【訪問日:2015年9月】
観光の時間です.
今日はエストニアの「タルトゥ(Tartu)」でお散歩です.
エストニア南部にあるタルトゥはエストニアの科学と教育の中心地と言われています.
タルトゥの町の歴史はエストニアのどの町よりも古く,古代ロシア年代記によると1030年にタルトゥの町がキエフ公国に占領されたことが記されているそうです.
町でこんなマンホールを見つけました.ちょっと見えにくいですが,お城の下に「1030」と書かれています.
13世紀初めタルトゥはドイツの支配下におかれ,ハンザ同盟に加盟しました.当時(ドイツ語で)ドルパットと呼ばれたタルトゥは交易都市として繁栄しました.1625年に終結した戦争を経てスウェーデンの支配下に置かれることとなったのですが,この時期にグスタフ2世アドルフ王がタルトゥ大学を創設しています.
市庁舎と広場周辺
現在の建物は1789年に完成したが,すでに3度目の立て直しが行われています.
1階にはツーリストインフォメーションがあります.
Tartu Visitor Centre
住所:Raekoda, Tartu 50089
営業時間:
(5月15日から9月15日)月曜から金曜9:00-18:00,土日10:00-17:00
(9月16日から5月14日)月曜9:00-18:00,火曜から金曜9:00-17:00,土曜10:00-14:00
URL:http://visittartu.com/en
タルトゥの市役所として利用されています.塔のような部分に取り付けられている時計は,18時と21時に鳴るそうです.
市庁舎の目の前にあるのがキスの噴水(Kissing Students fountain ).タルトゥのシンボルです.ここら辺がラエコヤ広場(raekoja plats)です.カフェやレストランもあり町の人や観光客でにぎわっています.
キスの噴水と同様に記念撮影スポットとなっているのがleaning house(Raekoja plats 18, Tartu).傾いた建物はタルトゥ美術館(Kivisilla Art Gallery)です.
タルトゥのピサの斜塔と言われるこの建物.《ころ》「上手く撮れてる?」
傾いちゃったのは,軟弱な地盤の上に建てられたからだそうです...ちょっと怖いですね.川に面している方は昔の市の壁で支えられており,もう片方は木の杭で支えられているのだとか.1790年代に建てられたこの家の中は美術館となっていて,エストニア画家の作品が展示されているそうです.
タルトゥのマーケット
Emajõgi川の近くにある豚さん像(Sculpture Bronze Pig)です.
右側に写っている建物は室内マーケットです(Vabaduse puiestee, Tartu).室内マーケットの70周年を記念し,2008年に豚さん像が造られました.豚は富と取引の象徴なのだそうです.マーケットでは豚肉はもちろん,肉とチーズを主に扱っていました.野菜も少しならんでいましたよ.
屋外マーケットもありました.
川沿いを5分くらい(東方へ)歩くと「Tartu avaturg」が見えてきます.
時間帯のせいか,季節のせいなのか,この日は営業している店はほとんどありませんでした.お客さんもあまり来ていません.
聖アントニウスのギルド(Antoniuse Õu)
ガイドブックで紹介されていた聖アントニウスのギルド(Tartu, Lutsu 5 Ava suur kaart)というところへ来てみました.工房が並び革製品やステンドグラスなどの作品造りを見学でき購入もできるとのことでしたが,
誰もいない.さみしいところです.今日は何もイベントがないようです.
工房らしき建物のドアをそっと開けてみると,中で作業しているアーティスト(だと思われる人)がいました.何も買えずに,何も見ずに帰りました.
19世紀の住宅博物館(19.SAJ TARTU LINNAKODANIKU MUUSEUM)
1830年代の裕福な市民の日常生活が再現された博物館です.1740年頃に建てられた木製の建物です.
19.SAJ TARTU LINNAKODANIKU MUUSEUM(CITIZEN'S HOME MUSEUM)
住所:Jaani 16 Tartu 51007
営業時間:
水曜から土曜の11:00-17:00
日曜の11:00-15:00
URL:http://linnamuuseum.tartu.ee/?m=6
入館料は2ユーロでした.フラッシュ撮影は禁止です.
昔の家を再現しているので,ミュージアム内は薄暗いです.窓から入る外の明かりを感じることができます.
内装はドイツのビーダーマイヤー様式で飾られているそうです.英語の解説を貸してくれるので,ゆっくり読んでもいいかもしれません.
家の中心に設けられたキッチン.空気を取り入れるところや,まきを入れるところなど,おねぇさんが詳しく解説してくれました.
煙やにおいを逃がすための窓は上の方に設置されていました.鍋の大きさに合わせて,取り外しができるコンロ(五徳とは言わないと思いますが,その部分の調節が可能なので大小さまざまな鍋を同じ場所に設置できる仕組みになっていました)がありました.
