【訪問日:2017年8月】
観光の時間です.
今日はチェコの「レドニツェ城(Zámek Lednice)」でお散歩です.
チェコ南東部,オーストリアとの国境近くにある世界遺産【レドニツェとヴァルチツェの文化的景観】をお散歩します.
レドニツェとヴァルチツェの文化的景観
the Garden of Europeと言われ世界中からその美しい景色や庭園,贅沢な建築物,ワイン(Moravian wine)を求めて人々が集まってきます.
まずはレドニツェ城(Zámek Lednice)からお散歩です.
レドニツェ城
ネオゴシック様式のレドニツェ城.英語ではLednice Chateauと表記されます.チェコが社会主義国家だった時代を経て,正式に国有の財産となったのは1945年のことです.
200ヘクタールもある広大な公園内に建てられたお城.
メインになるのは左下の部分.池よりも下(手前側)にお城やインフォメーション,トイレがあります.お城の見学だけならたくさん歩く必要はないですよ♪
...メインのお城以外にも温室やミナレット,水道橋などがあります.
歴史的書物に最初に登場したのは1222年のことで,当時はゴシック様式の要塞だったようです.13世紀後半にリヒテンシュタイン家の所有となり,一族が土地や建物を拡大していきました.城が現在のような外観になったのは1846年から1858年にかけての改装に伴います.
アロイス皇太子2世(Alois II)が夏の離宮として建て替えを行いました.夏を楽しむために建てられた城には豪華なホールが造られ当時の貴族たちを楽しませたのだとか.美しい彫刻の天井や家具など贅を尽くしたものになっています.
そんな豪華な城内はツアーに参加しないと見ることができません.
メインの城だけでも見学ツアーは4種類あり,1つ1つが別料金.メインのツアーに加え王族のプライベート住居だった部屋を巡るツアー,子供たちが過ごした部屋とおもちゃを見学するツアーなど,45分のが3つ,15分のが1つありました.
《わん》「ぜんぶ見たら1日かかっちゃうね...」
さらに敷地内には人工洞窟や温室,ミナレット(尖塔),John's Castleなどほかの施設もあり,それぞれの見学にお金がかかる仕組みになっています.
レドニツェ城は,チェコでも観光客の多いお城です.オーストリアに近いということもあり,チェコ以外からもたくさんのお客さんが来ていそうでしたが,駐車場の料金はチェココルナ(Kč)で支払うのが基本です.1時間10コルナです.出口付近の係りのお兄さんが両替をしてくれます.城の敷地内にあるトイレ.有料です.でもこちらはユーロでも受け付けてくれます.トイレの料金は50セント(もしくは10コルナ).また,インフォメーションなど英語はあまり通じませんでした.窓口で各ガイドツアーの違いなどを訪ねても教えてくれませんよ!!
今回はメインのお城のメインのガイドツアーにのみ参加しました.
Chateau 1st tour【Representative rooms】
城のメインとなるツアー(1のツアー)に参加しましいた.料金は180 Kč(2018年は190Kčと値上げしています).エントランスホールやハンティングルーム,バスルーム,ブルールーム,図書館など約12部屋を見学できるツアーです.ツアー時間は約1時間でした.1回のツアーに参加できるのは45人までとなっているので,お客さんの多い夏などは“次回のツアー”にまわされてしまうかもしれませんね.
チケット購入後,ツアー開始まで少し時間があったので庭を散歩し,記念撮影です.
この美しい庭は見学無料です.
城内の写真撮影は可能ですが,フラッシュや三脚などは禁止されています.
部屋の様子(綺麗な画像の写真)は公式ホームページのPhoto galleryで見ることができます.ツアーはチェコ語ですが英語のパンフレットを貸してくれます(外国語,たぶん英語のツアーは330 Kčです).
【Entrance hall】
大きな窓からたくさんの光が入るエントランスホール.木が贅沢に使われていることを感じる部屋です.階段のわきに飾られている絵はリヒテンシュタイン家先祖の肖像画.
美しいカーブを描いた彫刻が目を引くこの階段はウイーンの有名な工房で造られたものだそうです.3層構造になっているシャンデリアにも注目です! この城で最も大きなシャンデリアで15m,690㎏もあります.
《ころ》「15m...うちには長すぎるね」
【bathroomとladies bedroom】
18世紀中頃にこのような姿となったそうです.大理石の浴槽や水洗のトイレなど衛生的なものでした.
ladies bedroomには小さくて可愛い書き物用テーブルや優しい色合いの水彩画が飾られていましたが,ベッドの足はゴツゴツした感じでした.
