オーストリア「ウィーンのカフェ」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2017年8月】

 

おやつの時間です.
今日はウィーンのカフェで食べたケーキやコーヒーを紹介します.

 

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ウィーンのカフェはコーヒー店から発展したコーヒーハウスと手作りケーキ店が飲み物も提供するようになったカフェ・コンディトライの2種類があるのだとか.観光でカフェに行くときは違いなどあまり意識しませんが...ショーケースに並ぶケーキが魅力的な店と,ケーキを4-5種類しか置いていない店があるので,もしかしたら,その違いかもしれません.

 

オーストリアの定番ケーキを手作りしてみました(おさんぽわんこの思ひで -おうちでごはん編-【オーストリア】).

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ウィーンのカフェで食べたケーキ

 

ウィーンのカフェで提供されるケーキの多くは自家製で,店に古くから伝わるレシピを守っているそうです.同じケーキでもお店によって味が違うので,何度も食べなくては...

 

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《ころ》にとってはどのカフェに行ってもケーキ達は魅力的で,ついつい注文しすぎちゃいます...
オーストリアの定番ケーキだけではなく,その店オリジナルのケーキや季節限定のケーキもあります.

 

【アップルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)】
ケーキというよりもパイのようなお菓子.
シナモンの風味が効いているフィリングのリンゴ.さっぱりしていて美味しいですよ.

 

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手作りの良さなのかどうか分かりませんが,同じ店でも「前回,食べたのとちょっと違うなぁ...」と感じることがあります.生地はサクサクしていそうですが,しっとりしていることが多いです.作り置きだからかな!?
ちょっと手間がかかりますが,日本にいても作って食べることができます(アップルシュトゥルーデル)♪

 

【トプフェンシュトゥルーデル(Topfenstrudel)】
たっぷりのクリームに見えますが,カッテージチーズなのでしつこくない味です.

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フィリングは,フワフワしたクリームではなくプリンのような硬さです.
《ころ》「フィリングの感じがドレスデンのケーキ,アイアーシェッケ(Dresdner Eierschecke)(ドイツ「バームクーヘンのあるカフェ」の思ひで…)に似てるね!」
《わん》「甘いスクランブルエッグみたい...」
何層にもなっている生地はサクサクしません.甘い蜜が染み込んでいました.


次のケーキはトプフェンシュトゥルーデルに似ていますが,違うケーキです.

 

【DEMELのケーキ】

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こちらはデーメル(DEMEL)のバニラクリームのケーキ(Vanillecremeschnitte).
ウィーン国際空港にある店舗で食べました♪ 空港内のデーメルはCゲート付近にあり,毎日5:00-21:00の営業です.
出発まで時間があったので...

 

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チョコトリュフケーキ(Trüffeltorte)も食べちゃいました.しっとりした生地,上品な味のチョコレートケーキです.
デーメルの有名なケーキといえばザッハートルテ(Sachertorte)です.

 

【ザッハートルテ(Sachertorte)】
ウィーンを代表するケーキ,ザッハートルテは“どちらが本家か”を巡って『ザッハー』と『デーメル』で訴訟になったことがあります.なんと裁判は約10年も続きました.結局は『どちらの店も生産,販売してよいが,オリジナルの表示はザッハー』となったようです.

 

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画像は各公式サイトからの引用です.

左がザッハーの右がデーメルのザッハートルテです.
どちらの店でもザッハートルテを販売しており,味比べができます♪
ザッハー:あんずジャムの酸味が特徴
デーメル:チョコレート本来の味が楽しめる
という特徴があるのだとか.
他のカフェでも(というより,日本のケーキ屋さんでも)ザッハートルテを食べることができます.

 

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今回,他のカフェで食べたザッハートルテは生地がパサパサしていて美味しくなかったです.
《わん》「ちょっと残念.」
濃厚なチョコとあんずジャムの酸味はちょうど良かったです.

お土産用のザッハートルテも注文できますし...

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ミニサイズもあります.

