【訪問日:2015年8月】
ごはんの時間です.
今日はリトアニアの「Vilnius(ヴィリニュス)」でお散歩です.
この大きなピザ.直径は50cmもあります.このピザを食べたのは,バルト三国を中心に展開するレストランチェーン「Čili Pica」です.
Čili Holdings
Čili Holdings(チリホールディングス)はリトアニアで最も大きなレストランチェーンです.調べてみると,チリホールディングスは“UAB”との記載がありました.リトアニア語で「Uzdaroji Akcine Bendrove」=「閉じた株式会社」を意味する略語のようです.非上場の企業であるチリホールディングスはČili Pica,Čili Kaimas, Čili Kinija/Tokyo,そしてČili Kavaなど80のレストランやカフェを経営している企業です.
チリの最初のお店がオープンしたのは1994年.そのお店ではシシ・ケバブを提供していたようです.
Čili Pica(Chilli Pizza)レストランの第1号店がオープンしたのは1997年のこと.リトアニアの首都ヴィリニュスのネリス川沿いに最初の店舗がオープンしました.その店はヴィリニュス市民だけではなく多くの観光客に愛されるお店となったそうです.
リトアニアでČiliといえばピザを意味するようになるほどの人気なのだとか.
具材や生地のタイプが充実しているのも人気の秘訣のようです.もちろんピザだけではなくデザートなども提供しています.
そんなピザレストランČili Picaは,Vilnius,Kaunas(カウナス),Klaipėda(クライペダ),Palanga(パランガ)などにありますが,大都市だけではなくŠiauliai(シャウレイ)やNida(ニダ),Utena(ウテナ)などにも展開しています.さらにリトアニア国内だけではなくラトビアやロシアなどにも展開しています.Čili Picaがラトビアにオープンしたのは2001年です.
積極的に海外展開するチリは,宇宙にまで進出したようです.2012年には気球のような装置を使い宇宙空間にピザを到達させるといったユーモラスな挑戦をしています.
(http://www.huffingtonpost.com/2012/09/18/pizza-space_n_1893125.html)
チリホールディングスは2002年にリトアニア伝統料理を提供するレストランを出店しました.Čili kaimas(Chilli Village)です.
Čili kaimasでは伝統的なツェペリナイ(ひき肉を包んだジャガイモ団子)だけではなく,カッテージチーズ(リトアニアのメニューではCurdと書かれています)とベ ーコンを付け合わせにしたダンプリングや油で揚げたダンプリングを味わうことができます.
ポテトパンケーキや鶏や豚のグリル料理,ビーツ(赤かぶ)を使ったスープなどもあります.
Čili kaimasは日本でいうと“ショッピングモールのレストラン街”のような所にも出店しています.たとえば『MEGA』のKaunas店や『AKROPOLIS』のKaunas店,Klaipeda店です.
チリホールディングスはの経営するレストランはČili PicaやČili kaimasだけではありません.中華や日本食を提供するČili Kinija,Tokyoもあります.KinijaはChinaという意味です.
情報はhttp://rekvizitai.vz.lt/en/より.
ヴィリニュスのČili
リトアニアの街を歩いていると,いたるところでこの黄色い看板を見かけると思います.
Čili Picaはヴィリニュス市内だけでも20店舗近くあるのです.
リトアニアの伝統料理を食べたいと思っていた.《わん》と《ころ》は“Čili”の看板を見つけたので,すぐにお店へ入りました.メニューを見ると,ピザやパスタ,ハンバーガーなど.特に珍しいとは感じないものばかりです.
「あれ!?伝統的なじゃがいも料理は???」
店内を見渡すと,若い人たちばかり...しかも観光客ではなく地元の人って感じです.入ってお店はČili Pica.ピザを中心に提供するお店です.
「お腹すいているし,まぁいいか...」と今日はこのお店で食べることにしました.
でも,珍しいものをみつけました.
3つのサイズから選べるピザがありました.せっかくなので一番大きい50cmピザに挑戦です.Čiliのメニューは日本のレストランのように写真入りなので,どんな料理かイメージもできるし選びやすいです.もちろん英語表記もあります.
もうひとつ,メニューの写真で注目して欲しいのは価格表示です.
「16,20Eur」「55,94Lt」とユーロと旧通貨リタスの両方で表示されています.リトアニアがユーロを導入したのは2015年1月1日.ユーロ導入後の6カ月間(2015年6月まで)はユーロとリタスの二重表示が義務付けられたそうですが,その表示義務期間が終了した後も多くの場所では二重表示されていました.Čiliのようなレストランでは,新しいメニュー表にするまでそのままなのだと思いますが,手書きで値札を付けている個人経営の店やマーケットの野菜も両方の通貨で表示されていましたよ.ちなみにお散歩をしたのは2015年8月下旬です.
