

 

おやつの時間です.
今日はマルタの「ゴゾ島(GOZO)」でお散歩です.

 

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おやつというか,今回紹介するのはフルーツです.

最初の写真に写っているもの...何のフルーツか分かりますか!?? 果物として食べるのは,その植物の新しい実の部分です.この果物が成っている姿を見れば分かると思います.

 

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そう,これはサボテンの実です.

 

【ウチワサボテン(Prickly pears)】
このサボテンの実ですが南イタリアやアフリカなど暖かい地域では,よく食べられているようです.

おさんぽわんこの旅の思ひで -道の駅編-でよく利用するウェブサイト「旬の食材百科」によると,このサボテンの実はうウチワサボテンにできる果実なのだとか.いくつかの品種があり,果実の色はオレンジだけではなくグリーン,黄,赤があるようです.


サボテン...マルタをお散歩している時,本当にたくさん見かけました.なんでこんなに植えられているのだろう...やっぱり暑いからサボテンがぐんぐん育っちゃうのかなぁ...などと考えていましたが,食べることができるのですね♪
食べることが大好きな《ころ》はサボテンを見る目が変わりました.

MALTASTEによるとサボテンはマルタ全島で見かける植物で,石垣の棚段に植えて仕切り壁としても使われているそうです.

 

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これはお隣との仕切りになっているのかなぁ”

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain サボテンの実との出会い

 

最初にサボテンの実に出会ったのは,カリプソ(カリュプソ)の洞窟です.

 

【カリプソの洞窟】
カリプソの洞窟(Calypso Cave)は妖精カリプソが住んでいたと言われる伝説の洞窟です.古代ギリシャの叙事詩,ホメロスの『オデュッセイア』で歌われた,美しい妖精カリプソがオデュッセウスを7年間この洞窟に閉じ込めたとされています.カリプソはこの地に留まることを条件にオデュッセウスに不死の命を約束していたのですが,ゼウスの介入でオデュッセウスは島から出ることができたのだとか...
こちらがその洞窟.

 

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カリプソの洞窟は閉鎖中のようで上から眺めることしかできませんでした.でも,カリプソの洞窟はラムラ湾の西の高台に位置するため,美しい眺めを楽しむことができます♪

 

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ラムラ湾(Ramla Bay)はとっても有名なビーチ.近づくと大変です.人,人,人...ビーチが見えないところから車を止めようとたくさんの人が集まってきていました...この道路に入ってしまったら,引き返すのも大変です.泳ぐ予定のない人は,カリプソの洞窟からラムラ湾を眺めるのが良いでしょう.

 

カリプソの洞窟の駐車スペース(観光バスも停車するところ)には,石造りの小さなお土産屋さんと軽食スタンドがありました.軽食スタンドの前には,こんなものが.

 

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「なんだこれ!??」《わん》と《ころ》は覗き込みました.
すると,おばちゃんが「try it!」と差し出してくれたのです.それがこのブログ記事の一番最初の写真です.皮をむかれたサボテンの実はよく冷えていました.

食べてみると...ほんのり甘くて,喉がうるおいます.ウチワサボテンの実にはリンゴのような芯はなく果肉全体にまんべんなく種が含まれています.パッションフルーツのような硬い種です.硬いので,噛むのは大変です.なので,飲み込みます.おばちゃんはジェスチャー付きで「swallow」と繰り返していました.種は飲み込め!!ということです.

今回は試食させてもらいましたが,サボテンの実は売り物のようです.fresh fruitsは50セントでした.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain お姉さんとサボテンの実

 

《ころ》は,あのさっぱりとしていて少し甘い味のサボテンの実をもう一度食べたいなぁぁと,いつも考えながらマルタをお散歩していました.そんなある日,ゴゾ島にある「クラフトヴィレッジ(Ta' Dbiegi Craft Village)」へ行った時,サボテンの実に出会うことができました.

クラフトヴィレッジは銀細工やレース,ガラスなどマルタの伝統工芸品や手作りジャムなどを販売しているところです.ジャムを販売するお店に入ると,おねぇさんが「試してみる!?」とサボテンの実をむき始めました.

 

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おねぇさん,ありがとう.《ころ》にはもうサボテンしか見えていません.
《ころ》がサボテンの実むしゃむしゃ食べているあいだに,《わん》は「これはマルタ語で何と言う名前ですか?」と質問しました.優しいおねぇさんは,メモ帳に書いてくれました.が,なかなか癖のある文字だったので...あっているか分かりません.「Bgjra」かなぁ!?