 

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こちらはザッハーのミニサイズの写真です(2009年のもの).デーメルでもミニサイズのザッハートルテを販売しています.

さらに...自分で作ることもできます(「ザッハー風 ミニトルテ」の思ひで…).

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ウィーンのカフェで飲んだコーヒー

 

ウィーンのカフェではコーヒーを注文するとお水も一緒にサーブされます.これはドイツとかではみられないウィーンならではのサービスだと思います.小さな銀のお盆に乗っているコーヒーと水(Wasser).

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デーメルで飲んだこのコーヒーは...Café latteだったかな...?

 

【アインシュペンナー(Einspänner)】
背の高いグラスに入ったコーヒー.

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コーヒーの上にホイップした生クリームが乗っています.クリームはそんなに甘くないことが多いです.

 

【アイスカフェ(Eiskaffee)】
アイスカフェを注文すると...日本で飲む氷入りの冷たいコーヒーは出てきません.

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アイスクリームや生クリームがトッピングされています.クリームたっぷりなのでケーキと一緒に食べると疲れます.

コーヒーの種類も豊富なウィーンのカフェ.
エスプレッソやカプチーノも注文できます.リキュールが入っているコーヒーもあり,普通のコーヒーと比べるとちょっと値段が高めになっています.マリアテレジアはオレンジリキュール入り,ファリゼーアはホイップクリームがたっぷりと乗ったラム酒入りのコーヒーです.ウイスキー入りのアイリッシュコーヒーなどがあります.

どれにしていいのかわからないよ~,という場合はカプチーノが無難です.ウイーン風のクリーム入りホットコーヒーはメランジェです.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ウィーンのカフェ文化

 

伝統的な店にはビリヤード台が置かれていたり新聞や雑誌がならんでいたりします.

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ウィーンのコーヒーハウス(カフェ)にはコーヒーを味わいながら新聞を読んでのんびり過ごすという文化があります.午後のコーヒータイムを「ヤウゼ(Jause)」というそうです.
落ち着いた雰囲気のカフェ.

 

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新聞や雑誌を楽しむ人は今でもいます.
けれども,観光客が押し寄せるカフェにはそんな雰囲気は残っていません.観光客でいっぱい,大行列の有名カフェです.

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忙しく動き回るウェイター,次から次へ来るお客さんのため大忙しです.お客の方ものんびりなどしていられません.きっと昔からカフェに通っていた人はもういないのでしょう...
観光客が多くなったせいか,ケーキやコーヒーの味が落ちたような気がするお店もありました.

ウィーンには今でもたくさんのカフェがあります.ホテルザッハーのカフェやデーメル,ハイナー,インペリアル,スルッカ,ツェントラ,などガイドブックに載っている有名店だけでも25店.人気店は,忙しいせいか従業員の態度が悪いとの体験談をよく聞きます.観光客が行かないような静かで素敵なお店もあると思います.自分のお気に入りの店が見つかるといいですね” 有名なチェーン店とは違った時間を過ごせるでしょう.

 

旧市街のカフェハウス:https://www.wien.info/ja/shopping-wining-dining/coffeehouses/in-the-old-city

  

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ウィーンのカフェの歴史

 

ウィーンのカフェ文化は,オスマントルコのヨーロッパでの覇権獲得と関連しています.西欧にとって脅威であったオスマン帝国.トルコは強力な軍隊によってウィーンに迫りましたが,1683年,ウィーン包囲に失敗しました.
トルコ軍が撤退した際,残して行った多くのものの中にあったコーヒー豆の袋.残された大量のコーヒーを,ウィーン開放に尽力したフランツ・ゲオルグ・コルシツキーという人物が譲り受け,ドームガッセ6番地に最初のカフェハウスをオープンしたと言われています.『青い瓶亭』という名前の店がオープンしたのは1685年のことです.

商人だったコルシツキーはトルコの言葉や生活習慣にも詳しかったため,コーヒー豆の扱い方,そして価値をも良く知っていたのです.ウィーンできたトルコ風のコーヒーを飲ませる店は,彼がなくなる1694年まで人気店として営業したそうです.

