【訪問日:2014年9月】
観光の時間です.
今日はキプロスの「MAZOTOS」でお散歩です.
キャメルパークを見る予定などなかったのです.中途半端に時間が余ってしまって...なんとなく訪れたのがキャメルパークです.
1998年にオープンしたキャメルパークは,キプロスで唯一ラクダを見ることができ,またラクダに乗ることもできる施設なのだそうです.
キャメルパークへの道
高速道路,A1の15から出るとこのような看板がありました.
ラクダと矢印の看板です.ちょっと気になります.
この出口は,キャメルパークに最も近い出口ではないのに...24km以上離れた地点から看板があるなんて…ともっと気になりました.時間もあるし,行ってみます.
キャメルパークへは,わりと親切に看板が設置されています.分かりやすいです.真ん中に写っている茶色の看板です.ヨーロッパの多くは,観光地を示す看板が茶色で統一されているようです.
キプロスの観光地では,たまに途中で看板がなくなったり,「ここです」という表示がなかったりするので目的地にたどり着けない事もあります.
キャメルパークへの看板はこんなデザインのものもあります.
正式な道路標識のようで,ちょっと紛らわしいです.ちなみに,この看板には「camel park 12km」と書いてあります.まだまだ先です...
海沿いののどかな道をどんどん進みます.比較的まっすぐな道で,交通量は少なかったです.
キャメルパークまで後...4km.だいぶ近づきました.
こちらが入口です.
レストランも併設されているので「TAVERN」(ギリシャの食堂といった意味合いも含むレストラン,ταβέρνα(タベルナ))の表示もあります.
ラクダと遊ぶ
ギフトショップと一緒になっているハウス内でチケットを購入します.
入場料は3ユーロ♪ 安いです.ラクダに乗るcamel rideを付けると9ユーロです.気が変わって「やっぱりラクダに乗りたい!!」と思った人はエントランスに戻れば,差額の6ユーロを払って,camel rideができるそうです.
さっそくラクダのコーナへ行ってみます.
「こんなに近くで見ることができるんだ」と《ころ》は嬉しくなりました.ラクダが近づいてきます.たくさんたくさん近づいてきます.
慣れているのだなぁ...と思っていました.
喉が渇いたので,売店でジュースを買って休憩していると,餌を見つけました.
ラクダの餌です.そっかぁ,ラクダたちはフレンドリーなのではなく,餌をもらえると思っていたのですね”
せっかくなので餌をあげてみます♪
...そんなに買ったの.
「だって...ひと袋1ユーロ”だもん」ということで《ころ》は一度にたくさんのラクダの餌を買いました.
餌を持って行くと,さっきよりもラクダから人気を集めることができます.近づきすぎて怖いくらいです.
ラクダたちはカリカリと良い音を立てて食べていました.
キャロブ
さて,ラクダの餌として販売されている植物は「キャロブ」といいます.
真っ黒になったバナナのように見えますが,キャロブは硬いです.
「CAROB(キャロブ)」とは豆科の地中海植物です.4000千年以上前から生息しているのだそうです.木には15cmから30cmのサヤがなり,最初は緑色ですが最終的には黒く,そして少し平たくなります.このサヤの部分を人や動物が食べるのです.緑色の段階でも食べることができるようです.乾燥させローストすると甘い香りを漂わせるキャロブは,シロップに加工されケーキやクッキー,チョコレートといった食品加工の原料となるようです.喉にも良いみたいですよ”
ギリシア語ではキャロブ(イナゴマメ)の実のことをκεράτιων(キャラティオン)と言います.実は,宝石の重さを測る単位「カラット」は「キャロブの豆」を表すこのギリシャ語に由来するそうです(KANDA DIAMOND「ジュエリーこぼれ話」).
キャロブの種の大きさや重さはほぼ均一なため,地中海沿岸の地域では宝石や金の重さを測るの際に用いられていたのだとか.キャロブの種の重さはだいたい0.2g.「1カラット=0.2g」に統一されて いったそうです.かつては分銅として活躍していたキャロブの種.最近は,フェイスパックなどコスメの原料としても用いられているようです.
キプロスや同じ地中海の島国マルタでは,キャロブをシロップやリキュール,ジャムなどにして食べることが多いようです.ジャムやリキュールはお土産としても売られています.
ホテルの朝食に「キャロブジャム」があったので挑戦してみました.見た目は黒く,少しサラッとしていて黒蜜のようです.
食べてみました.
甘いものが好きな《わん》(1番年上わんこ)ですが,「...お土産には買わなくてもいいや.」と思いました.この味がたまらないという人もいるでしょうから,皆さんもキプロスに来たらぜひ一度試してみてくださいね.マルタでも味わえますよ.
上手く伝わらないかもしれませんが,プロポリスのような味でした.でも...ちょっと舐めただけなので,もしかしたら美味しく加工されたジャムがあったりするのかも.
ところで,キャメルパークの近くにはフィッシュメゼ(「キプロス「フィッシュΜεζέ(メゼ)」の思ひで…」 )を食べた町「Zygi」があります.この町はイナゴマメと関係の深い街のようです.
Zygiという村の名前は,「計量する(zygizo = weigh)」という言葉からきているそうです.イナゴマメが集められ,計量され輸出されるという役割を果たしていた町がZygiなのです.
