【訪問日:2019年8月】
観光の時間です.
今日はベルギーの「ヘント(Gent)」でお散歩です.
今日はヘントの街を歩いてお散歩.
シティーカード ヘントで無料になる観光地も巡ります.
フランドル伯の城(Gravensteen)
住所:Sint-Veerleplein 11
営業時間:11月から3月は9-17.4月から10月は10-18(入場は閉館1時間前まで)
街の真ん中に突然現れる石のお城.城の歴史は,フィリップ伯爵(1168-1191)が1180年に城を建てたことに始まります.
入場料は大人10ユーロ.シティーカード ヘントで無料になります.オーディオガイドが付いています.
9世紀頃,ノルマン人の攻撃で大打撃を受けたのをきっかけにフランドル伯は防衛目的の砦を築きました.
最初は木造でしたが11世紀には石灰石の豪華なお城となり,後に濠や石の壁が作られました.石造りの頑丈な建物で,細長い窓など敵の侵入を防ぐ目的で作られたことが随所に読み取れる造りとなっているそうです.14世紀には軍事的機能は失い,牢獄や造幣局,裁判所,繊維工場としても使われてきたのだとか.20世紀の初めにレストアされ,中世の城の姿を取り戻しています.
城内には武器や防具の展示がありました.牢獄として使われていたことが伺える品々もあります.
展示物がたくさんあるというよりも,石造りの城”自体を見学するといった感じです.石造りのお城なので,ちょっと足が疲れます.階段を上ったり下りたりの観光でした.
見晴らし台まで頑張って階段を上ると...
ヘントの街の素晴らしい景色が♪
デザインミュージアム ヘント(Design museum Gent)
営業時間:平日9:30-17:30(水曜休館).土日は10-18.
住所:Jan Breydelstraat 5
URL:https://www.designmuseumgent.be/en/
大人8ユーロ(シティーカードヘントで無料).
国際的な芸術家の展示会も開催するそうです.芸術に興味がある人はぜひ...
2019年9月末までのエキシビション,Creatures Made to Measure(Animals and Contemporary Design).
《ころ》「犬の映像だ!」
ガラスやいすのコレクションも展示されていますが,モダンなアート作品がほとんどです...
天井画が美しい,伝統的な感じの部屋もありました.
1770年に造られた木彫りのシャンデリアがあります.ミュージアムの建物は18世紀のロココ調.中庭も美しいですよ.
民族博物館(HUIS VAN ALIJN)
住所:Kraanlei 65
営業時間:平日(水曜休み)9-17.土日10-18.
URL:https://huisvanalijn.be/nl
この建物はむかし,年老いた人や貧しい人々や孤児を受け入れていた場所.1962年から民族学博物館となり,アレンの(The House of Alijn)家と呼ばれています.
静かな中庭で休憩したくなりましたが,博物館へ入りました.
入場料は6ユーロ(シティーカードヘントで無料).
20世紀の人々の生活を紹介している博物館.カレンダーにリンクした展示になっていて,当時の人々が大切にしていた行事・イベントが伝わってきます.
学校の様子や家電,家具,ぬいぐるみなど,一昔前の日常がそこにあります.
展示品のおもちゃ達と記念撮影♪
金曜日広場(Vrijdagmarkt)
聖ヤコブ教会の近くにある広場.
広場に建つ像はヤコブ・ヴァン・アルテベルデ(Jacob van Artevelde).
英仏の百年戦争中にイングランド側に付くことを決め,ヘントの繊維産業を復興させ地域の繁栄を導いた人です.
「イングランドの方向を指さしてるんだって!」
広場では金土日にフリーマーケットが開催されます.お店が出ると広場はこんな状態に...
広場の周りにはレストランやカフェがあります.パブでは地ビールも味わえるのだとか.
広場の近くにある聖ヤコブ教会(Sint-Jacobskerk).
教会は閉っていて内部見学はできませんでした.教会周辺は7月中旬に行われるGhent Festivitiesの会場です.
ベルフォルト通り(Belfortstraat)を南西方向に進むと右側に市庁舎が見えてきます.
正面に見えている塔は鐘楼です.
市庁舎(Stadhuis Gent)
住所:Botermarkt 1
最も古い部分は130年代に建てられ,16世紀に建造されたゴシック様式(Hoogpoort side,右側の部分)とルネッサンス様式(左側の部分)が継ぎ合わさっている建築物です.
ベルフォルト通りを右に曲がったHoogpoort通り沿いは
こんな感じの建物.
