キプロス「ミートΜεζέ(メゼ)」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2014年9月】

 

ごはんの時間です.
今日はキプロスの「ΛΑΡΝΑΚΑ(ラルナカ)」でお散歩です.

 

f:id:osanpowanko:20141007193808j:plain

 

国際空港のあるラルナカ.市内と空港は6kmほど離れています.トランジットで訪れるだけの人も多いようですが,ラルナカにも美しいビーチや教会,博物館があります.そして...おいしい料理も.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ミートメゼ

 

《りん》からのメールは「フィッシュとミートの2種類のメゼを調べてね」だったので,今度はミートメゼに挑戦です(フィッシュメゼは「キプロス「フィッシュΜεζέ(メゼ)」の思ひで…」 を参照してください).

今回,ミートメゼを頂いたのは国際空港のある町,ラルナカにあるレストラン.ギリシャ語で「Μιλίτζιης」という店名です.このレストランは,宿泊したホテルのおねぇさんがオススメしてくれたお店です.
ラルナカ要塞(中世博物館)から海沿いをヤシの木通りとは反対側に歩いていきます.今日はとっても綺麗な月を見ることができました.

 

f:id:osanpowanko:20141007194118j:plain

 

月が海に写っている姿は初めて見ました.真っ黒な水面に月の光がキラキラと輝いていて...昼間の海とは違った美しさです.でも《ころ》はミートメゼで頭がいっぱいです.
レストランへは,ラルナカ要塞から徒歩で約5分くらいです.海沿いには何件もレストランがあります. 

 

f:id:osanpowanko:20141007194401j:plain

f:id:osanpowanko:20141007194453j:plain

 

写真では,人がいないテーブルが写っていますが...
この後すぐに,外のテラス席,店内の席ともにお店はお客さんでいっぱいになりました.人気店のようです.


Meze(ひとり13.5ユーロ.最低2人以上)を注文しました.今日もたくさんの料理が楽しめそうなので,食べることが大好きな《ころ》は料理が来る前からワクワクしています.

いよいよミートメゼの始まりです.まず最初に来たのはこちら.

 

f:id:osanpowanko:20141007194602j:plain

 

パンとソース,サラダにオリーブ.そしてクスクスです.パンのソースはゴマソースとヨーグルトソース.
フィッシュメゼを食べた時と少し違いますね” 

 

f:id:osanpowanko:20141007194802j:plain

 

《わん》はパンが好きです.目がキラキラしています.
でも...苦手なものもあります.ヤギの乳から作られるフェタチーズです.キプロスで食べたサラダには大抵入っていました. 

 

f:id:osanpowanko:20141007194850j:plain

 

う~ん,目の前にヤギがいる雰囲気の味なので...あまり好きになりません.フェタチーズは,食べることが好きな《ころ》も苦手.おさんぽわんこ達には,牛の乳から作った初心者向けチーズで十分です.
クスクスは薄味でした.ケチャップのような風味もするし...魚介の出汁を用いているのかな? 今回のクスクスは,細かいご飯粒でリゾットを作ったような食べ物でした.パサパサ,ポロポロしています.箸では食べにくいです.

続いては,さっそくお肉の登場です. 

 

f:id:osanpowanko:20141007195100j:plain

 

ソーセージとお肉です.
ソーセージは豚肉だと思います.外側はカリッとしていて,中はしっかりしたお肉です.お肉の主張が強いソーセージです.スパイスも効いていて美味しかったですよ.
お肉の方は塩漬けにした豚肉なのでしょうか? 骨!?かと思えるほど固い歯ごたえでした!

次の料理は,これ. 

 

f:id:osanpowanko:20141007195153j:plain

 

ポテトの上にはイカが乗っています.ミートメゼですが,イカが出てきました♪ イカも薄味でしたが,ちょっとホッとします.
イカポテトと一緒に運ばれてきたのがこの料理です.

 

f:id:osanpowanko:20141007195358j:plain

 

イカ...ではありませんよ!
こちらはΧαλούμι(Haloumi cheese)というキプロス特有のチーズ.ヤギとヒツジの乳から作られているそうです.
ヤギかぁ...でも,このチーズはとってもとっても美味しかったです.おさんぽわんこ達のお気に入りになりました.噛むとキュッキュッと音がするような歯ごたえで,噛めば噛むほどミルクの甘みが出てきます.草のような臭みなどは全くなく,本当に美味しかったです.
このキプロスのΧαλούμιは「EUに加盟するまでみんな知らなかったんだよ」と料理を持ってきてくれたおじさんが言っていました.Χαλούμιは単品での注文もできるようでした.

 

美味しいチーズも食べたし,けっこう満足です.でも,これはメゼ.まだまだどんどん出てきそうです.

続いて運ばれてきたのは... 