ここにはイギリスによる支配が始まった(1878年)当初からイナゴマメの倉庫があり,この町Zygiからイナゴマメの輸出が始まったのだそうです.ラルナカやレメソス(リマソール)で産出されたイナゴマメのほとんどがZygiに集められ倉庫で保管された後に製粉され,輸出用の船に積み込まれたそうです.イナゴマメは当時の人々の主要な収入源であり,キプロスのブラックゴールド(Black Gold of Cyprus)と言われていました.しかし,イナゴマメ貿易の減少とともに村も衰退していったのです.
大きな石造りの倉庫や荷積みが行われたドッグは今でも残っているのだとか...知らなかったです.お わんぽわんこ達はフィッシュメゼを食べただけで,帰ってしまいました.近くにあったのかなぁ.
ラクダ以外のこと
キャメルパークはラクダがいるだけの施設ではありません.
トランポリンやバンパーカー,ミニプール,ミニゴルフ,室内のゲームルームなど,子供たちが楽しめるつくりになっています.子供たちが遊んでいる間,大人はベンチでゆっくりくつろぐという場所のようです.
また,古い民家を再現した展示もありました.
アラブ系遊牧民のテントの再現があるなど博物館に来たみたいでちょっとお得な気分になります.
レストランもありました.
今日はパーティーがあるみたいで,きれいに飾りつけされていました.さらに,パーティー用に正装しヒールを履いたお客さんたちがラクダを見ていました.
ラクダ以外にも動物がいるのです.
鳥類やシカ,ロバ,ポニー,ヤマアラシ,カメ,ブタ...などがいました.ポニーやロバには乗ることができるようです.
水族館もあります.
と言っても小さな水槽コーナーです.
パンフレットでは「1日中楽しめます!」と紹介されています.1日は無理でも,ラクダ乗ったり,餌をあげたり,ちょっと珍しい体験ができる施設だと思います.
ラクダのこと
いろいろな動物が居ても,やっぱりメインはラクダです.ラクダを紹介するパネルも設置されています.
このパネルには「10分で200リットルの水を飲む」とか「海水も飲むことができる」とか「時速50㎞ 近いスピードをだす」などとラクダの性質が書かれているのですが...気になった記述があります.
「Has 5 legs」.ラクダの足は,5本なのだそうです.
!! 5本目の足など見たことがありません.本物のラクダを見に行きましたが,4本足で立っています.
しかし説明はこれだけなので,何故“5本”と定義されるのかはよく分かりませんでした.
《わん》と《ころ》は帰ってから《りん》(末っ子わんこ)に話しました.《りん》が調べたところ...
胸の下の部分に立ち上がる時に支えとなるものがあるそうです.それが“足”とみなされるために“five legs”と言われているようです(Answers ).
しかし,「胸の下に立ち上がる時に使われる」という表現を用いた日本語での解説は見つけられませんでした(もちろん“5本足”との表現も).でも「胸に脂肪質のクッションがある」との記述や地面に付く胸の部分は「硬い当て物をしたようになっている」という解説がありました(砂漠の国モーリタニアへようこそ「ラクダ」).
キャメルパークのオススメ,ラクダライドは10分から15分程度.
今回はラクダに乗りませんでした.
ラクダライドに挑戦して,5本目の足を探せばよかったなぁぁ.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
【今回の観光地】
CAMER PARK MAZOTOS
営業時間は午前9時から日暮れまでと書いてありましたが,夏は午後7時,冬は午後5時までのようです.
参考URL
http://www.camel-park.com/
【CAMER PARKへのアクセス】
Larnakaから15分,Lemesos(Limassol)から40分程度です.
空港のあるLarnakaから車で来る場合は,一般道のB4をLEMESOS(LIMASSOL)方面へ進んでください.
キプロス
東地中海,トルコの南に位置する島国.東側にはシリアやレバノンなど中東の国々が広がる.国旗には国土の形と平和の象徴とされるオリーブの枝葉がデザインされている.マルタと同様にイギリス連邦加盟国でもある.
1963年ギリシャ系とトルコ系の対立で内戦へと発展し,1974年以降キプロスは南北に分断されており,島の北部(面積の約36%)はトルコ軍による実効支配地域となっている.1983年にトルコ系住民が独立を宣言したため,事実上2つの国家が共存する形となっているが,北部の「北キプロス=トルコ共和国」を国家として承認しているのはトルコのみ.
2004年5月にEUへ加盟しているが,加盟は南部のキプロス共和国のみである.EU加盟直前に国民投票を行ったが,おもに南部の反対票で統一は実現しなかった.2009年のギリシャ危機の影響を受けて,金融危機が発生した.
国名 | Republic of Cyprus(キプロス共和国) | |
人口 | 86.5万人(山梨県くらい).※トルコ軍実効支配地域を除く | |
面積 | 9,251平方キロメートル(山形県くらい) | |
言語 | ギリシャ語 | |
通貨 | ユーロ(2008年に導入).※トルコ軍実効支配地域を除く | |
時間 | UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間) |
二宮書店編集部(2014)「データブック オブ・ザ・ワールド 2014年版」二宮書店.
外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Eurostat:http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/eurostat/home/
Zygi.com「History」:http://www.zygi.com/en/history-len