ベルフォルト通りを鐘楼の方へまっすぐ進むと...
《ころ》「Botermarkt沿いの建物は黒い色をしているんだ!」
市庁舎は5月から9月のガイドツアーで内部見学ができるそうです.シティーカードヘントは利用できないと思います.
鐘楼(Belfort)
住所:St.-Baafsplein
営業時間:10-18
世界遺産『ベルギーとフランスの鐘楼群』のヘントの鐘楼は,街の独立を象徴しています.
13世紀ごろにギルドによって建てられたもので高さ91m.エレベーターがあるので気軽に上れます.が,チケット売り場から1フロア分くらいは階段を上る必要があります.
入場料は8ユーロ(シティーカードヘントで無料になります).
階段で行くと254段くらい...各階のフロアはちょっとした展示スペースになっており,鐘楼の飾り「ドラゴン」の先代やカリヨンの仕組みを見ることができます.15:30のカリヨン演奏に合わせて,ガイドツアーもあるそうです.
展望デッキからは,ヘントの街,ギルトハウスが一望できます.
鐘楼の上からはドラゴンが町を見守っています.
街のシンボルDragon of Ghentは,市民の特権を見守るもので1377年に設置されたのだとか.
鐘楼の東隣にあるのは繊維ホール(Lakenhalle).
繊維の販売や保管が行われていたそうです.中世のころの繁栄を思い起こさせる華麗なブラバントゴシック様式のホールがあるのだとか...
その建物の正面にあるのが,有名な聖バーフ大聖堂(Sint-Baafskathedraal)です.でもその前に...鐘楼の近くにある印象的な建物を3つ紹介します.
【聖ニコラス教会(St.-Niklaaskerk)】
13世紀に建てられた,スヘルデ川流域を代表するゴシック建築.教会内の見学もできました.
聖ニコラスは船乗りの守護聖人でもあるそうです.
【City Pavilion】
鐘楼と聖ニコラス教会の間にある建物The City Pavilion(住所:Poeljemarkt).
中世の面影が残る町並みのヘントでちょっと違った雰囲気の建物.ガラスや木材,コンクリートを用いた印象的なデザインになっています.
【ギルドホール(Metselaarhuis)】
もうひとつがギルドホールMetselaarhuis(住所:St.-Niklaasstraat 2).
聖ニコラス教会の向かい側にあり,sint-Niklaasstraatの角に位置しています.
階段状の切り妻屋根に取り付けられている6つの像が特徴的な建物.彫刻家Walter De Buckの『デビルのムーアの踊り子』という作品だそうです.
聖バーフ大聖堂(Sint Baafskathedraal)
住所:St.-Baafsplein
開館時間:
神秘の仔羊の礼拝堂,入場は閉館15分前まで.
4月から10月は9:30-17:00(日曜は13時から).11月から3月は10:30-16:00(日曜は13時から).※12時から13時はパネルが閉められます.外側パネルの見学は可能です.
大聖堂は4月から10月は8:30-18:00.11月から3月は8:30-17:00.日曜はお祈りなどがあるので,13時以降がよさそうです.
URL:https://sintbaafskathedraal.be/en/index.html
ヘントの守護聖人,聖ヨハネに捧げられた礼拝堂は何世紀もの時代を経て大聖堂となりました.ファンアイク兄弟作の「神秘の仔羊」といった傑作が収蔵されていることで有名で,入り口には仔羊のポスターが出ています.
大聖堂の開館時間と神秘の仔羊の見学可能時間は異なるので注意してください.
「神秘の仔羊」はを含む作品は,特別にしつらえた礼拝堂に納められています.撮影禁止です.教会内も禁止だったと思います.
《ころ》「市立ミュージアムに行けばレプリカの前で記念撮影ができるね♪」
入場料は4ユーロです(シティーカードヘントで無料になります).日本語も選択できるオーディオガイド付きで詳しく説明してくれます.描かれている人物や中央の仔羊のこと,などなど,けっこう長いです.全部聞いている人はほとんどいませんでした.祭壇画の裏面も見ることができます.
フランドル美術の最高傑作と言われる,ファン・アイク(兄弟合作)の祭壇画「神秘の仔羊(Lam Gods)」.祭壇画の大部分はHubertが描き,残された部分を弟のJanが仕上げたと考えらえています.
