ドイツ「バウツェン(Bautzen)」の思ひで…

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2017年8月】


観光の時間です.
今日はドイツの「バウツェン(Bautzen)」でお散歩です.

 

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ドレスデンから車で1時間程度の所にある町バウツェン(Bautzen).ドイツ東部に位置しており,ポーランドやチェコとの国境に近い地域です.

 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ソルブ人の暮らす町

バウツェンはソルブ(Sorbs,ゾルブ)人というドイツの少数民族が暮らす町.スラブ系民族ソルブの政治文化の中心地で,現在,バウツェン市の人口の5%から10%がソルブ人(Sorbian nationality)です.
町中の看板にはドイツ語とソルブ語が併記されています.

 

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「...下に書かれている言葉がソルブ語.かなぁ?」

ソルブ語ではバウツェンのことをブディシン(Budyšin)といいます.ソルブ語も学べる学校や幼稚園もあるそうです.ソルブ語といっても各地域によって少し異なるようで,バウツェンなどの言葉はチェコ語に近く,一方,コトブス(Cottbus)などではポーランド語に近い言葉となっています.ソルブ語で新分や雑誌を出版するDomowina-Verlagという出版社もあります


1000年ほど前は,スラブ系部族がドイツ北部を中心に入植していたそうです.現在,ラウジッツ(Lausitz)と呼ばれる地域には6万人のソルブ人が暮らしています.ソルブの言葉や文化の促進は法制化されています.バウツェンにはソルブミュージアムもあり民族衣装やポスターといった文化・政治面や絵画や文学といった芸術面まで幅広く紹介されているようです. 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 旧市街

お散歩をしたのは8月末.気温は20℃くらいでしたが風があって曇っていて少し寒く感じました.
12時を知らせる鐘の音が聞こえてきました♪ 観光客が少なく,落ち着いていてとっても良い町です.旧市街の中心となるのは市庁舎(Rathaus)とその前にある広場(Hauptmarkt)です.

 

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この黄色い建物がバウツェンの市庁舎です.1213年に建てられ何度も修復され今の姿となったのは1730年ごろのことです.市庁舎の壁にある時計の下には,1818年頃につくられた日時計がくっついています.

 

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広場にはマーケットが出ていました.

 

【Bautzen Weekly Markets】
毎週,火木土曜日に開催されるマーケット(メイン広場で開催されるのは火曜と土曜です.木曜日はKornmarkt).朝8時ごろから13時まで開催しています(土曜日は12時まで).20近い店舗がバウツェンや周辺の町から集まってきます.花や果物,チーズ,はちみつなど見ているだけでも楽しいですよ♪
マーケットでは花やベリーはちみつ,パンなどを売っていました.

 

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《ころ》「ソーセージ(ブルスト)がある!!.ひとつくださいな♪」

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「チューリンゲンから取り寄せている美味しいソーセージだよ」とおじさんが教えてくれました.
こだわりソーセージは2.5ユーロ.

 

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お腹が空いていた《ころ》は写真を撮るのを待ちきれずにかじってしまいました...アメリカスタイルのホットドックとは違って,ドイツで食べるのは,ソーセージがメインで,小さくてかたいパンで“つまんでる(持っている)”って感じです.ケチャップかマスタード,どちらか一つしか選べなかった…

広場を中心に延びる道には,カフェや服屋,雑貨を扱う店がありました.
Reichenstraßeという通りは,14世紀頃お金持ちや権力のある人,著名な人たちが住んでいた通りです.美しい装飾が施された家の壁を見ることができます.

 

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左側に写っている老夫妻が目立ってしまっていますが(あ‼ チューリンゲンのソーセージ食べてる)...この通りです.装飾の施された建物は,奥に見える塔(Reichenturm)の方まで歩いていく途中で右手に見えます.
ちなみに写真左側に写っているクリーム色のテントが出ている店はカフェ「Schwerdtner」です.ベーカリー,ペストリーショップでもあり,可愛いケーキやクッキー,アップルパイ,バゲットやサンドイッチ,アイスクリームも売っていました.店内で食べることもできます.

 

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チョコもたっぷり,アイスも2つ.甘い生クリームがトッピングされた満足なパフェを食べました.

他の通りで見つけた扉.

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のんびりお散歩して,探してみてください”
ヨーロッパの町のお散歩は,有名な博物館や教会だけではなく,石畳やお店の看板など町中の普通の景色も見どころのひとつだと思います.

 

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地図やカメラの画面ばかりではなく,町の景色も楽しみたいです.

 

【ツーリストインフォメーション】

広場に面したところに,ツーリストインフォメーションがあります(営業時間はこちらをご参照ください).

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インフォメーションではお土産も販売していました.町を紹介する本(英語)やイースターエッグ,マグカップ,Tシャツ,マスコット人形などです.《りん》からの情報で知ったのですが,バウツェンはイースターエッグが有名とのこと...