【Chinese RoomとKnightly Hall】
鳥と花が咲く木が描かれた壁紙のChinese Room.中国の壁紙,文献をもとに描かれたそうです.
ヨーロッパでは見られない珍しい柄として人気なのだとか.天井から下がる照明にも柄が描かれていました!
窓枠の木のフレームが印象的だったKnightly Hall.窓の外に見えるのは城の北側に広がる庭,そして遠くにあるミナレットの姿も見ることができます.
いくつものアーチ状の形から成る天井も素敵でした.ゴシック様式のファンボールトという造りのようです.天井付近に飾られている甲冑は150㎝近くもあるそうです.
【library】
美しい彫刻のらせん階段のある図書館.
木製のらせん階段は1851年にできたそうです.このらせん階段の美しい装飾も含め,城内の木製アートは,寄木細工アーティストでもあったCarl Leistler率いるLeistler's companyが手掛けました.
【Red HallとBlue Hall】
Red Hallにあるのはグリーンハウス(温室)へと続くガラスの扉.
紋章が飾られ,暗い赤を基調とした重厚感のある部屋ですが,大きな窓の外にある光と緑の植物がより美しく感じられました.温室では250種もの植物が栽培されているそうです.
最後に案内されたのはBlue Dancing Hall.
アコースティックギターのような楽器を演奏するおじさんがいました.この部屋は公式なイベントや舞踏会に使われた部屋です.暖炉の上に掛かるヴェネチアンミラーやクリスタルのランプスタンド,ヨーロッパで最も美しいネオゴシック様式の天井と言われる格天井など演奏以外にも注目ポイントがたくさんあります♪
The Minaret
4月-10月の火曜から日曜(9:00-16:00,5月-9月は17時まで.12時から13時はお昼休み).
入場料は80 Kč.Minaret hallsはツアーでの見学のようです.
遠そうなので...遠くから眺めるだけにしました.
1800年ごろに建てられたミナレット.約60mの塔からの眺めはとても良いのだとか♪ ヨーロッパにあるミナレットの中では最も高い物の一つだそうですが,木の杭の上に建てられているそうですよ...
ヨーロッパでは珍しいイスラム教の宗教施設ミナレット.デザインしたのはオーストリアの建築家です(アラブ諸国から職人を招いて建てたそうです).タワー内部はギャラリーになっています.壁や床のオリエンタルなオーナメントが美しいそうです.頑張って近付いてみればよかったかな!?
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【今回の観光地】
Zámek Lednice
Zámek 1, 691 44 Lednice
営業時間:城内はツアーでの見学です.
1月は休館.
2月-3月,11月-12月は土日のみ.10:00-16:00.
4月と10月は土日のみ.9:00-16:00.
5月-6月と9月は火曜から日曜.9:00-17:00.
7月-8月は月曜から日曜.9:00-17:00.
公式URL:https://www.zamek-lednice.com/en
チェコ
ドイツ,ポーランド,オーストリアなどに囲まれた内陸国.
第二次世界大戦後はソ連邦圏に属し1989年に「ビロード革命」が起こるまで共産主義体制が続いた.ビロード革命の後,市場経済や欧州回帰への移行が始まった.スロバキアとの連邦国家が解消されたのは1993年のこと.チェコ共和国として独立し,NATO加盟(1999年)やEU加盟(2004年)を果たした.通貨はチェココルナ(CZK,Kč)を使っている.コルナ(もともとはチェコスロバキアコルナ)は2019年に発行100周年を迎える.スロバキアは2009年にユーロを導入したが,チェコはユーロ導入に積極的ではない.
チェコの大企業Skoda(シュコダ)は電車なども製造する重工業メーカー.シュコダ自動車(フォルクスワーゲンの子会社)が製造する車はヨーロッパや中国で多く販売されている.
国名 | Czech Republic(チェコ共和国) | |
人口 | 1,060万人 | |
面積 | 約78,866平方キロメートル | |
言語 | チェコ語 | |
通貨 | チェコ・コルナ(CZK) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
川野祐司(2018)「ヨーロッパ経済とユーロ 補訂版」文眞堂.
二宮書店編集部(2018)「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版」二宮書店.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
CzechTourism:http://www.czechtourism.com/home/
Lednice:http://www.lednice.cz/en/information/tourist-attractions/
Zámek Lednice:https://www.zamek-lednice.com/en