【訪問日:2015年9月】
観光の時間です.
今日はラトビアとエストニアにまたがる町「ヴァルカ(Valka)/ヴァルガ(Valga)」でお散歩です.
町の中に国境があるという珍しい町.ヴァルカ(Valka)はラトビアでの呼び方,ヴァルガ(Valga)はエストニアでの呼び方です.
visit valkaによると国境によって分けられている町は世界に6つしかないそうです.
One Town-Two Countries
1917年,ロシア帝国からの独立に伴いヴァルカ/ヴァルガをめぐる国境問題が持ち上がりました.イギリス特使らの仲裁によってラトビアとエストニアの間でヴァルカ/ヴァルガを分けることが決定したのは1920年7月1日のことです.
1940年,ソビエト連邦に併合されたバルト三国には事実上,国境は存在しませんでした.
1990年,再び町の中に国境が引かれることとなりました.今度は旧ソ連からの独立に伴う措置です.
そして17年後の2007年,ラトビアとエストニアはシェンゲン協定に加盟しました.当時の両国大統領によってRiga and Raja Streetの国境が正式に開きました.同じ町の中に存在するValka/Valga間の国境管理がなくなったのです.
ラトビアのValkaとエストニアのValgaは姉妹都市の関係にもあります.
2ヵ国にまたがる町は『One Town, Two Countries』をスローガンに,互いに協力したイベントやコンテストを実施しています.例えばValka/Valga間におけるポップミュージックやダンスの促進,強化を目的としたコンテストが開催されたりしています.両市の関係は経済,教育,スポーツ,ツーリズムなど様々な分野に及んでいます.
Valka/ValgaにはPedeli river沿いに遊歩道も整備されています.ジョギングやサイクリングを楽しんだり,家族ずれでのんびりと過ごしたりできます.
あずまやも設置されており,2つの国の1つの町を眺めることができるそうです.
Valga-Valka map and sightseeingも参考にしてください.
ヴァルカ(ラトビア)
ラトビアの町,ヴァルカのツーリストインフォメーション(Valka district, Rīgas iela 22, Valka, LV-4701)です.
町の地図をもらいました.スタッフのお兄さんが,博物館の場所などを丁寧に説明してくれましたよ.ポストカードなども販売していました.
【Lugaži Evangelical Lutheran Church】
住所:Rīgas street 9, Valka
営業時間:夏の火曜から金曜,12:00-14:00
ヴァルカの町の中心に位置している教会.赤い屋根が目印のルガジ教会です.
1477年の記録が残る古い教会.戦争のたびに建て替えられたので,いくつもの様式が組み合わさった外観となっているのだとか.現在でも町の人の祈りの場となっているそうです.
ガイドブックには『夏は塔の上から町を眺めることができる.』とあったのに...『夏季のみ平日の14時から17時』とあったのに...
入口は閉っています.教会は開いていなかった.残念です.
【VALKAS NOVADPĒTNIECĪBAS MUZEJS(Valka local history museum)】
住所:Rīgas street 64, Valka
営業時間:
(5月15日から10月1日)火曜から金曜11:00-18:00,土日10:00-16:00
(10月2日から5月14日)月曜から金曜10:00-17:00,土10:00-16:00
URL:http://muzejs.valka.lv/
この建物はVidzeme教会区の神学校として1850年代に建てられたものです.
1970年にミュージアムとなり,神学校やそこの先生に関する展示,町の歴史が紹介されていました入場料は大人1.5ユーロでした.
Jānis Cimzeは1853年から約30年間Vidzeme教会区の神学校の先生だった人です.
彼の蝋人形も部屋で待っています.
ラトビアの聖歌隊の設立者でもあったので,オルガンやピアノといった楽器も展示されていました.
タッチパネルの展示もあり,楽譜の映像と音楽が流れてきます.聖歌隊の歌‟Dziesmu rota(Song Adornment)”の初版版もあるそうです.
1914年から1920年ごろに焦点を当てた町の歴史紹介コーナーもありました.《ころ》「これが国境かなぁ⁉」
ミュージアムには,昔使われていた農機具の展示コーナーもありスタッフの方が案内してくれました.ミルクを撹拌させる機械や臼のようなもの木製の農機具がたくさん保存されていました.さらに,それらを実際に使わせてくれました.
石臼や糸をつむぐ機械です.スタッフのおばちゃんは,上手に糸を紡いでいたのですが...《ころ》がやってみると,空回りしてしまって全く作業が進みません...《ころ》「難しいよぉ~」
ラトビアがユーロを導入したのは2014年.エストニアはそれよりも前の2011年にユーロを導入していました.
《わん》「この町では何を使っていたのだろう!??」
スタッフのおばちゃんに質問してみました.「2-3年前はラトビアの旧通貨ラットでも,ユーロでもどちらでも支払いOKだったのだとか.」
実際に町の人の話が聞けて良かったです.
町の中にある国境
《ころ》「あ.あそこが国境かな⁉」
《わん》「あれを超えるとエストニアだよ!」
1920年に決められた国境はカエルの小川(frog creek)が境になっています.ラトビア語ではVaržupīte,エストニア語ではKonnaojaといいます.
この国境は,1224年の騎士団時代の国境なのだそうです.
ラトビアとエストニア
ヴァルカとヴァルガです.
ヴァルガ(エストニア)
エストニアの町,ヴァルガのツーリストインフォメーション(Kesk tänav 11, Valga)です.
ここでも町の地図をもらえます.ヴァルガだけではなく,エストニアの他の地域の情報も手に入ります.
インフォメーション(Valga Visitors' Centre)があるのはタウンホールの1階(ground floor).タウンホールは1865年に建設されました.明かり窓や小塔が特徴的な建物です.
【Valga Jaani kirik(聖ヨハネ教会)】
住所:Kesk, Valga
1816年に建てられたバロック様式の教会なのだそうです.
建築家 Christoph Haberlによるもので,円形のデザインは珍しく,エストニアではここでしか見られない建築様式の教会なのだとか.《ころ》の撮った写真では全く伝わりませんが...
教会内にはオルガンも残されているとのことだったのですが,入れません.工事中のようです.
【ヴァルガミュージアム】
住所:Vabaduse 8, Valga, Estonia
営業時間:火曜から金曜は11:00-18:00,土曜は10:00-15:00
URL:http://www.valgamuuseum.ee/en
20世紀初頭のアールヌーボー建築内にあります.
1955年につくられたヴァルガミュージアムの展示室は2階部分にあります.入場料は大人2ユーロでした(2016年夏には3ユーロとなったようです).
町の輸送システムの発展に関する展示やシベリアへの国外追放やソ連時代の生活といった戦争関連の資料,昔使われていたコインやお札,考古学的資料,など広範囲な展示です.
自然や石器時代などのことも紹介されていました.
受け付けは小さなショップも兼ねていて,毛糸の手袋が並んでいました.数は少ないですが,柄や指先が出るタイプなどいくつかから選ぶことができます.何よりも,他で見たより手袋が安い‼
本当はラトビアで購入しようと思っていたのですが,リーガのお店などでは高かったので買わずにいました.
《ころ》「いいもの見つけたね~」
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
ラトビア(Valka)/エストニア(Valga)
Visit Valka:http://visit.valka.lv/en
Valga Linnavalitsus:http://www.valgalv.ee/en
Visit Estonia:https://www.visitestonia.com/en