オーストリア「ウィーン旧市街~リンク沿い~」の思ひで…

 

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観光の時間です.
今日はオーストリアの「ウィーン(Wien)」でお散歩です.

 

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リンク(Ring)という1周約4㎞の内側がウィーン旧市街.リンクの内側とその周辺に観光スポットが集まっています.
今回はリンク沿いをお散歩です.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain リンク通り

 

ウィーンの環状道路リング

もともとは旧市街を守るために設けられていた城壁や濠だったリンク.1857年,皇帝フランツヨーゼフ1世が市壁の解体を命じ,その跡地に軍隊の行進ができるような大通りが造られました.
ハプスブルク家は著名な建築家をウィーンに呼び寄せました.その中にはドレスデンで仕事をしていたゴットフリート・ゼンパーやアテネで学んだデンマーク人のテオフィル・ハンセンなどがいます.彼はウィーンの国会議事堂や旧証券取引所を手掛けました.

 

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リンク通り(環状道路)はウィーンの歴史主義建築の集合体といわれており,通りに沿いには市庁舎,国会議事堂,自然史博物館などが並んでいます.ギリシャ様式からアールヌーボーまでの様々な建築様式を見ることができるそうです. 

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain トラムでお散歩

 

トラムでリンクを一周.途中,乗り換える必要があり,トラム1番と2番を利用します.ガイドブックなどでは国立オペラ座から1番に乗り→シュヴェーデンプラッツで2番に乗り換えることがオススメされています.

リンクを25分で一周する観光用の黄色いトラム「ウィーン・リングトラム(Vienna Ring Tram)」もありますが...料金も高いですし,1時間に2本程度なので公共交通機関のトラムを利用した方がいいと思います.

 

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黄色い色”が目印のリングトラム.写真に写ってはいませんが車体も黄色です.
毎日10:00-17:30運行でチケットはトラム車内でも購入できます.観光用トラムなら日本語ガイドを聞きながらトラムからの眺めを楽しめるようです.各停車駅での乗り降りも自由です(循環1券だと途中乗り降りなし).

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain リンク沿いの建物たち

 ケルントナー通りと交わる角に建つ美しい国立オペラ座(Wiener Staatsoper).

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1862年に造られたオペラ座はリング沿いに建てられた最初の建築物だったそうです.1869年モーツァルトのオペラ『ドンジョバンニ』でオープン落成しました.
環状道路に面したアーチ内(2階部分)には5体の彫刻が立っています.これらは勇壮,悲劇,創造,喜劇,愛を表現しています.また建物脇の噴水も音楽の荘厳さや愛・復讐といったオペラのテーマを表現したものとなっているのだそうです.

時計回りに進むと,右手にあるのがブルク公園(Burggarten).
ここにはモーツァルト像があり,記念撮影をする人もたくさんいます.

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今回は夜のモーツァルト.
ブルク公園の隣はホーフブルク新王宮(Neue Burg).英雄広場があります.リング通りを挟んで向かい側にあるのが美術史博物館(Kunsthistorisches Museum Wien)と自然史博物館(Naturhistorisches Museum Wien).

 

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この2つの建物は,女帝マリア・テレジアの記念碑のある広場(Maria-Theresien-Platz)を間に挟んで向かい合っています.写真の右端に写っているのがマリア・テレジア像です.大きなマリア・テレジア像の台座を囲むのは軍人や芸術家たち.モーツァルトの姿もあるそうです.
1880年代後半に建てられた自然史博物館と美術史博物館.ハプスブルク家が何百年もかけて収集した自然史や美術史コレクションを収蔵しています.
宮殿のような美しい外観ですが,美術史博物館には建物の建設以上の日々が内装に費やされています.収蔵されているレンブラントやピーテル・ブリューゲル(父)などの作品も見逃せませんが,クリムト兄弟など有能な画家たちが手掛けた内装も見どころのひとつです.
対の建物,自然史博物館には先史時代からの動植物や鉱物が展示されています.まるで岩のような自然金の塊も展示されています.
《わん》「自然史博物館は2009年にお散歩したね」
《ころ》「石のコレクションがすごかったね!!」
《わん》「石よりも,バッハウ渓谷沿いの町で出土したヴィレンドルフのヴィーナス(Venus von Willendorf)の方をちゃんと見なきゃ...」

さて,リンク通りをさらに(時計回りに)進むと左手に見えてくるのが国会議事堂(Parlament).

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最初に紹介したギリシャ建築を学んだ建築家による建物です.次も行政にかかわる建物です.まずは市庁舎(Rathaus).

 

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ネオゴシック様式のウィーンの市庁舎.尖塔には331段の階段があるそうです...頂上にはウィーンのシンボル「ラットハウスマン(市庁舎の騎士像)」が立っています.《ころ》「タリンみたいだね!!」.97.9mの塔のてっぺんに立っているウィーンのシンボル「ラットハウスマン」は650㎏もあるとのこと.


市庁舎の(リング通りを挟んだ)向かい側にはブルク劇場(Burgtheater)があります.写真はありませんが...ウィーン最大の劇場.ドイツ語圏最大の演劇主体の劇場のファサードを飾るのは,ゲーテやシラー,シェークスピアといった劇作家たちの胸像です.内部の階段の間にはグスタフクリムトが若いころに描いた天井が残されているそうです.

 

ドナウ川沿いのリンクを進み...
シュトラウスの黄金の像のある市立公園(Stadtpark)へ.

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この地下鉄の駅舎のデザインは建築家オットー・ワーグナー(Otto Wagner)によるものです.彼は「(オーストリア造形芸術協会)ウィーン分離派」の中心人物です.彼の作品はウィーン市内にたくさんあります.
市立公園はウィーン1区で最大の公園であり,1857年に完成したウィーン最古の公園です.その公園の人気者といえば,黄金のシュトラウス像. 公園内のサロンではヨハンシュトラウス(Johann Strauss II)が何度も演奏会を行ったそうです.

 

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たいてい観光客が写真撮影をしています.市立公園内にはシューベルトの像もあるので探してみてくださいね! 

  

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

  


    

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain オーストリア

 

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ヨーロッパ大陸のほぼ中央に位置する内陸国.9つの州から構成される連邦国家で,そのうちのひとつウィーンが首都である.首都ウィーンには国際原子力機関(IAEA)やOPECなど国際機関の本部が置かれている.国際的な都市である一方,ハプスブルク帝国の都であったウィーンには多くの観光客が訪れる地でもある.
スウェーデン,フィンランドとともに1995年にEUへ加盟した.ユーロは2002年1月よりドイツなどとともに流通が開始している.オーストリアは音楽の都でもあり世界屈指のオペラ座「ウィーン国立歌劇場(Staatsoper)」を始め様々な歌劇場やホールがある.また,毎年夏にはザルツブルク音楽祭が開催される.数多くの音楽家の生家や居住地があり,モーツァルトやベートーベンといった音楽家のミュージアムがある.ザルツブルクやインスブルックもオススメ.

 

国名 Republic of Austria(オーストリア共和国)

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人口 約880万人
面積 約8.4万平方キロメートル
言語 ドイツ語
通貨 ユーロ
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2018)「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版」二宮書店.

Lina Schnorr(2014)「皇帝の都ウィーン」(ISBN 978-3-9503268-2-6).
 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
オーストリア政府観光局:http://www.austria.info/jp