神秘の仔羊はヘント美術館(MSK)で修復作業中.作業は少しずつ行われているので,公開されているパネルの2/3の部分はオリジナルだそうです.ちなみにMSKでは平日に行われている修復作業を見学できるそうです.修復作業の完了予定は2020年10月です.
大聖堂は,神秘の仔羊以外にも見どころがたくさんです.高い天井と豪華な装飾の大聖堂にはパイプオルガンやバロック様式の祭壇,ロココ調の説教台などがあります.
ショップもあります.神秘の仔羊がデザインされたポストカードやトレー,関連書籍,聖像のアクセサリーなどを販売.オランダ絵画カレンダーなど,お土産になりそうな品も売っていました.
神秘の仔羊のレプリカが展示されている市立博物館へ.トラム2番を利用しGent Bijlokehofで下車し,少し歩きました.
STAM(STAM-Stadsmuseum Gent)
住所:Godshuizenlaan 2
営業時間:平日は9-17(水曜休み).土日は10-18.
URL:https://stamgent.be/en/
旧ベイローク修道院の敷地内にあります.博物館内からの眺め.
博物館の一部は14世紀頃の修道院として使われていた建物です.
入場料は8ユーロ(シティーカードヘントで無料になります).中世から近代までのヘントの歴史を学べるヘント市立博物館.ヘントの街の航空写真もあります.マルチメディアアプリと連動するなど展示方法も魅力的.
産業の街として発展してきた歴史も紹介しています.産業化に伴い人口が増大し,1800年頃55000人だった人口は50年くらいで10万人を突破しました.1960年代まで街の繁栄を支えたのは繊維産業ですが,1960年頃には金属工業,そしてサービス産業へと基幹産業が移り変わっていったそうです.
「ヘントの祭壇画」と呼ばれることもある,祭壇画「神秘の仔羊」の展示もあります.神秘の仔羊は12枚の独立した絵で構成されています.そのうちの8つは裏面にも描かれています.従って画面の数は全部で20枚となるそうです.メインとなるのが下層中央にある「神秘の仔羊」.黙示録に述べられる神秘の仔羊が描かれているのだとか.
本物は聖バーフ大聖堂にあり,こちらはレプリカですが,好きなだけ写真が撮れます!
《わん》「近すぎてすべてのパネルが写ってない...」
祭壇画は宗教改革時に起こった聖像破壊運動で破壊されそうになったり,戦利品としてフランスに持ち出されたり,火災に遭ったり...など災難に見舞われてきましたが,なんと盗難にも遭っています.
STAMでは盗難事件に焦点を当てた展示があります.
1934年4月11日の朝,夜の間に大聖堂から2枚のパネル(De Rechtvaardige RechtersとSt. Jan de Doper)が盗まれたというニュースが人々を驚かせました.
身代金を要求する手紙がいくつも送られてきたのだとか.のちに1枚のパネルは匿名で返却されました.しかし,『正義の審判者たち(De Rechtvaardige Rechters)』は現在でも見つかっていません.容疑者の死後,所有物から身代金要求のメモなどが見つかっていますが,パネルの隠し場所は謎のままです.
博物館にはカフェもあります.
市内からちょっと離れているので,せっかく来たのならゆっくりと過ごしたい場所です.
博物館内に戻りますが...
'Ghent in LEGO' ではヘントの町の建設をお手伝いできます.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
ベルギー
北はオランダ,南はフランスなどと国境を接している.
北部(オランダ語圏)フランデレン地域と南部(フランス語圏)ワロン地域,首都ブリュッセルで構成されている.東部にはドイツ語を話す地域もある.ブリュッセルは北部地域にあるがフランス語を使う人が多く,駅や通りはオランダ語・フランス語が表記されている.ブリュッセルにはEU主要機関やNATO本部が置かれている.
世界的に有名なチョコレートメーカーが多く王室御用達ブランドは日本でも人気.ワッフルやビールなど食文化の豊かさも多くの観光客を惹きつけている.
ベネルクス(ベルギー,オランダ,ルクセンブルクの3ヵ国)は経済的な結びつきが強く1960年にはベネルクス通商協定が結ばれ,欧州共同体の基礎となっている.
国名 | Kingdom of Belgium(ベルギー王国) | |
人口 | 1,141万人 | |
面積 | 30,528平方キロメートル | |
言語 | オランダ語,フランス語,ドイツ語 | |
通貨 | ユーロ(EUR) | |
時間 | UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間) |
川野祐司(2019)「ヨーロッパ経済の基礎知識2020」文眞堂.
Visit Ghent:https://visit.gent.be/en