保温庫として使える部分も備えています.オーブンもありクッキーなども焼いていたそうです.キッチンのこのシステムは,食を支えていただけではなく,ヒーティングシステムの役割も果たしていたと言っていました.
AHHAA Science Centre, Tartu
科学技術が学べる体験型テーマパークです.バルト諸国の中で最も大規模なサイエンスセンターです.AHHAAは1997年タルトゥ大学のプロジェクトとして創設されました.この場所に施設ができたのは2011年5月のことです.
住所:Sadama 1, Tartu 51004
営業時間:
日曜から木曜の10:00-19:00,金土曜10:00-20:00
閉館の1時間前には入場する必要があります.
URL:http://www.ahhaa.ee/en
観光スポットの集まる旧市街からは少し離れたところにあります.
入場料は大人12ユーロ.プラネタリウムを見たい場合は別料金で4ユーロ必要です(プラネタリウムだけを見たい場合は6ユーロ支払う必要があります.また,2016年夏は入場料が13ユーロとなっています).
鏡や斜めの部屋があったり,実際よりも大きなテーブルと椅子のセットがあったり,電気自動車の仕組みが展示されていたり,人体の標本のようなものがあったりと盛りだくさんです.
実際に体験することで,「あぁ! そうか.分かったよ‼」を実感できる場所なのだとか.6ヵ月ごとに新しい展示が導入されるそうですよ.
ヒヨコ.実際に生きているヒヨコです.
ケースの中には卵が置かれています.ヒヨコが生まれてくる様子を観察できるコーナーです.でも,タイミングが良くないと見ることができません...
本物のアリが作るのコロニーの展示もありました.
エストニア,タルトゥのサイエンスセンターには,日本人の大平貴之さんが開発したスーパープラネタリウム「MEGASTAR(メガスター)」があります.
係りのお兄さんは,日本からきたお客さんということで嬉しそうにメガスターの説明をしてくれました.けっこう,熱く語ってくれました.
宇宙の広がりを再現できるメガスター.《わん》も《ころ》も初体験です.足元も,左右にも,自分にも映像が映ります.見ていると,宇宙に行った気になれるというか,フワフワした感じがします.乗り物に酔いやすい人は注意してくださいね”
2015年夏にお散歩した時の上映内容は,惑星や宇宙,星座の説明でした.エストニア語上映の時間でしたが,他にお客さんもいないということで英語にしてくれました♪
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【タルトゥへのアクセス】
エストニアの首都タリンとは,190㎞くらい離れています.車で行くと2時間くらいかかります.ラトビアの首都リーガとは260㎞ほど離れています.
タルトゥ市内の駐車場についてはhttp://www.visittartu.com/en/parking/をご参照ください.
タルトゥには空港もあります.
フィンランドの首都ヘルシンキとの間は航空便もあり(Finnair)毎日,運航便があるようです.所要時間は50分程度とのことです.
(エストニアでの運転)
速度制限 市街地:50km/h,郊外:90km/h(夏期は110km/hとなる場所もあります)です.ヘッドライトは常に点灯させる必要があります.高速道路は無料です.高速道路や主要道路には取り締まりのカメラがたくさんあります.スピードに注意して運転してください.
エストニア
バルト三国の最も北に位置する国で,ラトビア,ロシアとは陸続きで国境を接しています.バルト海を挟んで北側にはフィンランドがあり,ヘルシンキとタリンの間ではフェリーも運行されています.言語や文化はフィンランドなどの北欧とよく似ていると言われており,バルト三国でエストニアだけが異なる言語グループに属しています.
2011年にバルト三国で最初にユーロを導入しました.EUへは2004年に加盟しています.
IT立国化が推進されているエストニアでは国政選挙もネット上で行うことができ,ITを通じた効率化が進められています.マイナンバーのICカードも普及しており,行政や納税の時だけでなく銀行のオンラインログインなどにも利用されています.インターネット電話サービスのSkype(スカイプ)がエストニアで開発されたことも有名です.ITイノベーション産業の誘致・育成が積極的に行われており,日本との間ではIT・サイバー分野での協力が行われています.
国名 | Republic of Estonia(エストニア共和国) | |
人口 | 131万人 | |
面積 | 約4.5万平方キロメートル | |
言語 | エストニア語 | |
通貨 | ユーロ(2011年に導入) | |
時間 | UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間) |
二宮書店編集部(2016)「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版」二宮書店.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
エストニア エストニアの古き町並みと田園,ISBN 978-9985-9969-04.
Visit Estonia:http://www.visitestonia.com/en/