 

f:id:osanpowanko:20141007195500j:plain

 

なんと3品.
写真の左上には,食べかけのクスクスが写っていますね...
運ばれてくるペースも早く手に負えない状態です.でも,となりのテーブルのグループにはクスクスのあとの料理がなかなか運ばれてきていませんでした.オーブン料理もあるので,焼き上がりのタイミングが合わないと時間がかかるのかもしれないですね.

 

さて,1/3品目. 

 

f:id:osanpowanko:20141007195713j:plain

 

こちらは牛肉と玉ねぎの煮込みです.
じっくり煮込まれており,お肉が柔らかかったです.お酒を使って煮込んでいるのでしょうか? 酸味のある味に仕上がっていました.お肉は柔らかいですが,脂もたっぷりです.

 

2/3品目. 

 

f:id:osanpowanko:20141007195743j:plain

 

こちらはTavasという料理.
ラムとビーフをジャガイモや玉ねぎ,スパイスなどと一緒にオーブン調理したものです.インド人が経営しているカレー屋さんのカレーの味がしました.ラム肉が入っているせいだと思います.

 

3/3品目. 

 

f:id:osanpowanko:20141007195930j:plain

 

写真がぶれてしまっていますが,豆料理です.肉以外で良かったです.
ジャイアントビーンズと言っていました.ケチャップ風に味付けされており,豆は柔らかく煮込まれていました.せっかくのお肉以外の料理なのに...しょっぱかったので,あまり食べられませんでした.


今回のメゼも満足です.本当にたくさんの料理が出てきます.食べきれないほどです♪
店内からは煙突付きの釜がみえました.

 

f:id:osanpowanko:20141007200126j:plain

 

おじさんが,真ん中に写っている釜から鍋を取り出していました.この中で煮込み料理などを作っているようです.

 


と思っていたら,まだ終わっていませんでした.

 

f:id:osanpowanko:20141007200223j:plain

 

ポークにチキン,付け合せのジャガイモです.もう,どうしよう...という感じです.
真ん中のポークには串が刺さった跡が残っていました.きっとグルグルと焼かれたに違いありません.外側はカリカリに仕上がっていました.しょっぱかったです.
手前に写っているのがチキンです.余分な脂が落ちていますが,パサついていません”しっかりとした“肉”の味がしました.お肉の密度が濃い感じです.
ポークもチキンも美味しく焼きあがっていますが,お腹がいっぱいです.
ジャガイモはホクホクというよりネトっとした食感.ほのかに甘かった...記憶です.それよりもお腹がいっぱいでした.

 

f:id:osanpowanko:20141007200427j:plain

 

お腹はいっぱいですが,テーブルの上は賑やかなままです.
どうしよう...無理に食べるのは良くないので,もう少しだけ食べて「お腹がいっぱいです.」と伝えて終わりにしました.
お肉たちの量にも驚きでしたが,お皿を下げてくれたお兄さんにビックリ. 

 

f:id:osanpowanko:20141007200605j:plain

 

テーブルに残っていた皿,すべてを一度に運んでいったのです.
すごい!! とおさんぽわんこ達が言うと「まぁ,いつものことだからねぇ」とちょっとクールな感じでした.

 

ミートメゼは,たっぷり,たっぷりお肉を食べることができます.どの料理も美味しく,口に合うのでついつい食べてしまいますが,お腹がいっぱいになりすぎます.注意してください.
《ころ》は調子に乗って食べ過ぎて,お腹がちょっぴり痛くなったみたいです.

美味しい(ちょっと.いやけっこう苦しい)思い出です.この記事を書いているだけで,胃が疲れた気がします.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ユーロの導入

 

今回のレストランでもらったレシートには,このような表示がありました.

 

f:id:osanpowanko:20141007201001j:plain

 

ミートメゼとお水で,ぴったり30ユーロ!!...ではなくて,その下にユーロが導入される前まで使われていた通貨(キプロス・ポンド)に換算すると17.56CYPくらいだということが記載されています.1ユーロ=0.585274となっていますね”

 

このレートはユーロとの恒久的換算レート(または,不可逆的レート)です.恒久的換算レートは,EU規則(Council Regulation (EC) No 2866/98)により定められており,換算の正確性が保証されています.各国それぞれの旧通貨に対するレートがあり,European Comission(欧州委員会)のホームページに掲載されています.


キプロスがユーロを導入したのは2008年1月1日です.
同年1月31日までは旧通貨(キプロス・ポンド)も支払いに用いることができました.また,同年6月30日までなら銀行などで無料でユーロに両替できました.しかし,その後は一定額以上の両替には手数料かかることとなりました.また,中央銀行における硬貨(2009年12月31日まで)や紙幣(2017年12月31日まで)の両替可能期間が設定されています.