大きなピザを頼みましたが,なんかちょっと悔しかったので“リトアニアっぽいじゃがいも料理”も頼んでしまいました.
POTATO PANCAKESです.ベーコンとサワークリームなどがトッピングされたものなので3.76ユーロでした.じゃがいもなので当たり前かもしれませんが,ハッシュドポテトみたいな感じです.トッピングされたカード(curd)はバジルなどのスパイスが効いていました.
さて,50cmのピザです.大きなピザを同じ味で食べ続けるのは辛いと思い,4種類の具が乗っているクアトロピザにしました.
向こう側にいる《ころ》がとても遠くに感じます.お~い,こっちが見える~? ピザが薄めなのが救いです.
「Quattro Stagioni」のピザは4種類のピザで構成されているのですが,ムール貝やエビといったちょっとコストのかかりそうな具は2ピースずつで,ハムやチーズなど安そうな具が大半を占めていました.
お腹がすいていた《ころ》はすごい勢いで食べました.ピザ生地がパリッとしていたのは良かったですが,少しぬるかったのが残念です.あとケチャップがしょっぱかったです.
「あぁ...もうダメ.苦しい.」50cmなんて食べきれないと思っていましたが,結局ほとんど食べてしまいました.でもしばらくは動けません...かなりお腹が膨らんでいるような.
Čili Picaは価格が安いので若いお客さんが多いようです.地元の人がスポーツ観戦をしながら楽しめるレストランでもあります.3人で来ていたおねぇさんたちも50cmピザを注文していました.
今日はリトアニアの“伝統”料理ではないけれど,リトアニアの料理を食べたんだなぁと思いました.
大きなピザの代金
お腹はいっぱいになりましたが,安心している場合ではありませんでした.
クレジットカードの請求が2回分来ていました.大きなピザでしたが,1つしか頼んでいません!!
そういえば,カードを機械に通したとき「うまくいかないからもう一回」みたいな感じで,お兄さんが決済をやり直していました.
クレジットカードを使うと時々あることです.2009年の頃には「今日は●曜日だから通信がうまくできない」みたいなことを言われたことがあります.その理由が本当かどうかわかりませんが,クレジットカードを使えないことがありました.
2015年現在ではクレジットカードの利用は当たり前になっています.バルト諸国や北欧ではクレジットカードやデビットカードがよく使われており,現金の出番は少なくなりつつあります.
旅行に行く際はICチップ付きのクレジットカードがオススメです.PINコードを入れるタイプのカードしか扱っていない店舗がほとんどです.日本で主流のサイン式は使えない店舗がたくさんあります.また,クレジットカードを使った後は,請求額をしっかり確認しましょう”
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【今回の観光地】
Čili Pica
Gedimino pr. 5a, Vilnius, Lithuania
公式URL
【Vilniusへのアクセス】
(リトアニアでの運転)
速度制限は,街中:50km/h,郊外:90km/h,主要高速道路:110km/hです.ヘッドライトは常に点灯させる必要があります.高速道路は無料です.高速道路にはバス停が設けられていたり,Uターンレーンがあったり,側道を人が歩いていたりするので運転には注意しましょう.
リトアニア
バルト三国の1つでラトビア,ベラルーシ,ポーランド,ロシア(カリーニングラード)と国境を接しています.バルト海をはさんだ西側にはスウェーデンがあります. 1940年に旧ソ連邦に編入され,1990年ソ連からの独立宣言を議会で採択しました.2004年にはエストニア,ラトビアとともにEU加盟しています.リトアニアが2015年1月にユーロを導入したことで,バルト三国すべてでユーロが流通することとなりました. 公用語のリトアニア語はバルト系言語で,ラトビア語と同じグループに属します.宗教は主にカトリックで,文化面はポーランドの影響が大きいと言われています.
国名 | Republic of Lithuania(リトアニア共和国) | |
人口 | 291.6万人 | |
面積 | 約6.5万平方キロメートル | |
言語 | リトアニア語 | |
通貨 | ユーロ(2015年に導入) | |
時間 | UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間) |
二宮書店編集部(2015)『データブック オブ・ザ・ワールド 2015年版』二宮書店.
R.パクニース出版社(2006)『ヴィリニュスとトラカイ』ガイドブック(9986-830-76-1).
川野祐司(2015)「ユーロ導入後のリトアニア経済」,国際貿易投資研究所,フラッシュ248.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Vilnius Tourist Information:http://www.vilnius-tourism.lt/en/