 

1730年,30数件に増えたカフェではあらゆる飲み物が提供されるようになり,新聞を読み,議論する場となりました.
18世紀初頭のカフェには新聞やビリヤードがありました.営業日やビリヤードの使用状況など細かな規制はありましたが,1780年にかけてカフェハウスは増加し続けたそうです.
市民にとっての“安い集会場所”であったカフェ.その時のクロワッサン付きコーヒーの値段は4クロイツァー.庶民も楽しめる金額でした.他にもチョコレートやアイスクリーム,リキュール,焼き菓子が安い価格で注文できたそうです.カフェは市民にとっての楽しみの場であり,個人的な出来事,世間話や文芸,商業,訴訟,学問芸術などなどを語り合う場となっていました.

 

しかし,フランス革命(18世紀後半,1787年頃)期において,カフェを訪れる人には不信の目が向けられるようになりました.カフェハウスは教養のある人々が集まる場所となっており,新しい考え方や理念が生まれる場でもあったからです.新聞,雑誌は検閲されるなど,チェックを受けてからカフェに置かれていたのだそうです.

 

19世紀前半のウィーンのカフェハウス.
当時のドイツやフランスの町と比べ,カフェを訪れる人が非常に多いという特徴があったのだとか.「家を何度も訪ねてもその人に会えないが,カフェハウスでは確実に会える」と言われるほど...カフェは大衆の憩いの場として親しまれていました.さらにカフェごとに特徴があったようで,商人が集うカフェ,政治家が集まるカフェ,作家・俳優が集うカフェ,ドイツ人・ユダヤ人が集まるカフェなど様々.大衆の中で低い階級の人々にも,彼らのカフェハウスがあったそうです.芸術家のクリムトやシーレ,建築家のオットーワーグナーもカフェを議論の場として活用していたそうです.カフェは仕事場でもあり作家ペーター・アルテンベルク(Peter Altenberg)は自分の名刺にカフェの住所を記載していました.そのカフェ『Cafe Central(カフェ・ツェントラル)』には彼の記念碑があります.また作家グレアム・グリーン(Graham Greene)は通っていたカフェザッハーで『第三の男』の脚本の一部を書いていたそうです.

今日でも見られるウィーンのカフェ文化が確立したのは19世紀末頃のことです. 

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

  


 

   

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain オーストリア

 

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ヨーロッパ大陸のほぼ中央に位置する内陸国.9つの州から構成される連邦国家で,そのうちのひとつウィーンが首都である.首都ウィーンには国際原子力機関(IAEA)やOPECなど国際機関の本部が置かれている.国際的な都市である一方,ハプスブルク帝国の都であったウィーンには多くの観光客が訪れる地でもある.
スウェーデン,フィンランドとともに1995年にEUへ加盟した.ユーロは2002年1月よりドイツなどとともに流通が開始している.オーストリアは音楽の都でもあり世界屈指のオペラ座「ウィーン国立歌劇場(Staatsoper)」を始め様々な歌劇場やホールがある.また,毎年夏にはザルツブルク音楽祭が開催される.数多くの音楽家の生家や居住地があり,モーツァルトやベートーベンといった音楽家のミュージアムがある.ザルツブルクやインスブルックもオススメ.

 

国名 Republic of Austria(オーストリア共和国)

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人口 約880万人
面積 約8.4万平方キロメートル
言語 ドイツ語
通貨 ユーロ
時間 UTC+1(日本時間 -8時間,夏季は -7時間)

 

【参考ホームページ・参照文献】

二宮書店編集部(2018)「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版」二宮書店.

Kompass Karten(2013)「オーストリアの名物料理」(ISBN 978-3-85026-154-8).
Lina Schnorr(2014)「皇帝の都ウィーン」(ISBN 978-3-9503268-2-6).

 

外務省:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
オーストリア政府観光局:http://www.austria.info/jp
オーストリア政府観光局公式サイト「ウィーンのカフェ文化」