毎年,イースターの5週間前にはイースターマーケット(German-Sorbian Easter festival)が開催されるのだとか.精密でカラフルなソルブ特有のイースターエッグ(ソルブのイースターエッグ「sorbische Ostereier」)は慎重に手作業で装飾されたものです.美しいエッグを購入するだけではなく,職人の作業の見学や絵付け体験もできるようです.


インフォメーションのおじさんが「この町には水道塔がいくつもあるんだよ!」と教えてくれました.中でも有名なのはNo.17の水道塔で,そこは博物館になっているとのこと.17番とはインフォメーションでもらえる町の地図に記載されている番号です.
早速,お散歩です.

水道塔(給水施設)の博物館は,中央の広場から西へ行ったシュプレー(Spree)川のほとりにあります.徒歩で10分くらいです.

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石造りの円柱形の建物が見えてきました.
《わん》「あれが水道塔だね!」

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain Alte Wasserkunst

住所:Wendischer Kirchhof 2,D-02625 Bautzen
営業時間:
1月は土日のみ(10:00-16:00).
2月-3月は毎日(10:00-16:00).
4月-10月は毎日(10:00-17:00).
11月-12月は毎日(10:00-16:00).
URL:http://www.altewasserkunstbautzen.de/

 

博物館になっている水道塔.民家の玄関みたいなところが入口で,中に入ると係りのおじさんがいます.入場料は3ユーロでした.
バウツェンの町にあったいくつもの水道塔のことが解説されていました.シュプレー川の水を塔の高さまで引き上げ,木の樋を通して町へ水を供給していたのだとか.水道塔はどれくらいの高さがあるのか体験できます.

 

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石のらせん階段...少しずつ休みながら上れる造りで良かったです.
114段ほど階段を上ると

 

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シュプレー川と町の景色を見ることができます.
上った分の114段を降りて気が付きました.下の階もある...地下には取水に使われたであろう大きな機械も展示されていました.

 

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博物館内の説明は英語ではありませんでしたが,楽しめましたよ.

博物館では,バウツェンの町が描かれた絵を売っていました.水道塔が書かれているものもありましたよ.あと,ちょっとおしゃれなデザインの古本も.近所の人の不用品なのか分かりませんが,町や水道設備のこととは全く関係のない本たちです.ドイツ語以外の本もありました.気に入ったデザインの本を買ってもいいですね”1ユーロと安いものもありますが,本は重たいので買いすぎに注意です! 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain St. Michael Church

住所:Wendischer Kirchhof 1

水道塔のすぐ近くにある教会.水道等の展望デッキからも見えていました.

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《ころ》「赤茶色の屋根に作られた小窓が目みたいだね”」
ちなみに,右奥に見えている塔のある建物は大聖堂(Cathedral of St Peter)です.バウツェンの町で最も高い建物なんだとか.

 

2005年から2年間かけて大規模な修復が行われた教会は,内部はシンプルな造りで綺麗でした.

 

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1693年にバウツェンの職人が造ったという祭壇はそのままなのかなぁ!?  《わん》と《ころ》が中に入ると,おばあちゃんがオルガンを弾いてくれました!

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

  


 

 【バウツェンのアクセス】

ドレスデンから自動車で行く場合はA4 (E40)を利用します. バウツェンへのアクセスはこちらをご参照ください. 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ドイツ

 

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ヨーロッパ中央部に位置するドイツは16の州から成り,ライン川やエルベ川といった国際河川が流れている.
自動車や化学産業の分野で高い技術を持ち,EU最大の経済規模を誇る. 2011年に公表した「ハイテク戦略2020行動計画」では,インターネットを利用し工場や企業さらには異なる産業間をも相互接続することによりドイツ全体を一つの工場として機能させ生産性を向上させることが示されている.
1989年のベルリンの壁崩壊から約1年後,東西ドイツは統一された.その際,西ドイツマルクと東ドイツマルクを1:1の交換レートとしたため,今でも経済格差が残っており,旧東ドイツは旧西ドイツよりも失業率が高い傾向にある.
EU原加盟国のひとつで,EUにおいてフランスとともに中心的な役割を果たしている.欧州中央銀行(ECB)はドイツのフランクフルトにある.

 

国名 Federal Republic of Germany(ドイツ連邦共和国)

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人口 8,245万人
面積 約35.7万平方キロメートル
言語 ドイツ語
通貨 ユーロ(EUR)
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

 

【参考ホームページ・参照文献】

川野祐司(2018)「ヨーロッパ経済とユーロ 補訂版」文眞堂.
「ドレスデン ザクセンのレジデンス都市」B&V Verlag,(ISBN 978-938200-04-7).

 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

BAUTZEN:https://www.bautzen.de/en/