「通貨の切り替え」というイベントは,なかなか想像できませんし,世の中で流通しているお金を別のものにするなんて,とっても大変そうです.
でも, 2002年1月1日には12の国々およそ3億800万人もの人々の間でユーロ現金の流通が開始されたのです.大きな混乱はなく,導入から一週間後には現金取引の半分以上がユーロで行われていたそうです.通貨統合や流通のプランは綿密に計画されており,各段階を経て大規模な切り替え作業が行われました.ECBによりガイドラインが作成されており,確実でスムーズな現金の流通が周到に準備されています.


2011年にユーロを導入したエストニアでは,2週間の期間(ユーロと旧通貨クローンの同時流通)を経てユーロのみの流通が開始しました.スターターキット(ユーロに慣れるためのコインとお札のセット)を用いた両替やATMへの充填が行われるなどECBとエストニア政府による事前準備が進められていました.
またユーロ導入国では事前にテレビCMやポスター製作といったユーロ導入キャンペーンを行ったり,ユーロ導入についてのパンフレットを作成したりするなど,各国政府による啓蒙活動も行われているのです.

もちろんキプロスでもユーロ導入に先立ちスターターキットの販売(2007年12月)や銀行や企業における硬貨・紙幣の事前流通(2007年10・11月)が開始されていました.


1999年1月1日に11ヵ国で導入された欧州単一通貨ユーロ.ユーロを採用している国は徐々に増え,2014年現在で18ヵ国となっています.さらに,2015年1月1日にはリトアニアでユーロが導入されることが決まっており,ユーロ地域は15年の歳月を経て19ヵ国となるのです.

 

現金の流通は2002年に始まりました.紙幣が7種類,硬貨は8種類あります.
紙幣のデザインは,すべての国で共通であり,開かれたEUを意味する「窓」や人々のつながりを意味する「橋」が描かれています.ユーロ紙幣は,新デザインとなることが決まっており,2013年5月には新5ユーロ札が,2014年9月には新10ユーロ札が流通し始めました.紙幣には新旧ともにECB総裁のサインが入っています.ECB総裁は現在第3代(マリオ・ドラギ総裁)なので,デザインは同じですが,印刷された時期によってサインが異なるということですね”

一方,硬貨の片面は各国それぞれのデザインが施されており「多様性の中の統合」を象徴しているそうです.
キプロスの硬貨はムフロンという羊のような動物や船,神像がデザインされています.各国のデザインは,国章や自然,歴史を象徴するものをモチーフとしていることが多いようです.
もちろん国内で流通している硬貨はその国のデザインの硬貨が多いですが,観光地では,色々なデザインの硬貨に出会うことができるので,比べてみると面白いですよぉ♪  中でも,2ユーロコインは記念コインもたくさん発行されていて,全部集めるのは・・・大変そうですね.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

【今回のお店】

Militzis restaurant(ギリシャ語:Μιλίτζιης)

42, Piale Passia str. LARNACA 

 

参考URL
http://cyprusmenu.com.cy/restraurant/22

 

【Μιλίτζιηςへのアクセス】

中世博物館でもあるラルナカ要塞から海沿いを南に向かって進む.徒歩で5分くらいです.お店は進行方向右側にあります.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain キプロス

 

f:id:osanpowanko:20141007202100j:plain

 

東地中海,トルコの南に位置する島国.東側にはシリアやレバノンなど中東の国々が広がる.国旗には国土の形と平和の象徴とされるオリーブの枝葉がデザインされている.マルタと同様にイギリス連邦加盟国でもある.
1963年ギリシャ系とトルコ系の対立で内戦へと発展し,1974年以降キプロスは南北に分断されており,島の北部(面積の約36%)はトルコ軍による実効支配地域となっている.1983年にトルコ系住民が独立を宣言したため,事実上2つの国家が共存する形となっているが,北部の「北キプロス=トルコ共和国」を国家として承認しているのはトルコのみ.
2004年5月にEUへ加盟しているが,加盟は南部のキプロス共和国のみである.EU加盟直前に国民投票を行ったが,おもに南部の反対票で統一は実現しなかった.2009年のギリシャ危機の影響を受けて,金融危機が発生した.

 

国名 Republic of Cyprus(キプロス共和国)

f:id:osanpowanko:20141001173838g:plain

人口 86.5万人(山梨県くらい).※トルコ軍実効支配地域を除く
面積 9,251平方キロメートル(山形県くらい)
言語 ギリシャ語
通貨 ユーロ(2008年に導入).※トルコ軍実効支配地域を除く
時間 UTC+2(日本時間 -7時間,夏季は -6時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2014)「データブック オブ・ザ・ワールド 2014年版」二宮書店.

 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
Eurostat:http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/eurostat/home/

駐日欧州連合代表部「ユーロと経済通貨同盟」:http://www.euinjapan.jp/union/emu/
EU MAG:http://eumag.jp/
European Central Bank「Cash changeovers」:http://www.ecb.europa.eu/euro/changeover/html/index.en.html