MALTASTEのホームページでは「bajar tax-xewk」直訳すると「トゲいちじく」と紹介されていました.

 

サボテンの実は生で食べるだけでなく,ジャムやリキュールに加工されます. 

 

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クラフトヴィレッジにはジャムを扱うお店が何件か有り,それぞれ手作りのジャムを販売していました.量や価格は様々です.瓶に入ったジャムは重たいので,小さいものを買って帰ることにしました.
ジャムを食べてみると...しっかり種も入っています.でも,フルーツとして食べた時となんかちょっと違う感じ.バナナみたいな味がする.安いジャムだったからかな...《ころ》はちょっぴりガッカリです.

 

ジャムはクラフトヴィレッジ内だけではなく,いろんな店で扱っており,それぞれ作っている人が違うので,美味しいサボテンジャムもあると思います.探す楽しみがありますね♪

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain おじさんとサボテンの実

 

マルタ本島でのお散歩の時のこと.
《わん》と《ころ》はマルタ本島でカート・ラッツ(Cart Ruts)という石灰岩に残る轍を探し回っていました.そんな時,道路沿いの駐車スペースで飲み物やお菓子,ジャムなどを荷台で販売するおじさんに出会ったのです.
カート・ラッツも見つからないことだし,おじさんの売店を覗くことにしました.

 

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あ!!またサボテンの実がある.今回は試食ではなく,購入です.1つ50セントでした.
おじさんはグリーンのサボテンの実をくれました. 

 

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「今回はミドリだねぇ」
サボテンの実の黒いテンテンの部分には細かいトゲがあります.気を付けないと手に刺さり,目に見えないトゲに悩まされることになります.
ナイフがなかったので,スプーンで皮を取り食べることにしました.

 

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「美味しくない〜」.オレンジ色の実のような甘さがなく,美味しくなかったです.

 

ウチワサボテンの実.
みなさんに味や食感を伝えるために,何に例えようかなぁ...と考えていました.一生懸命考えた結果,思いつきました♪
「ドラゴンフルーツ」に似ている!!! と思ったら,それもそのはず.ドラゴンフルーツもサボテン科です.ドラゴンフルーツも果肉が赤いものと白いものがあります.《ころ》は赤いほうが好きです.
ウチワサボテンの実も同じで,色の濃いオレンジ色の方が好きだなぁ.と思いました.


そういえば,ガラパゴス諸島に生息するリクイグアナはこのサボテンの実で水分補給をするそうです.リクイグアナにとって大切な食料のひとつで,風で実が落ちるのをじっと待つのだとか...《ころ》のように好き嫌いは言っていられません. 

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

【アクセス】

ゴゾ島のクラフトヴィレッジへは,ゴゾ島の中心都市ビクトリア(Victoria/Rabat)から車で10分くらいです.ビクトリアから北西方向にあるGharbを目指して下さい.青の窓(Azure window)に行く途中にあります.バスだと311番または312番でSan Lawrenz行に乗り,Dbiegiで下車.


カリプソの洞窟は,ビクトリアの北東側にあります.車では15分くらいです.バスだと302番または322番のバスでラムラビーチまで行き,丘を登ります.タクシーや観光バスがおススメです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain マルタ

 

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小さな島国マルタは,マルタ・ゴゾ・コミノの主要三島にコミノット島とフィルフィラ島を加えた5つの島で構成されている.イタリアとアフリカ大陸の間にあるマルタはシチリア島より南へ93kmの地点にある.
地中海性気候に属し夏は日差しが強く乾燥するが,多くの観光客が訪れるリゾート地である.外貨収入の多くを観光業から得ている.
2004年5月にEU加盟を,また2008年1月ユーロ導入を実現した.イギリスの植民地であったため,英語が公用語となっており,イギリスポンドが使える店も多い.

 

国名 Republic of Malta(マルタ共和国)

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人口 42.5万人(山梨県の半分くらい)
面積 316平方キロメートル(東京23区の半分くらい)
言語 マルタ語及び英語
通貨 ユーロ(2008年に導入)
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2014)「データブック オブ・ザ・ワールド 2014年版」二宮書店.
 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Eurostat:http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/eurostat/home/